最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「隕石接近間近だよ!warning(ワーニン)!warning(ワーニン)!」


十三撃目:弟と隕石破壊作戦

少し前まで静かだった、Z市。しかし、今は警報音一色だった。

 

 

「緊急避難警報!災害レベル竜!やばいので逃げて下さい!巨大隕石落下まで、あと21分!専門家の話では、Z市は丸ごと消滅するとの事!可能な限り、急いで遠くまで逃げて下さい!!」

 

 

アナウンスが必死に呼びかけるが、人々の顔に浮かぶのは絶望の二文字。逃げていた人々も、次第に足を止め始めた。

 

 

「でけぇ・・・。」

 

 

「こりゃ、駄目だな・・・。」

 

 

「死ぬ前に、彼女欲しかったなぁ・・・。」

 

 

市民達がそんな事をぼやいている中、ビルの上を飛び回る影と、隕石目掛けて翼を広げて飛び掛かる影があった。ホタルとジェノスである。

 

 

すると、ジェノスの頭の中にホタルの声が響く。

 

 

(ジェノス君、聞こえてる?)

 

 

(ホタル先生!?)

 

 

(距離的に肉声だと届かないから、ジェノス君にハッキングして語り掛けてるよ。)

 

 

(聞こえます!)

 

 

そう応答を確認すると、ホタルは指示を出す。

 

 

(僕は、隕石の後ろに回ってから、隕石に⊕電荷を付与して隕石を引っ張ってみる!ジェノス君は地上から焼却で隕石を押し返して!!隕石を原子レベルまで分解しようとも思ったんだけど、その場合長時間の集中が必要になっちゃうから、これは却下!!)

 

 

(・・・分かりました!!)

 

 

作戦としては、隕石の破壊がベスト。

 

 

しかし、壊れなかった場合にも落下の衝撃を和らげる為に、ホタルが空中から隕石を引っ張り、ジェノスが隕石を押し返すようにして焼却を放ち、なるべく勢いを衰えさせる作戦である。

 

 

(ですが、もし失敗した場合は・・・。)

 

 

そうネガティブな声を出すジェノスを、珍しくホタルは一喝する。

 

 

(失敗した時の事を考えちゃ駄目!ベストを尽くそう!!)

 

 

(はい・・・。まさか、この試作品を試す羽目になるとは・・・。)

 

 

ジェノスがアタッシュケースを投げると、ケースが変形してアームに変わった。

 

 

(俺の焼却砲フルパワーでなんとか迎撃出来ないか・・・、この街には先生達も住んでいる。俺だけ逃げる訳にはいかない!)

 

 

次の瞬間、巨大な何かがジェノスの横を猛スピードで飛んで行った。

 

 

(ホタル先生?いや、あれは・・・、ボフォイか!)

 

 

そう言い切った時には、巨大メカが屋上に降り立っていた。

 

 

「お前は・・・ボフォイだな。(S級7位。高火力の兵器で、敵を周囲の建物ごと粉砕するヒーロー!こいつもZ市に住んでいるのか?それとも、命を張って駆け付けたのか・・・。)」

 

 

その質問に、ロボから音声が流れる

 

 

「オ前ハ・・・。新人ノジェノスカ。隕石ヲ止メニ来タノカ?」

 

 

「あぁ、S級5位のホタル先生・・・激雷の天使も来ている。ボフォイ、お前の力を貸してくれ。」

 

 

ジェノスはそう頼み込むが・・・。

 

 

「断ル。」

 

 

ボフォイはキッパリと断った。それにジェノスは疑問を返す。

 

 

「・・・何故だ?」

 

 

「俺ハ、新兵器ノ実験ノタメニ来タダケダ。隕石トハ都合ガイイ。」

 

 

その答えに、ジェノスは(いきどお)る。

 

 

「実験だと?そんな場合じゃないだろう。隕石が落ちれば、お前も死ぬんだぞ。」

 

 

「俺ハ死ナン。」

 

 

「何?」

 

 

「今、オ前ガ話シカケテイルノハ、遠隔操作サレテイルロボットダ。残念ダガ、俺ハ命ヲ懸ケテイル訳ジャナイ。隕石デ死ヌノハゴメンダ。」

 

 

ボフォイのその言葉に、ジェノスは押し黙る。

 

 

「・・・・・・。」

 

 

「ソレト俺ヲ呼ブ時ハ、ボフォイデハナク、メタルナイトト呼ベ。ヒーローハ本名ジャナク、ヒーロー名デ呼べ。常識ダ。オマエノ師ノヨウナ例外ハ居ルガナ・・・。ット、ソロソロ話シテイル場合ジャ無クナッテ来タナ。」

 

 

そうメタルナイトが呟くと、隕石がさっきよりも近くなっていた!そこに、ホタルからの通信が入る!

 

 

(ジェノス君!ポイントに着いたよ!!)

 

 

(・・・分かりました!!直ぐに向かいます!!)

 

 

そう言うと、ジェノスは隕石の真下のビルに飛び移る。

 

 

「・・・ここか。」

 

 

すると、メタルナイトが・・・。

 

 

「ミサイル、発射!!」

 

 

大量のミサイルを撃ち出したのだ!!そうして上がった発射音に、上空に居たホタルが混乱する。

 

 

(え?ジェノス君何かした?)

 

 

(メタルナイトのミサイルです!!)

 

 

(嘘でしょ・・・瓦礫の破片が下に落ちちゃうよ!!)

 

 

その言葉に、ジェノスはメタルナイトに非難の目を向ける。

 

 

(余計な真似を・・・!このタイミングじゃ、かえって邪魔になる!!)

 

 

すると、ドォォンとミサイルが着弾したと同時、上空で爆風が引き起こる。

 

 

(・・・・・・っ!!)

 

 

(メタルナイト!!・・・こいつ!これだけの破壊兵器を!!こいつは危険だ!警戒しておく必要がある!!)

 

 

その威力に、ホタルとジェノスは戦慄する。

 

 

だがしかし、隕石の勢いは衰えない・・・。いや、少し衰え始めている。

 

 

(ジェノス君!もうすでに、能力で上空に留めようとしてる!早く焼却を!!)

 

 

「ダメカ・・・コノ程度デハ・・・。」

 

 

そう言うと、メタルナイトは去っていく。

 

 

(くそ・・・、衝突まで推定33秒!!フルパワーで焼却砲を打ち込むまで、体内エネルギーチャージに5秒かかる!標的は迫っているし、ホタル先生はもう動いている!!考えている暇があるのか!?攻撃が命中したとして、その後はどうする。隕石が破裂して大惨事が起きるのではないか?その前に、俺のパワーで破壊できるのか?メタルナイトの大量ミサイルでさえ、効果は薄かったというのに・・・。)

 

 

考え込んでしまうジェノス。だがそこに、声が掛かった。声の主はバングだ。

 

 

「まぁ、落ち着け。心に乱れが見える。お主は失敗を考えるには、まだ若すぎるのぉ・・・。適当でええんじゃ適当で。土壇場こそな。結果は変わらん、それがベストなんじゃ。」

 

 

(適当が・・・ベスト?)

 

 

その時、脳裏に浮かぶのはフィジカル最強の師匠の顔。そして、何を思ったか服を破り。ボディの装甲に内蔵されている、エネルギーコアを腕部に装着したのだ。

 

 

「バング!伏せていろ!!」

 

 

「ほ?」

 

 

「ホタル先生!行きます!!」

 

 

そのジェノスの言葉に、ホタルが呼応する。

 

 

(了解!!)

 

 

(失敗や二次的な被害なんて考えない。この一撃に・・・俺の今を。全てを!捧げる!!)

 

 

すると、今までの焼却とは比べ物にならない、高密度の焼却をぶっ放した!!

 

 

(来た!!)

 

 

「ぐああああああ!!」

 

 

そう叫びながら、ジェノスは隕石を押しとどめようとし・・・

 

 

(はあああああ!!)

 

 

ホタルは隕石を引っ張り上げる。

 

 

「ぐぐぐ・・・駄目だ!勢いは衰えても、破壊できるような物じゃない!!」

 

 

そう言うジェノスに、バングが声を上げる。

 

 

「いや!気のせいか隕石の大きさが小さく成っているように見えるぞ!!」

 

 

「本当か!?」

 

 

しかし・・・

 

 

「あ、気のせいじゃった!」

 

 

なんと気のせいだった。そんなバングのボケっぷりに、ジェノスは声を荒げる。

 

 

「糞ジジイめ!!」

 

 

(ジェノス君!言葉遣い!!)

 

 

「す、すみません!!(ここが俺の、墓場か!)」

 

 

次の瞬間、エネルギーを使い果たしたのかジェノスが膝から崩れ落ちる。

 

 

「残り9秒・・・逃げるんだバングさん・・・。」

 

 

しかしそこへ・・・。

 

 

「爺さん、こいつ任せるぞ。」

 

 

何者かが現れ、バングが素性を(たず)ねる。

 

 

「だ!誰じゃね君は?」

 

 

その言葉に、決め台詞の様に言う。

 

 

「俺は、ヒーローをやっている者だ。避難してな、爺さん。」

 

 

現れたのは、我らが最強サイタマだ!

 

 

(せ、先生・・・?)

 

 

最強の片割れ・・・現着。




「お兄ちゃんが、現着したよ。」
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