最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
「こら、お兄ちゃん。何騒いでるの?遠くまで聞こえてるよ。」
そんなホタルの登場に、サイタマは少し顔を引き
「げ!ホ、ホタル・・・。」
そんな時、ホタルの事を何も知らないタンクトップ兄弟が騒ぎ始める
「な、
「こいつが兄貴だからって、庇うつもりか!!てめぇも痛い目に合わされてぇか!」
そうタンクトップ兄弟が騒ぎ始めるが、ホタルはにこやかな笑みを外さずにタンクトップ兄弟に挨拶をする。たっぷりの皮肉を込めて。
「御安心を。そのような事をするつもりは、毛頭ありませんので・・・。それにしても、貴方達が噂の"タンクトッパー"・・・、師であるタンクトップマスターさんに似ておらず、
そんな言葉に、不肖の意味を知らないのかタンクトップ兄弟は得意げに胸を反る。
「へっ!まぁな!!(不肖の弟子・・・、意味は分かんねぇけど褒めてくれてるに違いねぇ!!)」
「あ、兄と違い分かっている様だな!!(不肖の弟子・・・、優れた弟子という事だな!)」
そんなタンクトップ兄弟に、ホタルは
「はぁ・・・。(絶対、不肖の意味履き違えてるよね・・・。)」
「というか、何しに来やがった!!」
そう言ってくるタンクトップタイガーに、ホタルは可愛いらしい笑顔に似合わない、たっぷりの皮肉を込めて言う。
「いえ?世間は怪人達の発生に追われているのに、新人潰し
そう言って煽るホタルに、ホタルがS級であることを知らないのかブラックホールが
「な!暇人だと!!貴様、俺達が何者か分かっていないようだな!!B級ヒーロータンクトップブラックホールだぞ!!貴様程度の低ランカーが生意気な口を・・・!!」
そう言いかけた所で、ホタルは自分のランクを教えてやる。
「僕、S級5位ですけど?」
その言葉に、タンクトップ兄弟は呆然とする。
「聞くな・・・!!・・・は?」
「S・・・級・・・?」
「はい。名簿です。」
そう言って、携帯端末に載っている自身のプロフィール写真を見せると、タンクトップ兄弟は戦慄する。
「・・・S級5位。・・・激雷の天使!?」
「え、S級5位って、マスターが言ってたアトミック侍の推薦の!!」
「先日E市で鬼2体を瞬殺したって言う・・・!!」
そう言いながら青ざめた顔で自身の顔を見つめる兄弟に、ホタルはにっこりと笑う。
「はい。その人僕です。」
「・・・!!」
そう戦慄した後、タンクトップ兄弟は脳内で騒ぎ始める。
(やばばばばば!!)
(たたた、確かマスターによると、体力試験において協会史上最も高い記録を更新させたって言う・・・!!)
そうこうしていると、周囲の市民達も騒めき始める。
「え?S級?」
「確かこの前、E市で鬼2体を討伐した、新進気鋭の・・・。」
そんな中、ホタルは髪の毛にプラズマを走らせながら笑顔で
「それにしても、B級ヒーロー様とあろう人が、こんな荒廃した町で何をしているんでしょうか?さっきから大声を出し続けて、遠くまで聞こえるような声でしたが・・・。」
ホタルは問い続ける、
「い、いや・・・それは・・・。(い、いやチャンスだ!!ここで兄貴の所業を聞かせれば、この生真面目なタイプは、協会に報告する!!俺達がここで糾弾するよりも確実だ!!)」
「あんたの兄貴が・・・!!」
そう言って、ホタルの生真面目そうな性格を利用しようとしたが・・・ホタルの次の台詞にポカーンとする。
「さっき、この近くで災害レベル虎の出現報告がありましたよ?スピーカーでも流れてたのに、聞こえなかったんですか?」
「「え?」」
そう、サイタマを非難する事に集中しすぎていた兄弟は、自身の大声と民衆の"辞めろコール"も相まって怪人警報に気付いていなかったのだ。
そんなヒーローとしてあるまじき行為に、ホタルの怒気が更に高ぶる。
「まさかとは思いますけど、怪人そっちのけで大声出し大会でもしてたんですか?タンクトッパーっていう人種は随分暇人なんですね。まぁ、その怪人は僕が倒しときましたけど・・・。」
「う、嘘だろ・・・?」
そう言うタンクトップタイガーに、ホタルは笑っていない目を向ける。
「冗談で、こんな事を申し上げると思いますか・・・?会話の内容が筒抜けでしたが・・・、災害そっちのけで、まさかとは思いますが新人潰しなんて馬鹿な事をやっていたんじゃないでしょうね・・・。」
「し、新人潰しなどでは・・・。」
「そ、そうだ!お前の兄が隕石を粉砕するから・・・!」
そう言って反論しようとするタンクトップ兄弟を、ホタルは黙らせる。
「兄を
「へ?」
そこから協会が計算した、仮に隕石が衝突していた際の被害状況を話し出す。
「そもそも、死人が一人も出ずにこの程度の被害で済んでる、現在の状況がまだマシな部類なんですよ。協会の調べによると、あの隕石の直径は約70m。意外と小さいかもしれませんが、その隕石が秒速50km、60°の角度で突っ込んできました。協会のデータベースの計算によると、まず付近に居た人間の死亡推定人数は7000人。海が近辺にあれば、高さ約500mの津波が襲い掛かります。次に大気圏を突破した隕石の炎による爆発の被害に関しては、1000万人が死亡、170万人がⅢ度の熱傷、325万人がⅡ度の熱傷を負い、60km以内の木々がすべて焼失いたします。次に衝撃波による被害。約336万人が死亡。半径22km以内の人間は空中に舞う粉塵による影響で肺に損傷が生じ、29km以内の人々の鼓膜は破れ、一軒家を含めると、67km以内の家屋の倒壊が生じ、衝撃時の突風で679万人が死亡。衝撃時の揺れでマグニチュード4.9の地震が生じるらしいですよ。確かに周辺の人々の生活が成り立たなくなってしまいましたが、ジェノス君や兄が止めなければ、先程述べたような被害が拡大してたんですよ?にも拘らず大口を叩くという事は、貴方達なら隕石が止めれたという事なんですね?」
そう言って論破をするホタルに、タンクトップ兄弟は
「そ、それは・・・。」
「・・・だ、だが!結果論の話だろう!!我々は
そうタンクトップタイガーが言おうとするが、その言葉に被せる様にして発言する。
「あぁ・・・、その事なら心配ご無用。僕が修理しますので。」
ホタルがそう言い終わると同時に、瓦礫が宙に浮かび上がり倒壊した建物が、ビデオテープの巻き戻しの様に修復し始めたのだ!!
そんな状況に、民衆達は驚愕の声を上げる。
「な、何だこれ!?」
「お、俺の家が直っていく!!」
そう混乱する民衆に、ホタルは代替案を提示する。
「
そう言ってホタルが頭を下げると・・・
「収めるとも!家が直ろうとしてるんだ!!」
「そうだそうだ!」
「職が見つかるまで、補償もあるなら・・・。」
民衆達は、怒りの矛を収めた。
「皆さんの温かなお心遣い、感謝至極でございます・・・。さて・・・、貴方達は・・・。」
そうして、ホタルがタンクトップ兄弟の方に向き直ると、兄弟は顔を恐怖に歪めた。
「「ひっ!!」」
「今回の事は、新人潰しと捉えられてもおかしくありません。ただでさえ怪人が多数出現しているにもかかわらず、この様な協会の戦力を削ぎ落とそうとする
そう告げるホタルに、サイタマも少し落ち込む。
「ま、マジか・・・。」
「た、頼む!!マスターには・・・!!」
そう懇願するタンクトップタイガーに、ホタルは更なる絶望を叩きつける
「御安心を。あなた達の醜態は録音、録画してタンクトップマスターさんのメールに送付してあります。先程メッセージが返ってきましたが、貴方達の愚行を大変
「お、おう・・・。」
そう言って帰路に就く最強兄弟の後ろで、タンクトップ兄弟は膝を付いて項垂れていた。
「・・・。」
年下に、正論パンチで説教された年上達であった。
(ほっほ・・・、意外と策士じゃのぉ・・・。)
そして、ビルの屋上では一部始終を見届けたバングが、にこやかに笑いながら去っていった。
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夕刻の帰り道。気まずそうに歩くサイタマと、にこやかな笑みを浮かべるホタルが居た
「あ、あー・・・ホタル?」
「・・・。」
「お、怒ってるよな・・・。」
そう質問するサイタマに・・・
「・・・かなりね。」
極上の笑みを浮かべつつ、髪にプラズマをホタルは走らせる。
「ひっ!!(か、髪にプラズマが・・・!!)」
そこから、一気に
「今回の一件、協会に報告したのは本当。これが、良い結果に成るのか悪い結果に成るのかは分からない。けど・・・、明らかにお兄ちゃんは二次被害について考えなさすぎ。『隕石壊してハイ終わり』じゃないでしょ?そもそも、僕が倒壊した家屋を直したから結果的に怒りの矛を収めてくれたけど、あの人達は僕が直すまでホームレス状態だったんだよ?それを『てめぇらの被害なんて、知るかバカ共!』って言うのはおかしくない・・・?そもそも、あそこで抗議したのもお兄ちゃんの為じゃなくて、新人潰しなんてやってるヒーローの風上にも置けないタンクトッパーの人達を
そう言い終えたホタルに、サイタマは震え始める。
「ははははい!」
「しばらく、お兄ちゃんの好きな白菜料理と海藻料理禁止。」
そうして、好物を
「・・・・・・マジか。」
開き直っていたサイタマに、重い一撃を与えたホタルであった。
「因みに、隕石の被害は作者がAsteroid Launcherっていうシミュレーションアプリで東京に落ちた場合の結果だから、間違えてる可能性大だよ。それからお兄ちゃんの評判は、僕が庇ったとはいえ開き直った態度だったから原作と同じだよ」