最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
一撃目:弟と兄
Z市に在る、ゴーストタウン。そこは以前から怪人が
怪人が跋扈してから、度胸試しに来るような命知らずは数多くいたが、今ではそんな人間も鳴りを潜め、居住している人間は誰一人として居らず・・・。
「ホタルー、大丈夫か?」
「待って・・・、お兄ちゃん。」
否、居た。危険区域を歩く二つの人影。一方は四白眼に良く光るその・・・光り輝く頭部を持つ男。名はサイタマ。ありとあらゆる困難を一撃で終わらせる最強の男である。
そして、そのサイタマにホタルと呼ばれたもう一人の人影。サイタマとは違いふわふわしたオレンジ色の髪の毛。ぱっちりとした紫色の垂れ目に色白の肌を持つ、一見すると女の子の様な顔をした男の子であった。
「何でそんなに落ち込んでんだ?」
「お兄ちゃんが、怪人さんを見つけては倒し続けて、遠回りするからだよ・・・。体力は消耗しないけど、遠回りすると気分が下がるって言うか・・・。」
「う゛っ。わ、悪い・・・。けどお前も怪人倒しまくってたじゃねぇか。」
「僕が倒してたのは、マンションまでのルート上だけだよ。お兄ちゃんがルートから外れた怪人さん達までやっつけに行くから・・・。」
「返す言葉もねぇ・・・。」
涼しい顔をしているサイタマ対し、ホタルは呆れた目で彼を叱り、サイタマはそんなホタルに頭が上がらないのか、返す言葉を失っていた。
そう、一見すると他人に思えるほど見た目も性格も似ていないこの二人は兄弟なのである。
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自宅に帰るとホタルは台所に立ち、買い物袋を広げる。そんな彼は普段なら買う事の無い肉に、目を輝かせながらサイタマに話し掛ける。
「今日は特売品買えてよかったね。」
「そうだな。久しぶりに肉が食える気がする。」
そう言いながら嬉しそうな顔をするサイタマに笑い掛けたホタルだったが、サイタマの持っている買い物袋を見て怪訝そうな顔に成る。
「ところでお兄ちゃん。」
「どうした?」
「そのお鍋に入ってる昆布は何?昆布なんて買わなかったよね。」
そう。今日はスーパーでは、海藻類の類は買わなかったのだ。そんなホタルの疑問に、サイタマはしどろもどろになりながら答える。
「・・・あー、そのあれだ。怪人をぶっ飛ばした時に、婆さんがお礼にくれたんだよ。」
「普通の昆布より大きくない?」
「こ、細かい事は気にすんなよな。ほら、良い出汁も取れてそうだし、早く作ろうぜ。」
そんなサイタマの言葉に眉を寄せながら、ホタルは彼の持っていた買い物袋から昆布を取り出してしげしげと眺め始める。
「・・・香りも良いし害は無いのかな。まぁ、食べれれば何でもいいのかな?」
「そうそう!」
「なんか怪しいけど・・・。まぁいいや。お風呂入ってくるね。」
「お、おう。」
そう言って、サイタマに
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そうして数時間後、先程まで
「良いお湯加減だった・・・ね・・・。」
「そうだなー。ってバジャマ着崩れてるぞ。」
そう言うと、サイタマはホタルの着崩れた寝間着を直してやる。そんな彼に、ホタルは甘えるかのようにふにゃりと笑い掛ける。
「お兄ちゃんが、ちゃんとお兄ちゃんしてる~。」
「寝ぼけるな、早く寝るぞ。」
「ふぁーい・・・。」
そう言うと、ホタルは自身が作ったぬいぐるみを抱きながら、あどけない表情で眠りについた。
この物語は、一撃で全てを終わらす男としっかりしてるようでフワフワしている弟の周りで起こる、ヒーロー物語である。
「
そう言いながら泣く、海藻型の怪人が居た事は誰も知らない・・・。