最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「深海王さん・・・こんな形で会いたくなかったよ。」


十九撃目:弟とシェルターでの再会

先程まで、雷鳴が(ほとばし)る空は、大雨になっていた。

 

 

そこをズシンズシンと歩く深海王は、最早人型の姿を留めていない何かである。

 

 

(さっきの変態は再起不能・・・。あの囚人服の人間も、もう追って来ないでしょう。)

 

 

そう考える深海王の目の前には、シェルターが見えつつあった。

 

 

(感じる・・・。沢山の気配を、あそこから感じる・・・。)

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

ここは、J市のシェルター。海人族の発生から、早数時間・・・多くの民間人が集まっていた。そこで、親子が話している。

 

 

「パパ。怖い怪獣は、まだ外に居るの?」

 

 

「心配ないさ。誰かがやっつけてくれる。それに、このシェルターの中に居れば安心さ。いざとなれば、此処に避難した五千人、皆で力を合わせれば怪人なんてやっつけちゃうさ!!」

 

 

不安そうなする我が子を元気付けるかのように、父親が力強く言う。

 

 

しかし、そんな安心させる言葉を裏切るかの様に・・・。ドカァァァンと衝撃音が起こる。

 

 

深海王が、シェルターの壁をぶち開けたのだ!!そうして、深海王は挨拶をする。

 

 

「初めまして、人の子達・・・。」

 

 

恐ろしい形相をした怪人に、周囲は(ざわ)めく。しかし、そこに・・・。

 

 

「ま、待った!!我々は降参する!何か要求が有れば、その通りにしよう!!だから、攻撃しないでくれ!!頼む・・・。」

 

 

そう両手を上げながら近づいてきたのは、避難していたC級ヒーローのオールバックであった。

 

 

「要求ね・・・、本当に応えてくれるのかしら・・・。」

 

 

「も、勿論だ!!」

 

 

その言葉に、深海王は自身の望みを伝える。

 

 

「・・・私の要求はただ一つ。貴方達人間による、海中汚染の取りやめよ。」

 

 

「か、海中汚染だと?」

 

 

そう聞き返すオールバックに、深海王は苛立ちを覚える。

 

 

「気付いて無いの・・・?貴方達人間が、毎日どれだけ海を汚しているか!!その所為で、我らの同胞がどれだけ苦しい思いをして死んでいるのか!!」

 

 

「そ、それは気を付ける!!」

 

 

しかしそんな言葉は、今まで押さえつけていた深海王の、怒りのフラストレーションに火を付けるだけである。

 

 

「貴方達人間はいつもそう。海を汚すなと言われても、平気でゴミの不法投棄。工場排水による、海水の汚染!!挙句の果てには、500年前に我ら海人族の住処をぶち壊したのよ!!貴方個人の言葉で信用できるとでも!?」

 

 

その殺気に、オールバックは失禁する。

 

 

(あ・・・、ちびった。情けねぇ・・・。それにさっきからこの怪人の言ってる事の(ほとん)どが、正論過ぎて言い返せねぇ・・・。どうすれば・・・。)

 

 

しかし、ここで更にオールバックの胃を痛める事が起こった。それは・・・。

 

 

「はぁ~?海は皆の者ですよ~?貴方だけの者じゃ無いんですぅ~。そんなしょうもない理由で、地上侵攻しないで貰えますかぁ~?住処が壊滅したのも、御宅らが弱いからでしょ~?弱肉強食って言葉知ってますぅ~?」

 

 

「お、おい!!」

 

 

馬鹿な市民による、煽りの言葉である。その言葉を聞いた、もう一人の市民が注意するが時既に遅しである。

 

 

その瞬間、周囲の温度が数℃下がった・・・。

 

 

「こちらが甘い顔をしていれば、付け上がって・・・。良いわ、天罰を与えましょう・・・。」

 

 

そう言って拳を振り上げる深海王に、オールバックは混乱する。

 

 

(ま、不味い!!俺一人で何とかなるか?いや・・・、だが・・・。)

 

 

その時・・・・。

 

 

「はぁ!!」

 

 

B級ヒーローのジェットナイスガイが立ち上がり・・・。

 

 

「うぉぉぉぉ!!俺もやるぞ!!」

 

 

C級のブンブンマンが()え・・・。

 

 

「よし、力を合わせるぞ。38位の最下位とはいえ、俺もA級の端くれ・・・。やってやる・・・。」

 

 

A級のスネックが構え・・・。

 

 

「お、俺もヒーローだ!!オールバックマン参上!!」

 

 

オールバックマンが叫んだ。その声に、ジェットナイスガイは歓喜する

 

 

「ヒーローが四人も居たのか!!」

 

 

「C級2人に、B級1人と、A級1人・・・行ける!!」

 

 

そう言って、オールバックが奮起する。

 

 

「やるぞ!俺だって怪人と戦った事がある!!」

 

 

そして、ブンブンマンもやる気になるが・・・

 

 

(避難したヒーローが、いくら集まっても心細いな・・・。というか、向こうの言ってる事が正論すぎて、俺らが悪役に成ってないか・・・?)

 

 

スネックだけが、懸念していた。しかし、ヒーロー達の登場に民衆達も希望を抱く。

 

 

「ヒーロー?ヒーローが出てきてくれたのか?」

 

 

「ヒーローだ!!助かるぞ!!」

 

 

ここで、民衆のボルテージも急上昇・・・。このまま逆転を・・・。

 

 

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・・・する事は無かった。ヒーロー達は全員死なない程度に攻撃され、惨敗したのだ。そのような状況に、民衆達は再び絶望する。

 

 

「そ、そんな・・・。」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

しかし、深海王の顔は晴れやかでは無い。それどころか、どこか(うれ)いを帯びて*1いた。

 

 

各々の想いが交差する中・・・。シェルターの外から声がした。

 

 

「ジェノス君!深海王さんが居たよ!!」

 

 

「了解いたしました!!」

 

 

S級師弟コンビ、現着。

*1
どこかしら切なさや悲しさを含んでいる様




「作者の言葉を代弁します・・・。原作の大幅な改変って、難しぃ~!!」
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