最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
サイタマがB級に昇格した数日後、3人は海岸に来ていた。
「着きましたね。」
「そうだね。」
「おー、これが・・・。」
深海王・・・、いや弟橘媛とホタルが出会った海岸。そこには・・・
「でっかい社だな・・・。」
サイタマの言葉通り、"
「・・・ここが深海王が居る神社ですか。」
そう呟くジェノスに、ホタルはやんわり訂正する。
「"元"深海王さんね。今は弟橘媛様だよ。夜には沢山の蛍が飛んで、海面にも光が当たって綺麗な景色が浮かぶんだよ。今じゃ、恋愛成就の神社だよ。」
「・・・・・・。」
しかし、ジェノスは叩き付けられたこともあってか、神様扱いをするのに不満そうである。
「しっかし、不思議なもんだよな。怪人が神様に成っちまうなんて。」
そのサイタマの感想にも、ホタルは訂正を入れる。
「逆だよ。神様から怪人に成った人が、神様に戻ったんだよ。」
「へいへい。まぁ、こいつのお陰でB級に昇格したんだし、賽銭でも入れとくか。」
そう言うと、3人は賽銭箱に小銭を入れる。
まず最初に、ジェノスが願い事を告げる。
(貴様に願うのは
次にサイタマが、必死の形相で願う。
(金が入ります様に・・・!金が入ります様に・・・!!)
そうして最後に、ホタルが穏やかな顔で願う。
(・・・弟橘媛様の様に、怪人と人間が分かり合える日が来ます様に・・・。)
そうしていると、ザッパーンという音と共に何者かが海面から現れた。その正体は無論・・・弟橘媛である。
突然の登場に、サイタマは絶叫する。
「おわぁぁぁ!!」
「ホタル様!!来てくれたのですね!」
そうしてサイタマが驚愕の声を上げたと同時に、弟橘媛がホタルに抱きついたのだ。そんなスキンシップに、初心なホタルは赤面する。
「お、弟橘媛様!?」
そうすると、ジェノスが弟橘媛に砲口を向けて威嚇する。
「貴様!ホタル先生から離れろ!!」
そんなジェノスの方を向き・・・
「あ・・・、あの時のサイボーグさん・・・。」
やはり、ジェノスを前にすると何処か気まずそうである・・・が・・・
「え、ええと。その・・・、この前は大怪我させて申し訳ありませんでした・・・。」
素直に謝ったのだ。これにはジェノスも毒気を抜かれ・・・。
「い、いや・・・、分かってくれれば良い。」
怒りを鎮める他なかったのだ・・・。
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そうして、暫くの間雑談が始まる。
「それからどうですか?光虫神社の様子は。」
そう質問するホタルに、弟橘媛は穏やかに笑う。
「えぇ・・・、あれから参拝客も増えて神の力が戻ってきましたの。昔の様にはいかないけど、ボチボチやっておりますわ。それに、最近ではお魚さんだけじゃなく、一羽の
「ごみ問題は如何なんだ?」
そう質問するサイタマに、弟橘媛はとある方向を指差す。
「あの鳥居の横にある、立て札のお陰でなんとかなっております。」
「あれは・・・。」
ジェノスがその方向に目を向けると・・・。そこには筆で描いたような字でデカデカと・・・。
この地に祀られている弟橘媛の神社と海と海岸を汚した阿保は、叩き切るから覚悟しとけ!!byアトミック侍
海を治める女神様を悲しませるでない!!!byシルバーファング
と、アトミック侍とシルバーファングによる警告文が書かれており、その隣には綺麗な明朝体でヒーロー協会環境課からの札が建ててあった。
この海岸全域に赤外線付き監視カメラを設置しました。夜間の犯行であろうと、この場に不法投棄を行った際は、個人特定をした
そんな三枚の看板を見比べ、サイタマとホタルが呟く。
「協会はアレだけど・・・。爺さんとアトミック侍とかいう奴が書いた看板、汚ねぇ字だな・・・。」
「筆で殴り書きにしてそうだよね・・・。」
そこで、ジェノスが眼球センサーで文字を分析する。
「『この地に
そうしてホタルの方を振り向くと、ホタルはニッコリと笑う。
「僕が、アトミック侍さんとバングさんにお願いして書いてもらったよ。」
そうしていると、弟橘媛は三人に改めて礼を言う。
「最近では、
そんな弟橘媛に、サイタマは手を軽く振る。
「気にすんな。」
「でも・・・。」
そう言い淀む弟橘媛。しかし、その時海中から・・・。「弟橘媛様ー。弟橘媛様ー。」と、彼女を呼ぶ声が聞こえてくる。その声に、弟橘媛は海の方を振り向く。
「あ・・・。お魚さん達が呼んでる。もう帰らなきゃ。」
「もう帰っちゃうんですか?」
そう言って寂しそうにするホタルに、弟橘媛は笑いかける。
「また会えますよ。ここに来ればの話ですが・・・。」
「そっか・・・、じゃあまた来ますね。」
「えぇ!また会いましょう!」
そう言うと、弟橘媛はジャポンという水
「全く・・・、人騒がせな神様ですね。」
そう呟くジェノスに、ホタルは苦笑する。
「あはは・・・。でも、楽しそうでよかったよ。」
神の人生を変えた、ホタルであった。
因みに余談だが、
これが
そして数日後、サイタマ家に大量の新鮮な海産物が届いたのは別の話・・・。
帰り道、ホタルは自らが読んでいた古事記の内容を思い出す。
(そういえば、
「深海王編終了です♪因みに、深海王さん・・・もとい、弟橘媛様を救済しようと思った理由は、作者曰くなんとなくらしいよ。この一件以降、ヒーロー協会はクリーンなエネルギー開発に乗り込んだとか・・・。」