最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
全員の喧騒が止み、シッチが説明を始める。
「私は今回の説明役を引き受けた、ヒーロー協会のシッチだ。メタルナイトとブラストは居場所が分からず、連絡も取れない状況にあるらしい。これ以上待っても埒が明かないので、緊急集会を始める・・・。早速本題に入らせて頂こう。ヒーロー界の頂点に立つ君達に集まって貰ったのは、他でもない。今回は、地球を守って頂きたい。今回ばかりは、超人揃いのS級メンバーでも命を落とすかもしれん。逃げるのも勇気だ。今なら辞退しても、S級に籍だけは残してやる。だが、今から言う話を聞いた者は逃がす訳にはいかなくなる。・・・その場合は事が終わるまでこちらの方で軟禁させてもらう。混乱は避けたいのだ。皆、話を聞く覚悟は良いか?」
するとここで、金属バットが鋭い眼光を向ける。
「その話・・・マジで俺達を集めるだけの内容なんだろうなぁオイ・・・。こっちはわざわざ、妹の大事なピアノの演奏会を抜け出してきたんだ・・・。大した事ねぇ話しだったら、この本部をぶっ壊すぞコラ!」
その言葉が終わると、シッチは一拍置いてから衝撃的な内容を口にする。
「・・・大預言者。シババワ様が、死んだ。」
その言葉に、ヒーロー達がざわめき始める。
「あのシババワが・・・!?誰かに殺されたのか?」
ゾンビマンのその言葉を、シッチは否定する。
「いや・・・、半年先までの未来を占っていたところ、気が動転したのか息が荒くなり咳が出たため。のど飴を口に入れたら喉に詰まって死んだらしい。」
「なるほど!今後はシババワ様の未来予想無しで災害対策を立てなければならない・・・。それが今回の話の核だな?」
クロビカリが的を射たような発言をするが・・・。
「違うな。シババワ様はいつも、ごく一部の災害しか予言出来なかった。これまでも未来予想されなかった災害の方が圧倒的に多い。」
そう話している間、ホタルは額から大量の汗を流す。
「・・・。(ど、どうしよう・・・!さっきから周りの人達に合わせて、何となく神妙な顔をして聞いてるけど、シババワ様って誰!?)」
そんなホタルの異変に気付いたのか、童帝が話しかけて来る。
「お兄さん?大丈夫ですか?」
「い、イサム君・・・。シババワ様って・・・誰?」
その言葉に、童帝はスラスラと答え始める。
「シババワ様って言うのは、大預言者の人ですよ。地震や怪人が来るタイミングを百発百中で当ててしまう人です。テレビでも話題に成ってましたよ?」
「な、成程・・・。僕の家、テレビで映せるチャンネル少ないから・・・。」
その言葉に、童帝は気まずそうにする。
「な、なんかすみません・・・。」
そう二人が話している間にも、シッチは話し続ける。
「シババワ様の予言無しでも、乗り越えてきた窮地は沢山ある。それでも我々がシババワ様を身辺警護し、特別扱いしてきたのは・・・、その予言が100%的中するからだ。問題の核となるのは、シババワ様が最後に遺した大預言文!!のど飴を詰まらせながらも書き残してくださったこの小さなメモ・・・。100%訪れる未来がここにある・・・。これだ!読めるか!?」
そうしてシッチが、テーブルに紙を置き拡大された文字を呼んだヒーロー達は・・・。
「ち・・・地球がヤバい!?」
と、叫んだのだった。
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それから数秒経ち、呆けていたヒーロー達が落ち着きを取り戻して、童帝が発した言葉は・・・。
「何それ、くだらないなぁ。僕塾があるから、帰って良いかな?」
そんな童帝に、シッチは呆れた目を向ける。
「・・・童帝君。君は10歳だったかな?天才少年と聞いていたが、この危機を認識出来ないようでは、所詮はお子様と言わざるを得ないぞ。」
「何だと・・・!?」
童帝が突っかかろうとすると・・・。
「イサム君。」
「はい?」
ホタルが、童帝の側頭部に指を置いた。
「はい。リラックスリラックス~。」
そう言うと、童帝の
「・・・ふぅ。すみません。」
そうして童帝が落ち着いたのを確認すると、ホタルは話の続きを促す。
「シッチさん。イサム君も落ち着いたので説明どうぞ。」
「う、うむ。話を続けよう。シババワ様の予言は100%当たる!そして、これまで幾つもの大災害を予言してきた。洪水、危険生物の発生、大地震。その中には多くの命を奪う結果と成ったものまである。しかし、シババワ様が『ヤバい』と表現したことは一度も無かった・・・!大地震や鬼や竜レベルの怪人が襲来するよりも『ヤバい』事が起きようとしているのだ!!それも、この半年以内に!」
その言葉に、人類最強の男と称されるキングもドッドッドッという気迫と共に緊張を高まらせる
「・・・・・・。」
しかし、番犬マンから苦言が
「分かったけど、半年以内じゃいつ来るか分からないね。対策もやりようが無い。」
その言葉に、シッチは
「確かにその通りだ!だがしかし!半年以内に戦う覚悟はしておいてくれ!非力な凡人を代表して言うが・・・君達だけが頼りだ。」
しかしここで・・・。サイタマが口を開く。
「半年以内って事は、明日かもしれないし今日かもしれないな。」
「ふむ!その通りだが、お前は誰だ?」
シッチの質問に、ホタルが答える。
「あ、僕のお兄ちゃんです。」
「ホタル君のか!?(という事は、彼も戦力に成りえるのか?・・・いや、しかしB級なのにか?・・・いや、そもそもS級が設立される前までは、クロビカリ君やシルバーファング氏もC級やB級だった訳だ・・・それに、二次被害を防げなかったとはいえ、巨大隕石を破壊した張本人だとホタル君から報告があったと聞く。もしや、ダイヤの原石か?)」
そうシッチが考えていると、サイタマが決め顔で言う。
「・・・来て良かった。」
すると突然・・・、ホタルが大声を出す。
「・・・っ!!すみません!!外に出ます!!(レーダーに何かが引っかかった!!でもいきなりなんで!?)」
「ホタル君!?」
シッチの驚きの言葉と共に、最強の片割れは会議室の天井の一部を原子レベルにまで分解して穴を開け、飛行能力で外に飛び出したのだった。
「巨大な何かが引っかかった!」