最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
ポカポカと陽気な朝日が照る時間。ホタルは台所で朝食を作り、俺は寝ころびながらそれを見ている。
「今日のご飯は~、自家製ソースのカルボナ~ラ~ごは~ん♪卵と牛乳掻き混ぜて~。ハムと玉葱炒めま~す。胡椒を掛けて、ホカホカご飯に乗せたら、か~ん~せ~い♪」
「・・・・・・。」
目の前に居るのは、俺の天使・・・ゲフンゲフン!!いや、俺の世界一可愛い弟である。世間一般的に見ると、俺の弟は20歳にも関わらず結構背が低い。この前測ったら155cmぐらいだったと判明した時には、ホタルの将来を心配したものだ。本人は「小数点を四捨五入したら156cmだもん・・・。」と言っていたが。俺が親父似なら、ホタルはお袋似なんだろう。
俺達には両親が居ない。小さい頃親父とお袋が離婚している。俺もホタルも小さかったこともあり、親権はお袋のものと成った。そんなお袋も、数年前に病気で他界した。幸い遺産は俺達の元へ行き、贅沢をしなければ数年は過ごせる金が入った。とは言えども、生活をしている以上金は減っていくのだが・・・。
(ホタルが内職とか切り詰めてくれるとはいえ、不甲斐なさ過ぎないか俺・・・。就活失敗したままヒーロー目指して・・・。ニート同然じゃねぇか。それにしても・・・。)
エプロン姿で料理しながら歌ってるホタル、可愛すぎんだろ!
━━━━━━━━━━━━━━
そう考えていると、朝飯を御盆に乗せたホタルがやって来る。そんなホタルの持つ盆の上には、湯気が立ち上る暖かそうな料理が乗っていた。
「ご飯出来たよ~。 」
「ん?お、おう美味そうだな。」
「今日はカルボナーラ丼にしてみたよ〜。お味は食べてみてからのお楽しみ〜。」
「・・・そうだな、今日の飯は。」
そう言いながら俺は目を閉じながら
「・・・。」
「旨いな!」
俺がそう言うと、ホタルはホッとしたような顔に成る。なんというか・・・、俺と違ってコロコロと表情が変わるよな・・・マジで。
「良かった・・・。」
まぁ、こんなに可愛いホタルの飯が不味いわけが無い。万が一にも不味かったとしても、悲しむ顔は見たくないので完食するのだが。
「ちょっと、テレビ付けて良いか?」
「うん。・・・お兄ちゃん頭
「さっきサボテンに水やりしてたら、蚊に刺されたんだよ。」
そう言いながら、俺がテレビを付けると丁度ニュースがやっていた。ニュースキャスターと、ゲストが何か話している。
『今年の蚊の大量発生は、世間に混乱を招いています。』
『私はインドア派なんでまだ良いのですが、外で遊ぶ子供なんかは、可哀想ですよね。』
「僕も、お部屋に
その言葉が終わると、俺の頭皮にヒンヤリとした滑り気のある物が塗られ始めた。ホタルが、俺に塗り薬を縫ってくれているのだ。
「ありがとな。お、気持ち良くなってきた。」
「ふふっ。ホタル直伝の頭皮マッサージ、とくと味わうがいい~。」
そうホタルが言った瞬間、俺の頭皮がピクピクし始める。なんつーか、子供の頃に行ったスーパー銭湯にある、電気風呂に入ったときみたいな感覚だな。
「お~、頭がピクピクする。どうなってんだ?」
「ん~、僕も専門家じゃないから知らないけど、電気と周波って深い関係にあるんだって。人間の神経や筋肉には、低い周波数のパルス電流に反応する性質があって。低周波治療器は、それを利用した医療機器で、体の表面につけた電極を通じて皮膚の表面から通電して、それに対する作用を利用して治療を行うらしいよ。低周波の電流が流れると電極付近の筋肉が収縮して、電流が止まると筋肉は弛緩して。この弛緩したときに血液が送り込まれて、老廃物を含む血液が送り出される現象が発生して、これを繰り返すことで、血行が促進されるんだって。それに、痛みがある場所に低周波の電流を流すと、痛みを伝達する機能に働きかけて、脳に痛みを伝えにくくする効果もあるらしいよ。僕がやってるのはその医療機器の真似事みたいな感じかな。」
・・・専門用語が多すぎて、何言ってるか分かんねぇ。ホタルじゃなかったら、20文字以内に簡潔に纏めて来るように、蹴り出してたな。
「相変わらず万能だよな・・・。その電気を操る力・・・。」
「将来は、ヘッドマッサージ師さんに成れるかな。えへへ~♪」
俺の言葉に無邪気に笑いながら、ふにゃぁと笑う顔もめっちゃ可愛い。天使か・・・。そう考えていると、ニュースキャスターと蚊の専門家?らしき奴らが話し始める。
『原因は何なのか!?蚊の専門家であり、本も出されているカーフェチ氏に来て頂きました。』
『宜しくお願いします。』
「専門家なんだって。やっぱり賢いのかな・・・?」
そう言ってホタルが期待を
『えー、結論から言わせて貰うと、今年の蚊は完全な新種である為、私にも分かりません。』
『帰れ。』
「コントかな?」
そんなニュースキャスターと専門家のおっさんのやり取りには、流石のホタルも呆れちまったみたいだ。ポカンとしながらテレビ画面を見ている。
「大量発生って勘弁してくれよ。」
俺がそう言った瞬間、別のキャスターが臨時ニュースを読み上げる。いきなりの臨時ニュースに、俺とホタルは首を傾げる事になった。
『番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。』
「臨時ニュース?」
『Z市に大量の蚊の群れが迫っています!!住民は絶対に外に出ないようにしてください!災害レベル鬼!!すでに襲われた家畜はミイラ化していたとの事です。群れに接触したら確実に死にます。これがその映像です!まるで砂嵐の様です!!』
画面の向こうには、正に砂嵐の如き蚊の大群が映っていた。その映像に俺は顔を青ざめさせる。
「Z市ってここじゃん・・・。窓、閉めなきゃ。」
「その前に、お洗濯取り込むねー。」
「いや何言って・・・、いや、お前なら大丈夫か。」
俺がそう言うと、ホタルはベランダでのんびり洗濯物を取り込み始めた。
━━━━━━━━━━━━━━━━
その頃、Z市のとある店から窓が割れる音がした。
「あっはっは。警報でどの店も無人・・・、馬鹿共が。蚊に刺されて死ぬ人間がいるかっつーの。こんだけ盗っときゃ、多少蚊に血ぃ吸われてもオッケーよ。」
そう笑いながら店から出てきたニット帽に、バールのような物と大きな袋を持つ男。誰がどう見ても強盗である。そして、警報を軽く見る奴は大体死亡フラグが立つものである。
次の刹那、突風が吹き強盗の帽子を吹き飛ばした。そんな正体不明の突風に、強盗は眉を寄せながら怪訝そうな顔をする。
「風か・・・?」
そう呟いたと同時、大量の何かが強盗を覆い尽くした!その数は、優に数百を超える程だ!!そんな正体不明の何かに覆われた男は、苦しそうに呻き声を上げ始める!!
「うが・・・!あぅぅっ!!おおお・・・!!」
そして強盗の
何かの正体は、大量の蚊。数千を超える蚊が男の血を吸い尽くしたのだ!!そして、蚊達はある一点に集まる。まるで、主に血を捧げるかのように。そこに居たのは・・・。
「ぷはぁ~。なによあんた達。こんだけじゃ全然足り無いわよ。もっと吸ってらっしゃい。」
スレンダーな体付きの美女。しかし異様なのは、鎌状の両腕に羽が生えている事・・・そう、怪人である。そして、怪人が号令を出したと同時に蚊がまた地上へ向かう・・・と思いきや。
(今、何匹か死んだ。・・・近い。)
蚊怪人が下に目を向けると、蚊の群れの中に人影が見えた。その人影が蚊怪人に話しかける。
「成程、蚊の大群に血を吸わせ、それをお前が独り占めしていたのか。お前が蚊に信号のような物を送り操っていたとすれば、この不可解な集団移動にも説明が付く。主人であるお前を排除すれば、この目障りな群れも居なくなるのか?」
「フッ。食事が来たわ。吸い尽くしてあげなさい!」
蚊怪人の命令と同に、その人影に数万の蚊が襲い掛かる!!・・・と思いきや爆発が生じ、数万の蚊が消えていなくなった。そこに居たのは・・・。
「お前を排除する。そのまま動くな。」
ジーンズにシャツを着た、アイア●マンのような砲口が掌に付いている青年が居た。そんな青年は厳しい表情をしながら蚊怪人に敵意を向ける。
「私を排除するですって・・・?フフッ。」
それに対し、怪人は
その頃ホタルはというと・・・。
「わぁ・・・、一杯飛んでるー。早く取り込まないと、汚れが付いちゃうよ~」
自らの周囲に電気のバリアのような物を貼り、襲い掛かって来る蚊を焦がしながら、のんびりと洗濯物を取り込んでいた。
オリ主が男の娘なのは、作者の性癖です。