最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

3 / 69
「二撃目だよー。あと、お兄ちゃんの過去が捏造されてるから気を付けてね☆」


二撃目:弟と蚊

ポカポカと陽気な朝日が照る時間。ホタルは台所で朝食を作り、俺は寝ころびながらそれを見ている。

 

 

「今日のご飯は~、自家製ソースのカルボナ~ラ~ごは~ん♪卵と牛乳掻き混ぜて~。ハムと玉葱炒めま~す。胡椒を掛けて、ホカホカご飯に乗せたら、か~ん~せ~い♪」

 

 

「・・・・・・。」

 

 

目の前に居るのは、俺の天使・・・ゲフンゲフン!!いや、俺の世界一可愛い弟である。世間一般的に見ると、俺の弟は20歳にも関わらず結構背が低い。この前測ったら155cmぐらいだったと判明した時には、ホタルの将来を心配したものだ。本人は「小数点を四捨五入したら156cmだもん・・・。」と言っていたが。俺が親父似なら、ホタルはお袋似なんだろう。

 

 

俺達には両親が居ない。小さい頃親父とお袋が離婚している。俺もホタルも小さかったこともあり、親権はお袋のものと成った。そんなお袋も、数年前に病気で他界した。幸い遺産は俺達の元へ行き、贅沢をしなければ数年は過ごせる金が入った。とは言えども、生活をしている以上金は減っていくのだが・・・。

 

 

(ホタルが内職とか切り詰めてくれるとはいえ、不甲斐なさ過ぎないか俺・・・。就活失敗したままヒーロー目指して・・・。ニート同然じゃねぇか。それにしても・・・。)

 

 

エプロン姿で料理しながら歌ってるホタル、可愛すぎんだろ!

 

 

━━━━━━━━━━━━━━

そう考えていると、朝飯を御盆に乗せたホタルがやって来る。そんなホタルの持つ盆の上には、湯気が立ち上る暖かそうな料理が乗っていた。

 

 

「ご飯出来たよ~。 ‎」

 

 

「ん?お、おう美味そうだな。」

 

 

「今日はカルボナーラ丼にしてみたよ〜。お味は食べてみてからのお楽しみ〜。」

 

 

「・・・そうだな、今日の飯は。」

 

 

そう言いながら俺は目を閉じながら咀嚼(そしゃく)し、そんな俺をホタルはドキドキしながら見つめている。

 

 

「・・・。」

 

 

「旨いな!」

 

 

俺がそう言うと、ホタルはホッとしたような顔に成る。なんというか・・・、俺と違ってコロコロと表情が変わるよな・・・マジで。

 

 

「良かった・・・。」

 

 

まぁ、こんなに可愛いホタルの飯が不味いわけが無い。万が一にも不味かったとしても、悲しむ顔は見たくないので完食するのだが。

 

 

「ちょっと、テレビ付けて良いか?」

 

 

「うん。・・・お兄ちゃん頭(かゆ)いの?」

 

 

「さっきサボテンに水やりしてたら、蚊に刺されたんだよ。」

 

 

そう言いながら、俺がテレビを付けると丁度ニュースがやっていた。ニュースキャスターと、ゲストが何か話している。

 

 

『今年の蚊の大量発生は、世間に混乱を招いています。』

 

 

『私はインドア派なんでまだ良いのですが、外で遊ぶ子供なんかは、可哀想ですよね。』

 

 

「僕も、お部屋に(こも)るのが好きだから関係ないよね。後ろ向いててね。お薬塗るから。」

 

 

その言葉が終わると、俺の頭皮にヒンヤリとした滑り気のある物が塗られ始めた。ホタルが、俺に塗り薬を縫ってくれているのだ。

 

 

「ありがとな。お、気持ち良くなってきた。」

 

 

「ふふっ。ホタル直伝の頭皮マッサージ、とくと味わうがいい~。」

 

 

そうホタルが言った瞬間、俺の頭皮がピクピクし始める。なんつーか、子供の頃に行ったスーパー銭湯にある、電気風呂に入ったときみたいな感覚だな。

 

 

「お~、頭がピクピクする。どうなってんだ?」

 

 

「ん~、僕も専門家じゃないから知らないけど、電気と周波って深い関係にあるんだって。人間の神経や筋肉には、低い周波数のパルス電流に反応する性質があって。低周波治療器は、それを利用した医療機器で、体の表面につけた電極を通じて皮膚の表面から通電して、それに対する作用を利用して治療を行うらしいよ。低周波の電流が流れると電極付近の筋肉が収縮して、電流が止まると筋肉は弛緩して。この弛緩したときに血液が送り込まれて、老廃物を含む血液が送り出される現象が発生して、これを繰り返すことで、血行が促進されるんだって。それに、痛みがある場所に低周波の電流を流すと、痛みを伝達する機能に働きかけて、脳に痛みを伝えにくくする効果もあるらしいよ。僕がやってるのはその医療機器の真似事みたいな感じかな。」

 

 

・・・専門用語が多すぎて、何言ってるか分かんねぇ。ホタルじゃなかったら、20文字以内に簡潔に纏めて来るように、蹴り出してたな。

 

 

「相変わらず万能だよな・・・。その電気を操る力・・・。」

 

 

「将来は、ヘッドマッサージ師さんに成れるかな。えへへ~♪」

 

 

俺の言葉に無邪気に笑いながら、ふにゃぁと笑う顔もめっちゃ可愛い。天使か・・・。そう考えていると、ニュースキャスターと蚊の専門家?らしき奴らが話し始める。

 

 

『原因は何なのか!?蚊の専門家であり、本も出されているカーフェチ氏に来て頂きました。』

 

 

『宜しくお願いします。』

 

 

「専門家なんだって。やっぱり賢いのかな・・・?」

 

 

そう言ってホタルが期待を(はら)んだ目を向けるが、カーフェチとかいうおっさんから飛び出した言葉はホタルの期待を裏切るものだった。

 

 

『えー、結論から言わせて貰うと、今年の蚊は完全な新種である為、私にも分かりません。』

 

 

『帰れ。』

 

 

「コントかな?」

 

 

そんなニュースキャスターと専門家のおっさんのやり取りには、流石のホタルも呆れちまったみたいだ。ポカンとしながらテレビ画面を見ている。

 

 

「大量発生って勘弁してくれよ。」

 

 

俺がそう言った瞬間、別のキャスターが臨時ニュースを読み上げる。いきなりの臨時ニュースに、俺とホタルは首を傾げる事になった。

 

 

『番組の途中ですが、臨時ニュースをお伝えします。』

 

 

「臨時ニュース?」

 

 

『Z市に大量の蚊の群れが迫っています!!住民は絶対に外に出ないようにしてください!災害レベル鬼!!すでに襲われた家畜はミイラ化していたとの事です。群れに接触したら確実に死にます。これがその映像です!まるで砂嵐の様です!!』

 

 

画面の向こうには、正に砂嵐の如き蚊の大群が映っていた。その映像に俺は顔を青ざめさせる。

 

 

「Z市ってここじゃん・・・。窓、閉めなきゃ。」

 

 

「その前に、お洗濯取り込むねー。」

 

 

「いや何言って・・・、いや、お前なら大丈夫か。」

 

 

俺がそう言うと、ホタルはベランダでのんびり洗濯物を取り込み始めた。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

その頃、Z市のとある店から窓が割れる音がした。

 

 

「あっはっは。警報でどの店も無人・・・、馬鹿共が。蚊に刺されて死ぬ人間がいるかっつーの。こんだけ盗っときゃ、多少蚊に血ぃ吸われてもオッケーよ。」

 

 

そう笑いながら店から出てきたニット帽に、バールのような物と大きな袋を持つ男。誰がどう見ても強盗である。そして、警報を軽く見る奴は大体死亡フラグが立つものである。

 

 

次の刹那、突風が吹き強盗の帽子を吹き飛ばした。そんな正体不明の突風に、強盗は眉を寄せながら怪訝そうな顔をする。

 

 

「風か・・・?」

 

 

そう呟いたと同時、大量の何かが強盗を覆い尽くした!その数は、優に数百を超える程だ!!そんな正体不明の何かに覆われた男は、苦しそうに呻き声を上げ始める!!

 

 

うが・・・!あぅぅっ!!おおお・・・!!

 

 

そして強盗の(うめ)き声が終わり何かが離れると、そこには干からびたミイラだけが残った。

 

 

何かの正体は、大量の蚊。数千を超える蚊が男の血を吸い尽くしたのだ!!そして、蚊達はある一点に集まる。まるで、主に血を捧げるかのように。そこに居たのは・・・。

 

 

「ぷはぁ~。なによあんた達。こんだけじゃ全然足り無いわよ。もっと吸ってらっしゃい。」

 

 

スレンダーな体付きの美女。しかし異様なのは、鎌状の両腕に羽が生えている事・・・そう、怪人である。そして、怪人が号令を出したと同時に蚊がまた地上へ向かう・・・と思いきや。

 

 

(今、何匹か死んだ。・・・近い。)

 

 

蚊怪人が下に目を向けると、蚊の群れの中に人影が見えた。その人影が蚊怪人に話しかける。

 

 

「成程、蚊の大群に血を吸わせ、それをお前が独り占めしていたのか。お前が蚊に信号のような物を送り操っていたとすれば、この不可解な集団移動にも説明が付く。主人であるお前を排除すれば、この目障りな群れも居なくなるのか?」

 

 

「フッ。食事が来たわ。吸い尽くしてあげなさい!」

 

 

蚊怪人の命令と同に、その人影に数万の蚊が襲い掛かる!!・・・と思いきや爆発が生じ、数万の蚊が消えていなくなった。そこに居たのは・・・。

 

 

「お前を排除する。そのまま動くな。」

 

 

ジーンズにシャツを着た、アイア●マンのような砲口が掌に付いている青年が居た。そんな青年は厳しい表情をしながら蚊怪人に敵意を向ける。

 

 

「私を排除するですって・・・?フフッ。」

 

 

それに対し、怪人は余裕綽々(よゆうしゃくしゃく)の笑みを浮かべていたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その頃ホタルはというと・・・。

 

 

「わぁ・・・、一杯飛んでるー。早く取り込まないと、汚れが付いちゃうよ~」

 

 

自らの周囲に電気のバリアのような物を貼り、襲い掛かって来る蚊を焦がしながら、のんびりと洗濯物を取り込んでいた。




オリ主が男の娘なのは、作者の性癖です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。