最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「地上最強さんと御対面~。」


人間怪人誕生編
三十三撃目:弟と人類最強の男


宇宙人騒動が終わり、早数日。ホタルは冷蔵庫の前で唸っていた。

 

 

「・・・うーん。」

 

 

そう唸るホタルに、ジェノスとサイタマが反応する。

 

 

「どうした?」

 

 

「お困り事ですか?」

 

 

そう聞かれると、ホタルは小さく頷く。

 

 

「うん・・・。実は今日は炊き込みご飯と、ひじき煮にしようと思ってたんだけど、炊き込みご飯に入れる人参と、ひじき煮に使うひじきが無くなってて・・・。お買い物に行くしかないかな~。」

 

 

ホタルがそう言うと、ジェノスは土下座スライディングをかます。

 

 

「お供致します!!」

 

 

「あ、本当?じゃあお願いしようかな。お兄ちゃんは?」

 

 

そう聞くホタルに、サイタマはよいしょと立ち上がる。

 

 

「じゃあ、俺も行こうかな。」

 

 

「買い溜めしときたいから、業務用スーパーにでも行こっか。」

 

 

ホタルのその言葉に、ジェノスは賛成する。

 

 

「賛成です!」

 

 

そうして、サイタマ家総出で業務用スーパーに向かうのだった。

 

 

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最強兄弟と弟子が出掛けて(しばら)くが経った頃・・・。一体の怪人が暴れていた。

 

 

「ギュハハハハ!爬虫類を愛するあまり、爬虫類に変異したシタノビール様の登場だァァ!!お前らぁ!俺の子を産めぇぇ!!」

 

 

その怪人を大の男達が取り押さえようとするが、あまり効果は無い。

 

 

「何だこいつ!」

 

 

「大の男五人がかりでも、手に負えないぞ!!」

 

 

「逃げろ!怪人だ!!」

 

 

そう言って逃げ出す市民達。しかし、怪人は若い女性にカメレオンのように長い舌を伸ばす。

 

 

「ギャハハハハ!!娘っ子は一人も逃がさないよぉぉ!ん~~レロレロ!!」

 

 

「きゃぁぁぁ!!」

 

 

「レロレロレ・・・!!」

 

 

一人の女性が、怪人の毒牙に掛けられそうになったその時・・・。

 

 

ドッドッドッという音と共に、強面の男性が無言で怪人の目の前に立ち塞がった。

 

 

「うわ!ビックリした!!な、なんだぁ!?てめぇはぁ!?(何だ・・・この雰囲気は。この顔・・・!!ただもんじゃねぇ・・・!?)」

 

 

その時、市民達が歓声を上げる。

 

 

「あ!!!あの人は、地上最強の男と呼ばれているヒーロー・・・!!キングだ!!」

 

 

「うわぁぁぁ!!キングだ!!」

 

 

「すげぇ!キングだ!!」

 

 

そう、その男はS級集会でも来ていた人類最強の男。S級7位のキングだ!

 

 

「最強のヒーローだ!!」

 

 

その言葉に、怪人は全身から冷や汗を流す。

 

 

「どっかで見たと思ったら・・・あの伝説の・・・!?」

 

 

その間も、市民達は歓声を上げる。

 

 

「その気持ち悪い奴をぶっ飛ばしちゃってください!!」

 

 

「サインください!!」

 

 

「キング!キング!キング!キング!」

 

 

歴戦の猛者を思わせるその風貌と、周囲の歓声に怪人は遂に・・・。

 

 

「こっこここ・・・この度は皆さまに多大なるご迷惑をお掛けして、申し訳ありませんでしたぁぁぁ!!」

 

 

見事な土下座をやってのけた。その様子に、市民達は歓声を上げる。

 

 

「怪人が、土下座し始めたぞぉぉ!!」

 

 

「キングさん!やっちゃってください!!」

 

 

「怪人がキングさんの視界で調子こいて、今更許されると思ってんのかぁ!?」

 

 

「怪人が泣き始めたぞ!」

 

 

「流石キングさん!半端ねぇっす!!」

 

 

「怪人が泣きながら土下座したまま、痙攣(けいれん)し始めたぞ!!」

 

 

そうして、襲われそうになった女性はゴミを見るような目で怪人を見下ろす。

 

 

「レロレロほざきやがって、この変態が。」

 

 

「キング万歳!!」

 

 

そうして数分後、キングの周りにはファン達による人だかりができた。

 

 

「キングさん、怪人の気配を感じ取って来られたんですか?」

 

 

「おい、君。キングさんに気軽に話しかけたら失礼じゃないか。」

 

 

そんな中、キングはドッドッドッという音と共に去ろうとするが、人だかりが多すぎて叶わない。

 

 

「いや、俺はこれから買い物に行こうと思って歩いてただけで・・・。」

 

 

その間も、市民達は騒ぎ続ける。

 

 

「怪人気絶した・・・すげー!超能力か!?」

 

 

「キングのプレッシャーに、やられたのさ。」

 

 

「ど、どうしたら僕もキングさんみたいに強く成れますか?」

 

 

「好きです!」

 

 

「キング!キング!」

 

 

「キングさんの顔を見ろ!怒ってらっしゃるぞ!道を開けろ、お前ら!!」

 

 

「いや、別に怒ってなんか・・・。」

 

 

そう言ってドッドッドッという音を鳴らすキングに、一人の市民が疑問を上げる。

 

 

「この音何だ?」

 

 

「お前知らないの?キングエンジンだよ。」

 

 

キングエンジンとは・・・・・・地上最強の男キングが、戦闘態勢に成った時に鳴る音。この音を聞いて生きて帰った怪人は居ないと言われている。

 

 

「忙しいんだ・・・どっか行ってくれるか?」

 

 

そう言って帽子の(ほこり)を払うキングに、市民達は道を空ける。

 

 

「キングさんに迷惑かけた!?」

 

 

「すみませんした!!」

 

 

「解散だ解散!!」

 

 

「あ、握手だけ・・・。」

 

 

そう言いながらも、市民達はキングに道を譲る。一方、その頃スーパーでは・・・。

 

 

「あ、あの!!先日A市で宇宙人と交戦したホタルさんですよね!!」

 

 

「ファンです!握手してください!!」

 

 

「特売品の卵です!御納めください!!」

 

 

「お荷物お持ちします!!」

 

 

ホタルのファンクラブの会員らしき人々に、ホタルは揉みくちゃにされていた。

 

 

「ダ、ダレカタスケテー・・・!!」

 

 

「ホタル!大丈夫か!?」

 

 

「ホタル先生!!今行きます!!」

 

 

そう言って助けを求めるホタルに、サイタマとジェノスは走り寄ったのだった・・・。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

またまた場面は変わり、TVゲーム専門店前・・・。そこから、店員の挨拶と共にキングが店から出てきた。

 

 

「お会計五千八百円で御座います。有り難う御座いました。また、御越しくださいませ。」

 

 

「ふぅ・・・買えた。新作の恋愛シミュレーションゲーム『どきどきシスターズ』初回限定版。テンション上がってきた。ゲーム買ってから家に帰るまでの、このワクワク感がたまりませんな。早く帰ってプレイしよ。・・・むふっ。」

 

 

そして、そんなキングを見る影が3人ほど・・・。

 

 

「サイタマ先生、ホタル先生。やはり、あれはキングのようです。」

 

 

そう言うジェノスに、サイタマは聞く。

 

 

「誰?」

 

 

その質問に、人混みに揉まれてヘロヘロになったホタルは答える。

 

 

「え、S級集会にも来てた人だよね・・・」

 

 

「えぇ、先生方を差し置いて最強の称号を手に入れている男です。こんな所で一体何を・・・。」

 

 

「大丈夫か?ホタル?」

 

 

そう心配するサイタマに、目を回しながらもたれ掛かるホタル。

 

 

「う、う~ん・・・。」

 

 

「大丈夫ですか?ホタル先生。」

 

 

「スーパーで、揉まれまくってたからな・・・。」

 

 

そう言ってサイタマは、ホタルの背中を優しく叩く。その時、市民の悲鳴が聞こえる。

 

 

「きゃぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「怪人よー!!」

 

 

「うわぁぁぁぁぁ!!」

 

 

「ぁああああ!!子供が危ない!!」

 

 

その声に、ホタルは気を取りなおす。

 

 

「か、怪人?」

 

 

「先生達!直ぐに消して・・・いや、キングの実力を見る良い機会かもしれません。様子を見ましょう!」

 

 

そう言うと、兄弟と弟子は電柱に隠れる。

 

 

暫くすると、キングの目の前に巨大なロボが立ちはだかった。そのロボットを、キングエンジンを鳴らしながらキングは睨みつける。

 

 

「・・・・・・!!」

 

 

そうすると、ロボは名乗りを上げる。

 

 

「我が名はG4。"組織"によって作られた機神なり。最強ヒーローのキングだな。貴様を抹殺する!!」

 

 

そして、周囲に居た市民達はキングの名前を聞くと安心する。

 

 

「ヒーロー!キングだ!キングが居るぞ!!」

 

 

「じゃあ大丈夫じゃん!」

 

 

「キング~!」

 

 

「やっつけろー!!」

 

 

そんな歓声を尻目に、キングはロボに話しかける。

 

 

「"組織"・・・?俺を地上最強の男、S級ヒーロー8位のキングと知っての事か!?」

 

 

すると、ロボの背中が動き出し・・・。

 

 

「貴様を殺しに来たと言っている!!」

 

 

大剣を取り出した。そして、(まく)し立てる

 

 

「これは、我の戦闘AIの性能テストでもある!スキだらけの貴様を殺しても、データが得られぬ!!全力で戦え!!」

 

 

そう叫ぶロボットに混乱しながら、キングは提案する。

 

 

「(こいつ・・・人工知能で動いてるロボットなのか?組織って何の話なんだ?意味が分からねぇ・・・。)分かった。だが一度、トイレに行かせてもらおうか。便意を我慢しながらでは、実力の半分程度しか出せない。それではデータが取れずに、困るだろ?」

 

 

そう言うキングに、大剣を背にしまいながらロボは宣言する。

 

 

「・・・ここで10分待つ。1分遅れるごとに、10人殺す。逃げたらこの町は終わりだと思え。」

 

 

その頃、電柱に隠れていた最強兄弟と弟子はロボットを観察し始める。

 

 

「強そうな怪人だな?」

 

 

そう言うサイタマに、ジェノスはロボットを分析する。

 

 

「高エネルギー反応。あれはロボットですね。」

 

 

「駆動騎士さんとか、メタルナイトさんみたいな?」

 

 

そう聞くホタルに、ジェノスは頷く。

 

 

「えぇ・・・。それもかなり、強力なパワーを持ったロボット・・・。正義の天才科学者クセーノ博士に改造して貰った俺よりも、性能は上かもしれない。最低でも災害レベル鬼はいく、厄介な相手です。果たしてキングはアレを相手に、どう戦うのか・・・。」

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

9分後・・・。

 

 

(もうそろそろ10分だけど、何処行っちゃたの!?)

 

 

そう心の中で叫ぶホタルだったが、キングは来なかった・・・。




「・・・キングさん。何処行っちゃったんだろう?」
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