最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「やっと、キングさんの戦いぶりが見れるね!!」


三十五撃目:弟と最強の正体

巨大怪鳥がキングの家に押しかけていた頃・・・。ジェノスは小型ロボと交戦していたが、レーザーに苦戦する

 

 

(ちっ!このレーザーを何とかしないと、手も足も・・・!)

 

 

ジェノスは四方八方を飛び回り、レーザー光線を避け、とある集合団地の螺旋階段に避難していた。

 

 

「下りてこい。市民の巻き添えを意識した、愚かな立ち回り・・・甘い!時間の無駄だ!!我の目標はキングのみ!!」

 

 

そう言い放つと、更に紫のビームを撃ち放つ。しかしそこへ・・・。

 

 

「ふんっ!!」

 

 

ジェノスが消火器を投げ付ける。

 

 

「ヌッ!!」

 

 

ロボは、それを撃ち落とそうとするが・・・。

 

 

ブファと消火器が破裂したことにより、白煙によって(かえ)って視界が遮られてしまった。

 

 

「くっ!おのれ・・・!!」

 

 

その瞬間をジェノスが見過ごすはずもなく・・・。送水口を破壊し、大量の水をぶちまけたのだ!!そうする事により、周囲の炎も相俟(あいま)って生ずるのは・・・。

 

 

「水蒸気!!」

 

 

そこへ、何処からともなく現れたワイヤーが、ロボを拘束する。

 

 

「ぐぐぐぐ・・・小癪(こしゃく)な!こんな物・・・!!」

 

 

ワイヤーを光線で焼き払おうとするが・・・。

 

 

「無駄だ。湯気は光を拡散する。キングを追っている様だが、俺は奴より強い男達を知っている。そしてお前より・・・。」

 

 

そう言いながら、ジェノスが拳を握る。

 

 

「・・・・・・!!」

 

 

「俺が強い!!」

 

 

「ヌオオオ!!」

 

 

そうして、互いに拳を振り上げた!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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そして、場面は変わりキング宅・・・。キングは後悔に苛まれていた。

 

 

(あの時も。あの時も、あの時も、あの時も、あの時も、俺はタダの被害者だった!!いつも逃げるだけ。その内、誰かがやっつけてくれる。そんな日々を過ごすだけで、金が入って来る。勘違いした周囲が、勝手に貢いでくれるようになったんだ。現場に居合わせただけで、俺が倒したと思ってる。俺は、喧嘩もした事が無い。キング・・・。ヒーローの頂点の風格だとか、生態系最強といった意味が込められて、ヒーロー名が付けられた訳だが・・・笑えるぜ。何もかも間違ってやがる!俺は嘘の塊のような男!!世間が憧れるキングは俺ではない!だが、本物のキングは何処かに存在する!!あぁ・・・言わなければ!今!言わなければ・・・。今、言わないと・・・。死ぬ!)

 

 

「・・・キングさん?」

 

 

そんなキングを見て首を傾げるホタル。そんな彼ら兄弟に、キングは打ち明ける。

 

 

「俺・・・実は・・・!!」

 

 

「グギャァァァ!!」

 

 

怪人が咆哮をあげたと同時・・・!!

 

 

「──────────!!」

 

 

キングは、目を閉じながら全てを打ち明けた。その瞬間、肉が潰れる音がする。

 

 

(今の音は何だ!?B級の彼は食われてしまったのか!?S級5位の彼も直ぐに動ける状態じゃなかったから、彼と一緒に食われてしまったのか!?あぁ・・・俺が傍に居たからか。・・・すまない!俺に君達を守る力は無かったんだよ!!言うの遅かったけど・・・許してくれ!!)

 

 

そして、恐る恐る目を開けるとそこには・・・。

 

 

「今の話って本当なんですか?」

 

 

「強い評判も、戦歴も嘘だったって。」

 

 

少し驚いた顔で、雑巾掛けをしているホタルと・・・。

 

 

返り血で染まったサイタマが立っていた。

 

 

(な・・・。)

 

 

そんな二人を、失禁しながらキングは見つめる。

 

 

「・・・今の鳥で、小便漏らすって事はマジなのか。」

 

 

(何で、そこに立っている?鳥は?・・・え?こいつ・・・え・・・?た・・・倒したんだ。災害レベル鬼を・・・。)

 

 

その時、サイタマとホタルが声を掛ける。

 

 

「「大丈夫(でした)か?」」

 

 

「・・・・・・!!(この二つの声は・・・!!)」

 

 

兄弟の声にキングが思い出したのは、数年前の日常風景。

 

 

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数年前の昼下がり、タコの姿をしつつ触手に鋭い爪を生やした怪人が暴れていた。その怪人に市民は逃げ惑う。

 

 

「うわぁぁぁ!!何か出た!!」

 

 

「逃げろ!逃げろぉお!!」

 

 

「災害レベル虎の、タコヅメ男だ!!」

 

 

そう逃げ惑う市民達の中に、キングも居た。

 

 

「ひぃ!!」

 

 

すると、タコヅメ男の爪の生えた触手がキングの目元に襲い掛かる!!

 

 

「ぎゃぁぁぁぁあああ!!あがぁぁあああ!!目がぁぁぁ!!ああぁうああああ!!誰か・・・誰かぁぁ!!」

 

 

その時、ドガァァァァァンという音と共に、静寂が訪れる。そうして、二人の声が聞こえる。

 

 

「大丈夫ですか!?」

 

 

「おい、落ち着け!怪人は俺達がやっつけたから。」

 

 

その二つの声は、一つは爽やかな声。もう一つは可愛らしい声だった。

 

 

「目は開けられますか?」

 

 

可愛い声をした方が、キングに聞くがキングは呻き続ける。

 

 

「い、痛い!痛い!!」

 

 

「僕の力で、痛みを癒してあげます。ほら、深呼吸・・・。」

 

 

そう言うと、可愛い声をした方がキングの目元に手を添える。

 

 

(あ、あれ?痛みが・・・。)

 

 

「見た目より深い傷じゃなさそうだな。痛みが治まったなら、ゆっくり開けてみろ。」

 

 

爽やかな声の方が、キングに声をかける。その言葉にキングはゆっくりと目を開ける。

 

 

「僕の広げた指、何本に見えますか?」

 

 

そう言って指を広げる少年は、オレンジの髪に紫の瞳の可愛らしい顔だった。

 

 

「ご、・・・五本?」

 

 

そう言うキングに、少年は笑いかける。

 

 

「うん!見えてるね!!」

 

 

「あ、貴方達は?」

 

 

その言葉に、黒髪の男が答える。

 

 

「俺ら?う~ん。まぁ・・・、趣味でヒーローを目指してる兄弟だ。いつかヒーローが現れたら、俺達兄弟だぜ!!」

 

 

そんな血だらけの男に、キングは心配する。

 

 

「・・・!?酷い怪我を!!」

 

 

そんなキングに、兄弟は笑いかける。

 

 

「こんな怪我、大した事ねー。最悪、弟に治してもらうしな。」

 

 

「今日は、大金星だね☆」

 

 

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その思い出の人物達と、目の前の兄弟の姿が重なる。

 

 

(この人達は・・・!!)

 

 

「キングさん?痛い所はありませんか?」

 

 

そう聞くホタルの言葉に、更に昔を思い出す。

 

 

「うっ・・・うっ。ううっ!!」

 

 

そうして泣きだすキングに、サイタマは慌てだす。

 

 

「おいどうした!?おい!?キング!?」

 

 

「うっ、すみませっ・・・!」

 

 

少ししてキングが落ち着くと、兄弟の目の前に正座をするキングという構図が出来た。

 

 

「成程・・・。そういえば昔、三本傷の男の人の痛みを抑えてあげた事があったけど、あれってキングさんだったんですね。」

 

 

そう言って頷くホタルとは対照的に、サイタマはあまり覚えていないようだ。

 

 

「俺はあんま、その時の事とか覚えてねぇけど・・・。というか、楽しいか?お前・・・嘘ついて、ビクビクしながらヒーローやってて。」

 

 

「楽しくない・・・。」

 

 

そうしょぼくれるキングに、サイタマは話し続ける。

 

 

「まぁ俺達は関係無いし、説教する気もねぇけど。」

 

 

「いや、サイタマさんとホタルさんの手柄を、俺が貰ってたかもしれません・・・。」

 

 

「手柄とか、そういう問題じゃねぇだろ。」

 

 

そのサイタマの言葉に、ホタルも同調する。

 

 

「そうですよ。嘘も方便という言葉がある様に、キングさんのネームドバリューで救われた人も多くいるのに、こんな所で挫折して人々の期待を裏切るつもりですか?キングさんは、皆のヒーロなんですよ?」

 

 

「キング。このまま嘘を通すのか?ヒーロー辞めるのか?」

 

 

そう聞く兄弟に、キングは言い淀む。

 

 

「中々決める度胸が・・・。」

 

 

そんなキングに、サイタマはハッキリ告げる。

 

 

「だったら、強く成れば良いんじゃね?」

 

 

「え?」

 

 

「俺達もう行くわ。じゃあな。」

 

 

そう言って立ち去ろうとする兄弟を、キングは呼びかける。

 

 

「ちょっと待っ・・・!怒らないのか!?(あんた達は、本気でヒーロー目指してたのに俺は・・・!!)」

 

 

そんなキングに、ホタルは笑いかける。

 

 

「キングさんの吐いた虚言で、死人が出たなら兎も角、逆に多くの人が救われていますからね。怒りませんよ。」

 

 

「そうそう。それに、たまにゲームやりに来るから。宜しく。」

 

 

「僕も、訪問する際はタッパーに詰めた御料理持ってくるので。宜しくお願いします。」

 

 

そう言って、高層階から飛び降りる兄弟に・・・

 

 

「あ・・・、うん。アリガト・・・。」

 

 

キングはそう呟いた。

 

 

人類最強の友達が出来たホタルであった。




「キングさんの嘘に関しては、そこまで怒って無いよ~。(明日から、また投稿頻度が下がるかも・・・。ごめんね。)」
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