最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
キングの素性が判明してから数日後。ジェノスはパーツの修理に出向き、最強兄弟は・・・。ピンポーンと、とある部屋のチャイムを鳴らしていた
「二人ともいらっしゃーい。」
そう言って出てきた人物は・・・
「よう、キング。ゲームしに来たぜ。」
「スーパーでお肉買って来たので、今日はチキンカツ丼にしましょう。」
そう、最強兄弟はキングの自宅を訪れていた。
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そうして、ホタルがキッチンに立つとパチパチジュージューという音と共に、美味しそうな匂いがする
「良い匂いしてきたね。」
「そりゃあ、ホタルの作る料理だからな。」
「でも何か、普通のチキンカツと違うような匂い・・・。」
そう言うキングに、ホタルは解説する。
「あ、気付きましたか?実は今日は、パン粉の代わりにピーナッツを衣にしてるんです。使用部位は胸肉なので、しっとりした感じも楽しめるんですよ。(それに僕の苦手な、お肉の脂も
「へぇ~、凝ってるね。」
「もしよろしければ、レシピを後で教えましょうか?勿論チキンカツとかだけじゃなくて、作り置きして冷蔵庫で長期保存できるタイプとか。キングさん、あまり自炊とかした事無いでしょう?」
「お、お恥ずかしながら・・・。」
「じゃあ、また後で初心者でも作れる作り置き料理のレシピを、メールで送りますよ。」
「なんか、至れり尽くせりで申し訳ないよ・・・。そうだ、ちょっと待っててね。」
そう言うと、キングは
「?」
そんなキングに、ホタルは首を傾げる
そうしてキングが差し出したのは・・・。
「これ・・・少ないけど。」
5万円である。その意味が分からず、ホタルは困惑する。
「・・・えっと?これは?」
「一応、家事のお礼・・・。」
「う、受け取れませんよ!」
そう言って、返そうとするが・・・。
「いや、本当に受け取って!命の恩人に家事までして貰って何もしないなんて、罪悪感で押し潰されそうになるから!!」
キングの言葉に困ったように笑うと、有難く受け取る。
「・・・分かりました。じゃあ、有難く受け取っておきますね。」
その時、サイタマがキングに聞く。
「なぁキング?3人で出来るゲームとかねぇの?」
「一応あるけど?」
「家事が終わったら、ホタルも一緒にやろうぜ。」
「あ、良いねそれ。」
そう話すキングとサイタマに苦笑いしながら、ホタルはやんわり断る。
「気持ちは嬉しいけど、遠慮しとくよ。ゲームとか分かんないし。二人が遊んでるのを見ておくね。」
「へーい。」
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最強兄弟と、地上最強の男が
「ヒーロー協会『地球がヤバイ予言緊急対策チーム』、リーダー役を任されたシッチだ。君達が、まさか本当に集まってくれるとは思っていなかったよ。君達の様な裏社会の住人が、我々の呼びかけに応じてくれた事に、深く感謝する。」
そう。そこに集まっていたのは、ヒーローではなく裏社会の住人。俗に言うアウトロー達だからである。
「今この場には、高い懸賞金を掛けられた賞金首も多数居る。・・・にも関わらず、このヒーロー協会に招待されて躊躇いなく来てくれるというのは、我々なんかには絶対に捕まらないという強い自信があるのだろう。まず言っておきたいのは、今回は君達の犯罪履歴や裏社会の仕事について、一切触れる気は無い。これは罠ではない。安心して話を聞いて欲しい。一応、私の護衛としてヒーローが何人か同席しているが、気にしないでくれ。君達が変な気を起こさなければ、彼らも動く事は無い。」
そんなシッチの言葉に、アウトロー達は笑いだす。
「ヒーローだと?」
「殺してやるよ、ヒャハハハハ!!」
「今すぐ、この本部を占拠してやろうか?クククク。」
そんなアウトロー達を横目に壇上に立つのは3人のA級ヒーロー。A級5位の重戦車フンドシ、A級6位のブルーファイア、A級7位のテジナーマンである。
「高額賞金首に一流の殺し屋、武器商人や
そのブルーファイアの言葉に、テジナーマンも頷く。
「あぁ・・・。こんな奴等を本部に招いて、何を考えてんだシッチさんは。」
「連中に何の用があって呼び出されたかは知らんが、犯罪者共がノコノコと現れるとはな。我々も舐められたものだ。」
そう言って、重戦車フンドシは
「少しでも不審な動きを見せたら、消し炭にしてやる。」
「同じく。どちらにしろ、この機を逃す手は無い。用事が終われば、その場で正義執行だ。」
重戦車フンドシの言葉に、ブルーファイアとテジナーマンも同意する。
(戦闘力ではS級にも引けを取らない、A級上位が3名。彼らを前にして下手に暴れるような馬鹿はいまい・・・。)
そして、シッチは眼前のアウトロー達に話し掛ける。
「では、話を始めるとしよう。御手元の資料を見て頂きたい。」
その時・・・。
「待て。サイタマというヒーローは何処にいる?この本部施設には住んでいないのか?」
一人の男から質問が上がった。
「サイタマ・・・?あぁ、スキンヘッドが特徴のB級ヒーローの事か?彼は此処には住んでいないし、彼の所在が知りたいなら後にして貰えないか?大事な話なんだ。」
シッチがそう
「居ないのか?だったら用は無い。」
そう言い放つ男に、ブルーファイアが突っかかる。
「話も聞かずに帰るつもりか?この場に来た以上、そうはさせんぞ!」
その言葉が終わると同時、配布させるはずであった資料が男の手によってばら撒かれる。
「レベル虎以上の災害発生率が異常に高くなっており、過去3年間の平均と比べて今月は6倍。これは大預言者シババワが遺した「地球がヤバイ」災害が発生する前兆、若しくはすでに始まっている可能性がある。」
「あ、あいつ・・・まだ配られていない資料を・・・いつの間に!!?」
そう驚くシッチを他所に、男は話し続ける
「このまま強力な怪人や大災害が頻発し続ければ、ヒーロー達は疲弊し対処しきれなくなる。予言では半年以内に過去最大の危機が訪れる事が示されており、現状ではその危機が去っていない事は明らかである。既にS級ヒーローまでもが忙しく現場に出始めているが、災害発生が多すぎて全てには手が回らない状況。ついては・・・今後一層激化するであろう人類を守る戦いにおいて、人格の善悪を問わず戦闘に長けている者に協力を要請する・・・。要約するとこんなところか・・・お断りだ。貴様らと一緒にヒーロー遊びなんて、吐き気がするぜ。」
そう言い放ったのは、関節のパニック・・・ゲフンゲフン!音速のソニックである。そんな態度に、シッチは憤る。
「何だと・・・!」
「帰らせてもらう。」
「くっ・・・!!」
そんなやり取りに反応したのは、ブルーファイアである。
「今の話は本当なのか!?ならず者達に助けを求める!?それが協会の決断なのか!?」
それに、シッチが大声で答える
「・・・そうだ!!今まさに、人類が一致団結しなけらば乗り越えられない壁にぶち当たっているんだ!!今居るヒーローC級390名、B級101名、A級38名、S級18名!!明らかに不十分だ!殺しや強奪、暗殺業などを認める訳にはいかないが、ヒーロー並みの戦力を持つ者が多く存在するのは事実!!タダとは言わん!怪人討伐さえしてくれれば、それなりの礼はするつもりだ!!」
しかし、ここで重戦車フンドシが苦言を呈する。
「止めとけ、金の無駄だ。いざというときには、こいつらは使い物にならんぞ。」
その声に、一人の殺し屋が壇上に跳躍する。
「聞き捨てならねぇなぁ!オッサンよぉ!殺しの数なら、オメーなんかより断然多いんだぜ?体験してみるか?よぉ。」
そう言ってナイフを突きつけるが、ドガンという衝撃音と共に・・・
「こいつらには信念が無い!!」
拳一発で叩きつけられた。
「し・・・しかし、これから起こる災害の規模というのは・・・。」
シッチがフンドシを宥めようとした瞬間・・・。
「おいおいおいおい!!この大預言、当たってる当たってる!!凄いな、大預言者ってのは!前代未聞の災害レベル神がやって来るって分かってたんだな!!?」
一人の男が声を上げた。
「また頭のイカれた野郎か・・・、やはり裏社会で生きてきた奴等はネジが外れてやがる。」
そう呆れるテジナーマンを無視するように、男は話し続ける
「おっさんの言う通り、無駄だ!此処に居る連中が束に成って掛かっても、俺は絶対に殺せない!!」
「は?(なーんか、変なのも呼んじゃったな・・・。)」
シッチも呆れる中、男は興奮して話し続ける。
「俺はガロウ!怪人に憧れて修行し、数々の武術道場を潰してきた男だ!!此処にも沢山餌が居る!俺の強さを引き出すための餌が・・・さぁ!やろうぜ!!ほぉぉぉ!!みなぎって来たぜぇぇ!!来い!さぁ!せっかく集まったんだ!!誰が一番強いか試してみようぜ!!俺はその為に来たんだよ!!」
「止めろ。そんな
「下らん?」
そう聞き返すガロウに、シッチは退席するように言う
「君はもう良い、帰れ。」
「それが客人に対する態度か?正義の役員さん。うんうん決めたぜ。臆病者には罰を、悪を執行する。皆殺しパーティだ。」
そんなガロウに、シッチは舌打ちをしてヒーロー達に指示を出す
「ちっ!戦闘狂か・・・。3人共悪いが、仕事だ。摘まみ出してくれ。」
「喜んで。」
テジナーマンのその言葉に・・・。ガロウと名乗った男は、
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その頃キング宅では・・・。
「・・・・・・。」
「・・・・・・。」
スンッとした顔を浮かべるキング。
「・・・・・・。」
オロオロしながら、二人を見るホタルが居た。そんな中、サイタマはアイテムを横取りするキングに、文句を言う。
「おい、何でお前ばっかアイテム取ってんだよ。ふざけんなよ。」
「早い者勝ちだから。」
「協力プレイだろ馬鹿お前。キング馬鹿、お前また取りやがった。俺、初期状態じゃねぇか。ボスに勝てねぇぞ。」
そう言いながら、サイタマはコップに入った野菜スティックを摘まむ。
「俺一人で勝てるから大丈夫。」
そう言いながらも、キングも野菜スティックを摘まむ。
「・・・(ど、どうしよう・・・。)」
ホタルが作った(新鮮な野菜をカットしただけの)野菜スティックを摘まみながらゲームをしている二人と、それをハラハラしながら傍観するホタルという構図が出来ていた。
(お兄ちゃんの中で馬鹿のゲシュタルトが崩壊してるし、キングさんは手加減を知らないし、お兄ちゃんはゲームコントローラーを潰しかけてるし、ダレカタスケテー!!)
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最強兄弟と、人類最強と
そんな空気とは対照的に、ヒーロー協会では多数の血みどろになったアウトロー達やヒーローの
「ひぃっ!!」
その犯人は勿論、ガロウである。
「さて。ガロウと言う怪人の強烈なデビューショーは、この位で良いだろう。今日は宣戦布告って事で。今は流石にS級ヒーロー数人を相手にするのはキツイかもしれないから
そう言い残すと、ヒーロー協会から去っていったのだった。
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そして、時刻は夕方。最強兄弟は自宅に帰って来ていた。
「キングさんのお家、楽しかったねー。」
「そうだな。」
その時・・・パタリと何かが倒れる音がした。それに、ジェノスが気付く。
「・・・?ホタル先生。なにか倒れましたよ?」
「写真立てだね。よいしょ。」
そう言うと、ホタルは写真立てを棚に戻す
「小学校の、卒業式の写真だな・・・。この隣にいる奴誰だ?」
そう聞くサイタマに、ホタルは答える。
「後輩・・・かな?記念撮影のときに、一緒に撮ったの覚えてない?」
「お、覚えてねぇ・・・」
「そっか。さてと、ジェノス君の回復祝いも兼ねて腕によりを掛けてご飯作っちゃうよ。楽しみにしててね。」
そうウインクをするホタルに、ジェノスは土下座をする。
「有難き幸せ!!」
「大袈裟だっつーの。それにしても、写真立てが倒れるとか不吉だな。そいつに何かあったんじゃねぇの?」
そう心配するサイタマに、ホタルは唸る。
「・・・どうかなぁ。(元気にしてくれてると良いな・・・。)」
(ガロウ君。)
「一応シッチさんは原作と違って、お兄ちゃんの事はダイヤの原石かもしれないという事で、認知しているよ。ガロウ君の過去シーンカットしちゃってごめんなさい・・・。」