最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
ドォォンという爆発音と同時に、蚊の大群が数百、また数百と消滅していく。
「焼却。」
青年がそう言うと掌の砲口から炎が上がる。そして、その炎は蚊怪人を捉えた・・・様に思われたが、圧倒的な機動力で青年に襲い掛かり・・・
「!」
ギンッという金属音と共に片腕をもぎ取った・・・。
「ふっ、次は足かしら?」
だがしかし・・・、ガクンと蚊怪人の下半身に衝撃が走る。そして気が付くと、足が無くなっていた。
「あれ・・・私の足は?」
下を見ると、そこには怪人の足を投げ捨てる青年が居た。腕をもがれた瞬間、目にもとまらぬスピードで蚊怪人の足をもいだのだ
「無駄だ。俺からは逃れられな・・・「待ってー!!」!?」
そう言って再び掌に熱を溜め込もうとしたとき、大声が響いた。その正体は・・・
「待ってよー!お兄ちゃんの服ー!」
戦闘の衝撃波で起こった風圧に飛ばされた洗濯物を追いかけるホタルだった。その姿に青年は驚愕の表情を浮かべる
「!?(何だあいつは!?洗濯物を追いかけているのか?)」
「よ、ようやく捕まえた・・・。」
そう言って洗濯物を大事そうに抱えるホタルに、青年が声を掛ける。
「おい、そこのお前・・・(・・・周囲の蚊が死滅している!?)」
「あ、はい?僕ですか?」
「何故お前の周りの蚊が死滅しているかは知らんが、早く避難しろ。ここは危険だぞ。」
「あ、大丈夫です。僕の家ここの近所ですし、電気のバリアを張ってるお陰で、一回も刺されて無いので。」
その発言に、青年は驚愕の表情を浮かべる
「この寂れた町に住んでるのか!?」
「家賃0円なので・・・。それにしてもあれは・・・、蚊の大群が一カ所に集まってる?」
「そうだ、だから早く家に・・・。」
青年が再度避難勧告を出そうとすると・・・
「じゃあ、やっつけちゃいますね。」
と、ホタルはあっさり言った。
「は?」
「
ホタルがそう唱えると同時、掌にはバチバチと音を立てる長さ1.5m程の電気の槍が現れた。
「なっ!!超能力か!」
「恨みは無いけど、洗濯物が汚れちゃうからごめんね!」
そう言って槍を投げ付けると、投げ付けた方向の蚊が一斉に死滅する
(槍の投擲で周囲一帯の蚊が焦げ死んだ・・・!規模で言うなら俺の焼却とほぼ同じ・・・いや、それ以上!!)
(もしかして、蚊を操ってる怪人が居るのかな・・・?だったら・・・。)
そう思慮すると、ホタルは念じ始めた。蚊怪人の信号をジャックし始めたのだ。
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その頃、蚊怪人は空を飛び回っていた。
「ちっ!厄介ねあのサイボーグ!!それにさっきからサイボーグが現れた時以上の頻度で蚊が死んでるし!(人里程度の血の量じゃあ、大した力も付けられないわね・・・。私の指示が届く半径約50kmに飛散している蚊達を呼ぶ。町の人間共は隠れて血を吸わせないようだけど、森や自然の動物は別━━━━っ!!何今の!!蚊を呼び寄せる信号がジャックされた様な・・・!!・・・気のせい?まぁ良いわ。さぁ、来なさいアンタ達。溜め込んだジュースを私に注いで頂戴。)」
そう蚊怪人が念じると、彼女の周りに大量の蚊が集まる。
「お兄さん・・・、あれは?(流石に、長い間蚊を操る信号はジャック出来なかった・・・。)」
「恐らく市外に放っていた蚊も集めたんだろう・・・。だが一カ所に集中しているのは好機だ。さっきの槍を出せるか?俺の焼却と合わせて、蚊を撃滅する。」
「分かりました・・・。」
「「しょうきゃ・・・(雷そ・・・)」」
そう言って青年が掌を構え、ホタルが掌から電気の槍を創ろうとしていると・・・
「待て、コルァァァ!!俺との決着がまだついてねーぞ!!」
サイタマが猛ダッシュしながら、一匹の蚊と追いかけっこしながら突っ込んできた。
(何だあいつは。)
「お兄ちゃん!?」
「兄だと!?あれがか!?」
青年は、余りの外見の似過ぎ無さに驚愕の声を上げる。そしてサイタマはサイタマで空中で
「・・・!?・・・何だあの雲。いや何か蠢いて・・・蚊?うわぁぁ・・・。って、ホタルは何してんだ!?」
「お兄ちゃん早く逃げて!!さっきみたいに(ピンポイントで)刺されちゃうよ!!」
その言葉に同調するかのように、青年も避難勧告をする。
「妹の言う通りだ。あの群れは意思を持っている。こちらに気付けば直ぐに襲ってくるぞ。」
「・・・マジで?やべーじゃん。早く逃げ・・・。」
サイタマがそういい終わると同時、大量の蚊が3人目掛けて襲い掛かる!
しかし、瞬時に大量の蚊が死滅した。
「言葉を話すから、人間程度の知能は持っていると思っていたが、所詮は虫か。わざわざ攻撃しやすく、蚊を纏めて俺に向けるとは。お前を発見時に、周囲500mに生体反応が無い事は確認済みだった。ここなら遠慮なく吹き飛ばす事が・・・。しまった!!あの兄妹を巻き添えに・・・!」
そう言って青年がホタルとサイタマの方を振り向くと・・・
「いやー、助かったよ。すごいなお前、今の何?あれがホントの蚊取り閃光?なんつってな。」
(お兄ちゃん、裸に成ってるよ〜。)
裸になったサイタマと、そのサイタマに顔を赤らめる無傷のホタルが居た。そんな二人の耐久力に青年が唖然としていると、上空からパワーアップしたかのように全身が赤黒く染まった蚊怪人が現れる。
「ほほほほほっ!その子達は必要なくなったのよ。バカねぇ。だって・・・。」
そう言うと、さっきとは比べ物にならないスピードで青年の脇腹を抉る
「こんなに強くなったんですもの。」
そう言うと、縦横無尽に飛び回り足・腕・顔面を削り取っていく。
(速い。僕は視神経を強化して視認できるけど、あのスピード、災害レベル鬼!)
「くっ!」
青年も拳を振るうが空を切る。それを嘲笑うかのように蚊怪人が青年のパーツを削り続ける
「アハハハハ!そんなパンチじゃ、蚊も殺せないわよ!ほっほっほっ、脆いわねー。次、頭取ったげる♡」
(血液を吸収する程、身体機能が強化される仕組みだったのか!完全に油断した。もう、勝機はない。自爆するしか・・・。すまない、博士。)
そう言って青年が自爆しようとすると・・・
「お兄さんに、何するの〜!?出力最大!雷槍!!」
「普通のビンタ。」
青年が自爆を覚悟した瞬間、サイタマの平手が怪人を襲い、ホタルが作った雷の槍が怪人に激突し、怪人は某ロケ⚫ト団のようにぶっ飛んだ。
「蚊・・・・・・うぜぇ。」
そう言って手を叩くサイタマに、青年は唖然とする。
「・・・・・・!!」
そこに、ホタルが駆け寄る。
「お兄さん!無事ですか!?」
「あ、あぁ・・・。」
「さーて、帰るぞ。ホタル。」
「待ってよ。このお兄さんが重症だよ!」
そう会話を続ける兄弟に、青年が割り込む
「ちょっと待った!!」
「え?」
「俺は、単独で正義活動をしている、ジェノスと言うものだ!ぜひ、お二人の名前を教えて欲しい!」
そう懇願する青年に、サイタマとホタルは自己紹介をする。
「俺がサイタマで、この世界一可愛い弟が・・・。」
「ホタルです。宜しくね〜。」
そうホタルがにこやかに言うと、ジェノスという青年は衝撃的な言葉を発する。
「お二人の、弟子にして頂きたい!」
その言葉に・・・
「「あ、うん・・・。え・・・?」」
兄弟は戸惑っていた。
この後、ホタルはサイタマに洗濯したての服を顔を真っ赤にしながら押し付け、イオンクラフト効果で空を飛び、サイボーグのお兄さんを、ラボまで送り届けた。
この弟、兄の裸を見て顔を赤らめるほど、ピュアである。なお、セクシーな蚊怪人に顔を赤らめ無かったのは、戦闘時だったからである。
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そうして数時間後、青年の案内を基にラボに青年を送り届けたホタルは帰路につき、マンション前まで来ていた。
「お兄さんも送り届けたし、お家にか〜えろ。」
そう言っていると、足元に何かが転がっているのを発見する
「あれっ?これって・・・、蚊怪人さんの足・・・」
ホタルが家の付近に着いた時に見つけたのは、サイボーグの青年がもぎ取った怪人の足であった。
「・・・・・・。」
すると、何を思ったか足の前に正座し、手を合わせたのだ。
「先程は、手荒な真似をしてすみませんでした・・・。来世があるのなら、次は人の生を歩めますように・・・。」
黙祷がしばらく続いたあと、ホタルはマンションに入ったのだった。
「弟子にしちゃった。お家が賑やかになるね♪」