最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
俺がヒーロー狩りを始めて早数日。多くのヒーロを倒してきた。今日も今日とて骨のねぇ奴・・・名前も知らねぇ奴も倒して意気揚々として、自転車に乗った無免ライダーとかいう奴を倒そうとしたら、先日倒したタンクトップベジタリアンが仲間を連れて仕返しに来やがった。
まぁつっても、大勢の恰好の的を連れてきた事には変わりねぇ。逆に感謝してぇくらいだぜ。
そう思って攻撃を仕掛けようとしたんだが、そいつらの親玉が襲来・・・親玉が来たからって、絶望したと思ったか?いいや、
だが、流石はS級。出会い頭に強烈なパンチやタックルを貰っちまった。
まぁそんな攻撃も、顔すらも思い出したくねぇ糞ジジイの元で修業したお陰で、見切り初めてはいるんだがな。
そんな状況で、タンクトップマスターは俺に止めを刺そうと拳を振り上げたんだが・・・
「ちょっと待ったァァ!!あごしっ!!」
俺が狩ろうとしてた、無免ライダーとかいう自転車乗りの奴が割り込んできた。マジでコイツ頭おかしいんじゃねーの!?さっきまで自分を狩ろうとしてた奴を庇うとか、何考えてんだよ!?あまりに奇想天外すぎて、周りの筋肉馬鹿共も鳩が豆鉄砲を食ったような
そっから、その自転車乗りは血濡れの俺に対して攻撃してこようとする馬鹿共に、説教しまくっていた。「S級ヒーローともあろう者が、チンピラ相手に止めを刺そうなんて」とか何とか言いながらな。
そんな言葉に、周囲の筋肉馬鹿共は「ヒーロ様に手を出すのが悪いんだろうが!」とか、「C級1位の座を寄こせ!!」とか騒ぎまくりやがる。後者の言い分に関しては、嫉妬まみれじゃねぇか。そんな事考えてたら・・・。
「やめろお前ら。確かに彼の言う通りだ。俺は人間と喧嘩する為に、タンクトップを着こなせるようになったわけじゃない。」
とか、タンクトップマスターの野郎は言いやがるし・・・。
「おい、お前。これに懲りたら二度と他人に危害を加えるな。」
タンクトップマスターが、俺にそう言った瞬間、俺の脳裏にある人の言葉が蘇る・・・。
『僕が、君のヒーローになるよ。』
「・・・分かったよ。帰るよ、暴れて悪かったな。」
そう言って、俺は踵を返す。そんな中でも、懐かしい声は話し掛けて来る。
『絶対に、誰かを傷つける為に力を使っちゃ駄目。誰かを守る為に使うんだよ。』
けど、半端な所で終わるつもりは無ぇ!
「嘘。テメーら皆殺しコースに変更はねぇ。」
そう言ったと同時に、俺の眼前に写ったのは恐らく今まで多くの怪人を
「あぁ、だと思ったよ。お前からは邪悪しか感じない。大きな障害に成る前に、ここで消えて無くなれ!!」
なんだよ。結局、信用してなかったんじゃねぇか。
仮に、俺が本当に帰るだけだったらどうしてたんだよ。
気が付くと、自然に糞ジジイから教えられた武術を使っていた。そういやあの糞ジジイ、俺が道場の連中をボコった後「間違った力の使い方をしおって!!」とか言って怒鳴ってきやがったな。ま、ヒーローを狩る為だ。昔の事とか、変なこだわりは捨てますか。そう思って流水岩砕拳を叩き込むと、タンクトップマスターはあっさり膝を付きやがった。こんなのが人類の最終兵器とか呼ばれるS級かよ。笑っちまうぜ。俺が少し煽ると、ムキに成って「少し驚いただけだ」とか負け惜しみを言ってきやがるしな。そこで、俺はこいつに絶望感を植え付ける事にした。
「アハハ、そーかい。じゃあ、もっと驚いてもらおうかな。怪人ガロウによって、御仲間が全滅するシーンをなぁ。」
そう言うと
あー、滅茶苦茶腹が立つぜ。怪人じゃなくて、"人間"怪人扱いかよ。くっそ!!腹いせにこいつら全員、血祭りに上げてやるよ。
「ま、待て!そいつらには手を出すな!!」
手を出すなぁ!?だったら立ち上がれよ、タンクトップマスター!かかって来いよ!!そんな体たらくじゃ、部下の一人も守れねぇだろぉが!!怪人相手に、言葉のみで何とかできると思ってんのか!?
「ジャスティスクラッシュ!!ぐぶぅ!!」
そう考えていると、無免ライダーだったか・・・?そいつが、自転車に乗りながら飛び掛かって来た。・・・まぁ、俺を止めようと立ち上がった事に関しては褒めてやるけどな・・・お前と俺じゃあ、力の差が有り過ぎるんだよ・・・。しかも、ヒーローの癖して後ろから奇襲とか恥ずかしくねーのか?お前らマジで、ヒーローなのかよ。イラつくイラつく!!俺はイラつきの余り、そいつの顔面を叩き付け続ける。
数分経った後、そいつのボロボロになった顔面を筋肉馬鹿共に見せてやれば、そいつらは尻尾を撒いて逃げるかと思いきや、果敢にも立ち向かって来た。けど、何かムカツクな・・・。あぁ、そうか・・・。この状況・・・俺を苛めてきた、たっちゃん達のヒーローごっこに似てるんだ・・・。多数派の掲げる身勝手な正義によって、少数派の正義が捻じ曲げられる、そんな糞みたいな現実に・・・。
ふざけんな!てめぇらみたいに大人数で仕返し来る奴等を、ヒーローなんて呼びやしねぇ!!
ふざけんな!後ろから奇襲を仕掛けるような奴を、ヒーロなんて呼ばねぇよ!!
本物のヒーローってのは、俺が憧れたあの人みたいに真正面から正々堂々と、陰湿な虐め・・・例えるなら、公園の隅っこで突かれてる様なガキですらも見逃さずに助けれる人の事を言うんだよ!!
例え一人だったとしても、多数派に堂々と意見する様なあの人の事を言うんだよ!!
あの人に比べたら金や名声が目的なだけの、てめぇらのやってるヒーロー活動なんて御遊び同然なんだよ!!
俺にとってのヒーローはあの人だけだ!!あの人以外がヒーローを名乗るって言うんなら・・・
俺が絶対悪に成って、てめぇら偽物のヒーローを狩り尽くしてやる。
虐めも、人間同士の醜い戦争すら
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暫くすると、地面には筋肉馬鹿共の残骸で埋め尽くされた・・・。
ついでに、ジジイの所の門下生らしき奴が掛かって来たけど、
だが、どうにもこうにも達成感が満たされねぇ・・・。それに・・・、さっきから声が響く。
『暴力で解決したら駄目だよ。暴力で解決する人は、心の弱い人なんだよ。』
懐かしい声・・・俺を苛めてきた奴や、俺を信用しなかった糞教師や糞親と違って、俺を信用してくれて虐めから守ってくれた人。
同学年からは
家でも学校でも居場所が無かった俺に、居場所を作ってくれた人。
虐めっ子のたっちゃんに付けられた傷や痛みを、不思議な力で癒してくれた人。
女の子みたいな顔でフワフワしてるように見えて、自分の中にしっかりとした芯を持っている人。
でも今の俺は、その人に思いを馳せる資格は何処にも無い。
「俺はもう怪人に成ったんです・・・。俺を救ってくれた、アンタを裏切ってしまったんです。だから、もう頭の中から出てってくださいよ・・・。ホタ
「この作品のガロウ君は、結構拗らせちゃってるかも・・・。」