最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる 作:雨を呼ぶてるてる坊主
皆さんこんにちは。ホタルです。何やかんやあって、結局お兄ちゃんが替え玉出場する武道大会に来ました。早速観客席に行こうとしたのですが・・・。
「ねぇねぇ、君って今暇ー?暇だったら大会が始まるまで、お茶でも行かなーい?」
今回のトーナメントの優勝候補と言われる、スイリューさんにナンパされました。
━━━━━━━━━━━━━━━━
「え~と、此処みたいだね。」
「その様ですね。今回もサイタマ先生の立ち振る舞いから、何かを学べると良いのですが・・・。」
ジェノスの言葉に、ホタルは苦笑する。
「あはは・・・。お兄ちゃん素人だから、学べる物なんて無いと思うけど・・・。・・・少し開会式の前に、お手洗いに行ってくるね。」
「お気をつけて行ってらっしゃいませ!!」
そうして、用を足したのだったが・・・。
「あ、ねぇねぇ君。君可愛いね~。実は俺シードだから、結構暇なんだよね。御茶行かない?てか、SNS何かやってる?連絡先交換しない?」
「え、え~と・・・。」
今大会の優勝候補であるスイリューに声を掛けられ、冒頭の状況に成ってしまったのだ。
「えっと、僕・・・あまり、連絡先とか交換した事無くて。や、やり方が分からないんですよね。だから、此処で失礼・・・。」
そう言って去ろうとするホタルを、なおも引き留めるスイリュー
「え?じゃあ、俺がやり方教えてあげるよ。てか、今時僕ッ娘って珍しいね~。」
「い、いえ。というか、早く席を取りたいんですけど・・・。」
ホタルが少したじたじに成り始めたその時・・・。
「貴様!ホタル先生に何をしている!?今すぐ離れろ!!」
ジェノスが駆け付けた。そんなジェノスに、スイリューは怪訝そうな顔に成る。
「何って・・・ナンパだけど?お兄さん、この子の知り合い?それとも彼氏?」
「俺は、この人の弟子だ!それ以前にナンパと言っていたが、貴様男色家か?」
「え、別にそういう訳じゃないけど?てか、俺別に男をナンパしてるわけじゃ無いんだけど。」
そんなスイリューに、自分の事を女と勘違いしている事に気付いたホタルは、顔を赤らめながら訂正する。
「・・・ぼ、僕・・・男です・・・。」
「え!?マジで!?」
「・・・・・・。」
無言で頷くホタルに、スイリューは合点のいった顔に成る。
「あ、もしかして男の娘って奴か!あ~・・・ごめんね。」
「い、いえ!誤解が解けたなら何よりです!!」
そして、一刻も早くスイリューからホタルを引き離したいのか、ジェノスがホタルの背中を軽く押す。
「ホタル先生。丁度見晴らしの良い場所が取れたので、早く行きましょう。」
「う、うん。じゃあスイリューさん頑張ってくださいね~。」
そう言って立ち去るホタルに、スイリューはポカーンとする。
「え、あ、うん・・・。(マジか・・・、あの見た目と声色で男・・・。ヤバイ、何かに目覚めそうになった・・・。)」
呆然とする、優勝候補であった。
━━━━━━━━━━━━━━━━
そうして二人は、観客席に着いた。
「ホタル先生、こちらの席になります。」
「ありがとね、ジェノス君。わぁ・・・確かに見晴らしが良いね。」
そうして二人が座ると、アナウンスが流れだした。
「ご来場の皆様!大変お待たせいたしました!!第22回スーパーファイト・・・全選手の入場です!!」
そう言い切ると、選手達が一斉に入場する。
「まずは初出場!A級ヒーロー現在19位「イナズマックス」の名でも活躍中のこの男!今大会でも、ド派手な蹴り技が炸裂するか!?"ハイパー空手"マックス!!」
司会がそう言うと、イナズマックスが入場する。
「優勝しか見えねぇ!!」
「紅一点!電光石火の早技は、最早芸術!!女子格闘界では、戦う相手が残っていないと
そう言うと、チャイナドレスに髪飾りなのか大きな鈴をつけた女性が現れる。
「早く試合したい・・・」
「道場荒らしでジワジワと名を上げてきた酷道流を束ねし男が、公の大会に姿を現しました!!"酷道流"ベンパッツ!!」
「ヌフフフフ・・・やっと出場まで漕ぎ付けたぞ。」
そう不敵に笑うのは、キ●肉マンに登場するラーメ●マンのような髪型をした男だ。
「ベスト4常連!そのしなる腕は、何処までも相手を追い詰め、確実に仕留めます!!A級ヒーロー最下位の男!!"蛇咬拳"スネック!!」
「最下位とか言う必要ある?」
スネックの登場に、ホタルは心の中で声援を送る。
(あ!スネックさんだ!!頑張ってくださーい!!)
「幼少期の落雷事故が、彼を此処まで強力なファイターにするとは誰が想像したでしょうか!?超帯電体質!"雷々拳"ボルテーン!!」
「ふんっ・・・。」
そう鼻を鳴らす男からは、バチバチ電流が流れる。その様子に、ジェノスは思案する。
(あの男・・・ホタル先生と同じような能力者のようだが・・・。見た感じ、実力や能力の応用レベルに関してはホタル先生の方が強そうだな・・・。)
「その決着は、いつも90秒以内!!一撃の破壊力に、とことん
「ガハハッ!!前大会までの俺と同じと思うなよ!!」
そう叫ぶのは、筋骨隆々の上裸にモヒカンの男だ。
「終わる事の無い技のコンビネーション!!その恐ろしい連撃に捕まった選手は、トラウマに成る程の恐怖とダメージを負う事に成ります!!"数撃当流術"ガトリン!!」
「連打こそ、最大の防御なり。」
そう構えるのは、フードを被った青年だ。
「女性や子供でも扱える技を教えてくれると評判の、護身術道場から初出場!!説得力の無いガタイの良さが、その強さを匂わせます!!"ひまわり道場の優しい護身術"ハム吉!!」
「月謝二千円です。宜しくお願いします。」
ハム吉と紹介された男性は、大柄な傷だらけの身体とは対照的にお、穏やかな顔で手を振る。
「今大会最重量!!しかし、ただの肥満では無い!!高い跳躍力を活かしたボディプレスは、何人も病院送りにしてきました!!"巨漢流圧殺法"デーブ!!」
「ふーっ!ふーっ!」
そこに現れたのは、
「相手の心理を分析・誘導し、試合を有利に運び勝利する・・・らしいです!文科系の星に成るか!?"心理分析格闘戦術"ロジー!!」
「心理ロジックに従って、格闘界に革命を起こしてみせましょう。」
ロジーと呼ばれた青年は、インテリ系の雰囲気を
「事前アンケートでは、全選手を見下す
「
そうして現れたのは、選民思想が強そうな男だ。
「刺激の強い香辛料を練りこんだ拳で、相手の目を露骨に狙います!!反則扱いしないのは、スーパーファイトだけ!!"香辛拳"メンタイ!!」
「今日は、赤トウガラシでかますぜっ!!」
そう叫ぶのは、鼻頭に絆創膏を張っている青年だ。
「プロレスラーが殴り込み!!本人曰くメンタルが弱い為、紹介であまり煽らないで欲しいとの事!了解しました!"ギガプロレス"ジャクメン!!」
「興行の宣伝に来ただけなのに、殴り込みとか乱暴な言い方されると・・・うん・・・。」
ジャクメンと紹介された男は、大柄な見た目の割にメンタルが弱いのか緊張している。
「元流水岩砕拳の実力者が独立し、旗揚げしました!上手く結果を残し、門下生大量獲得成るか!?"ニガムシ流拳法"ニガムシ!!」
「うっ・・・オエッ!緊張すると吐き気が!!」
そう言うと、ニガムシはタダでさえ
「七回連続出場!諦めを知らない男の姿に魅了され、支持するファンも増えてきました!今回こそ初戦突破が期待されます!!"猪突猛真拳"ザッコス!!!」
「この日の為に、死に物狂いで修業してきた。初白星を取り、プロポーズする為にな。」
そう言いながら、ザッコスはサングラスを華麗に外す。
そして遂に現れたのはこの男・・・。
「控室では漫画を読み、アンケート用紙には「頭を狙わないで欲しい」と記入した男!本当に戦いに来たのか!?しかし、チケットさえあれば誰でも出場できるのが、このスーパーファイト!!"水球炭酸拳"チャランコ!!」
しかし、何故か観客たちからは「ブーブー」とブーイングが混じっている。
「何で、既にブーイング混じってんだよ。」
そうボヤくサイタマだったが・・・。ジェノスとホタルだけは、拍手をしていた。そんなS級二名に、観客達はどよめく。
「なぁ・・・あれ、S級ヒーローのジェノス・・・じゃね?」
「隣に居るのって・・・S級5位の、激雷の天使・・・だよな・・・。」
「格闘技とか見るんだ・・・。」
そんな中、ホタルは必死に正体バレしないかの心配をする。
(お兄ちゃん・・・絶対バレないでよ・・・。というか、水球炭酸拳って何!?流水岩砕拳じゃないの!?)
「スーパーファイト史上最強と目されるは、過去2度優勝のこの男!恐ろしい事に、これまで全ての試合がこの選手による一方的な
そこに現れたのは、悪人面をした大男だった。
「今日の優勝にこそ、意味が生まれるのだ。」
「そして・・・彼もまた無類の強さを誇ります・・・。7大会ぶりに姿を現しました!過去に4連覇を果たした、若きレジェンド!!"冥躰拳"スイリュー!!!」
紹介が終わると・・・あたり一斉が歓声に包まれた。そこから現れたのは、スイリューである。
「イエーイ!イエイッ!!」
「行方知れずだった、この三年間遊び歩いていたとの事で・・・今回も、賞金のみが目的だと言っています!」
そう紹介されたスイリューは、観客席に居るホタルを見つけると手を振る。
「あ!さっきの可愛い男の娘発見!!おーい!頑張るから応援しててねー!!」
そんなスイリューに、ホタルも小さく手を振る。
「・・・は、はーい・・・(注目されるの恥ずかしいから、やめてくださいよー!!)」
「地位と名誉に固執しない故の強さか・・・しかし!!今大会には、バクザン選手も出場しています!順当な予想では、決勝戦はこの二人の激突が見れそうです!!」
そう司会が紹介するが、ホタルは気の毒そうにバクザンを見つめる。
(司会の人は、ああ言ってるけど・・・バクザンさん、2回戦でお兄ちゃんと当たるんだよね・・・。御愁傷様です・・・。)
ホタルがバクザンに対し、憐れみを含んだ黙祷を捧げたと同時にスーパーファイトが開幕したのだった・・・。
「スーパーファイト、開幕だよ~。」