最強のハゲには、男の娘かつ最強電気使いの弟がいる   作:雨を呼ぶてるてる坊主

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「大会中に呼出しが掛かっちゃった・・・。」


四十五撃目:弟と怪人無双

ワァァァと歓声が轟く中、遂にサイタマの出番となったが・・・

 

 

「つ、強いー!チャランコ選手!ザッコス選手立てない!チャランコ選手のビンタ一発で、脳が揺れてしまったか~!?開始4秒でした!いや・・・これは、チャランコ選手が強いと言うより・・・。弱いー!ザッコス選手、弱すぎる!!一発で終わってしまいました!プロポーズ予定の恋人を会場に招いていたザッコス選手!その人生設計に大きな狂いが生じてしまいましたー!!」

 

 

司会の言葉通り、サイタマは余裕の表情でザッコスを倒してしまった。

 

 

「うわ・・・悪い事したなぁ・・・。」

 

 

サイタマがバツの悪そうな顔をし・・・

 

 

(というか、アナウンスで言う事じゃ無いでしょ・・・。)

 

 

ホタルが憐みの目を浮かべたが・・・、新情報を司会が読み上げる。

 

 

「おっと、此処で新情報が入りました。えーっとですね・・・。何と、その恋人は来ていないそうです!!セーフ!失態を見られずに済みました!!」

 

 

「ほっ、なら良かった・・・。」

 

 

そう安心するサイタマの横で、ザッコスは呻き声を上げる。

 

 

「何も良くねぇよ・・・。」

 

 

(武術を楽しみたいなら、もう少し手加減しようよ・・・。キ●肉マンVSプリンス・カ●ハメの試合時間よりも短いよ・・・。)

 

 

安堵しているサイタマに、呆れた目を向けるホタルであった・・・。

 

 

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そうして暫く経つと、会場が騒めき始めた。そんな状況に、ホタルとジェノスは囁き合う。

 

 

「ざわつき始めたけど・・・次の選手って・・・。」

 

 

「えぇ・・・あの男でしょう。」

 

 

そうしていると、司会が入場選手の紹介をする。

 

 

「この男の試合が再び観れる日が来るとは!!会場中が喜びに打ち震えている!!スイリュー選手の登場です!!」

 

 

司会がそう言うと、会場内のボルテージは一気に向上する!!

 

 

「やれー!!」

 

 

「スイリュー!!」

 

 

「対するは、先程の試合でリンリン選手に圧倒的な差を見せつけ勝ち上がってきた、マックス選手!!」

 

 

そう言うと、イナズマックスに対しても歓声が沸き上がる。そんな歓声を尻目に、イナズマックスは思いに耽る。

 

 

(大層な評判だが、こいつは俺より格上なのか?いや違う・・・思い出せ、イナズマックス。俺が乗り越えるべき相手は・・・。)

 

 

そう思いだしたのは、今まで立ち向かってきた高レベルの怪人達。

 

 

「今まで戦ってきたバケモン共に比べりゃ偉く小物に見えるぜ、スイリューさんよ。俺が目指すステージは、あんた等とはだいぶ離れたステージにあるんだ。俺はもっと強く成らなきゃいけないんだ。じゃないと、ヒーローとして皆を守れない。気の毒だけど、あんたをそれなりの実力者と見込んで・・・対怪人用新技の練習台にさせて貰うぜ!」

 

 

イナズマックスがそう言い切るが、スイリューは・・・。

 

 

「あー・・・キミ、プロのヒーローなんだっけ?そっか・・・そんな高い志を持って、鍛錬してるんだ。強さを求める理由も、人それぞれだからねー・・・。」

 

 

と言い、飄々(ひょうひょう)とした態度を崩さない。

 

 

「構えて・・・。始め!!」

 

 

審判がそう言うと、マックスは強い踏み込みでスイリューに襲い掛かる!

 

 

「稲妻・・・大車輪両(かかと)落とし!!」

 

 

超スピードで接近し、決まる・・・!!様に思えたが・・・。

 

 

ガコォとスイリューの回し蹴りがマックスの頬に決まり、マックスは場外に吹っ飛んだ!

 

 

「俺が強さを求めた理由は・・・テキトーに楽して生きていく為だけど、俺の方が強くてごめんな。」

 

 

そう言い退場するスイリューに、観客席に居たホタルとジェノスは感嘆する。

 

 

(A級でも上位のイナズマックスさんを・・・弟橘媛様曰く、深海王だった頃の自分に一撃を食らわせたって言う程の強さのマックスさんを一撃で・・・。)

 

 

(社会に埋もれた実力者という事でしょうね・・・。ホタル先生達も人知れず活躍をしていましたから、他にも同じ様な猛者が居てもおかしくありませんしね・・・。)

 

 

(お兄ちゃんに敵う人は居ないかもしれないけど・・・スイリューさんなら、楽しませることはできるかも・・・。)

 

 

(まだ安心はできませんが・・・。)

 

 

その時、ホタルは自身が張っていたレーダーに、大量の怪人反応が現れた事を察知する。

 

 

(・・・!?ジェノス君、緊急事態発生。)

 

 

(どうなさいました!?)

 

 

(僕が張ってたレーダーに、急に多数の怪人の反応が現れた!このC市内にも!!こんな数、探知した事が無い!!)

 

 

そんなホタルの言葉に、ジェノスも端末を確認する。

 

 

(俺の端末にも、協会から要請が今来ました!!・・・行くしかないようですね。)

 

 

(・・・そうだね。行こうか。)

 

 

そう意思疎通を行うと、ジェノスとホタルは動いたのだった。

 

 

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そして、場面は変わり会場外・・・。外に出た師弟は、打ち合わせをする。

 

 

「取り敢えず会場からは出れましたね。」

 

 

「そうだね。僕は東方向に行ってみる。ジェノス君は西方向をお願い。僕はレーダーで怪人の居場所を特定できるから、協会には誘導は不必要って言っといて。」

 

 

「承知致しました。では健闘を祈ります!」

 

 

そう言うと、ジェノスは西方向に飛び立ったのだった。

 

 

「さてと・・・確認しただけでも、数が多いし散らばってる・・・試作段階だけど、あの技を使ってみよっかな。鉄傀儡(てっかいらい)・・・。」

 

 

ホタルがそう念じると地面から湧き出た砂鉄が人の形を成し、ホタルそっくりの数人の分身と化した。

 

 

「この砂鉄人形達を、レーダーで怪人の位置を確認しながら誘導して戦わせる・・・。やる事が多いけど他のヒーローさん達の負担を減らさなきゃ!皆行って来て!」

 

 

そう言うと、数人の分身達は指示された場所へ動き始めたのだった。

 

 

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そうしてホタルは空中を飛行しながら、レーダーの反応を頼りに怪人を討伐していく。

 

 

(こっちから、怪人特有の電波!!)

 

 

暫くホタルが飛んでいると、地上で男性に襲い掛かろうとしている怪人が居た。

 

 

「うわぁぁぁ!!もう駄目だァァ!!」

 

 

「危ない!砂鉄槍!!」

 

 

ホタルがそう言うと、一本の槍が怪人の胴に大穴を開けた。

 

 

「ぐぉぉぉ・・・!」

 

 

そう断末魔を上げる怪人に黙祷を捧げると、ホタルは男性の元に向かう。

 

 

「君の来世に、幸有ります様に・・・大丈夫ですか?」

 

 

「あ、あぁ!ありがとう!!」

 

 

男性が礼を言うと周囲の市民達も集まり、怪人発生場所の情報を提供し始める。

 

 

「S級の激雷の天使だ!!」

 

 

「ホタルさん!あっちにも怪人が!」

 

 

「俺はあっちから来たんですけど、向こうでも怪人が沢山・・・。」

 

 

その言葉に、ホタルは礼を告げる。

 

 

「情報提供感謝いたします。」

 

 

その時・・・ピロロロロと、ヒーロ協会から連絡が入った。

 

 

「・・・協会から?もしもし?」

 

 

ホタルが電話に出ると、ブショウという名の人物から指示が出される。

 

 

「激雷の天使か?こちらヒーロー協会本部のブショウだ。怪人討伐の任務だ。」

 

 

「ブショウさん、お久しぶりです。既に怪人を一人討伐いたしました。既に他怪人の居場所も把握しておりますし、砂鉄で作った分身を向かわせて対処しております。協会の職員の皆様は、一般市民の避難勧告をお願い致します。」

 

 

「・・・分かった。君もS級5位とは言え、気を付けるように。レベル鬼が数十体現れている。最悪竜が現れる事も視野に入れるように・・・。この世界を・・・頼んだぞ!」

 

 

「了解しました。では失礼します。・・・次はこっちだね。」

 

 

そう言って深呼吸すると、ホタルはレーダーの情報を基に怪人発生場所に向かったのだった。

 

 

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そこから先は、普段から習慣付けている怪人退治後の黙祷(もくとう)を捧げる暇も無いほど忙殺されていた。ある場所では・・・

 

 

「砂鉄剣!真向切り!!」

 

 

「ぐぉぉぉ・・・!!」

 

 

またある場所では・・・

 

 

「電磁砲!!」

 

 

「ぐえぁぁ・・・!!」

 

 

そうして次々と必殺技を出すが、一向にレーダーから怪人特有の電波が消える事は無い。

 

 

「数が多すぎる!・・・怪人さん達を(とむら)う時間も隙も無い!」

 

 

すると突然・・・。ビリッと濃度の濃い電波を感じ取った。

 

 

「・・・!?今の電波・・・一カ所に敵意が入り混じった感情が集中して渦巻いてる・・・でも、怪人さん特有の電波じゃない・・・沈静化させないと!!」

 

 

不可解な電波を感じ取ったホタルは、その方向に直行したのだった。

 

 

━━━━━━━━━━━━━━━━

そして、直行した先で見た物は・・・

 

 

「あれって・・・フーちゃん先輩!?」

 

 

ズタボロになった、絶賛片思い中の元先輩の姿であった。




「うわーん!お兄ちゃんの試合が見れないよぉ~!」
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