エロゲ世界転生は地獄   作:ニンカタ

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久しぶりに


第4話

 

 「僕は君の事が好きなんだ!」

 

 桜舞う季節。伝説の樹の下で行われる告白。この木の下で告白を成功させると、その2人は永遠に幸せになれるそうだ。告白を受けた女の子は、少し恥じらいながらも彼の告白を受け入れた。男子生徒は彼女の言葉を聞くと、感極まったのか涙をその瞳から溢した。そんな彼の姿をからかいつつも、女子生徒もう嬉し涙を流している。

 

 「オラッ!黙ってねぇと聞こえちまうぜ!」

 「っ!!───っ!!」

 

 そんな告白の裏で、木の辺りに手を付かせた女の子を襲っている男が1人。お互い認識がズレてるのか?普通気づくと思うんだよね。まあ今更何で、突っ込む気も起きないんだけど。

 

 「はぁ…………………キツイ」

 

 ごめん。やっぱり嘘。脳がバグりそうになるわ。右からは嬉し涙の声。左からは悔し涙のそういう声。情緒がおかしくなりそうなんだよね。片方だけだったらそれ相応の感想を内心で呟いてスルー出来るんだが。一気に来られると感情の整理が付かないよ。しかもジャンルが正反対だからさ…。せめてどっちかに寄せて一気に来て欲しかったな。

 

 「おー凄え!告白成功したぞ!」

 「羨ましいなー!!」

 (他にも目を向けるべきなんだよね)

 

 男子生徒の友達だろうか。近くの木の陰に隠れて告白を覗き見している生徒が2人。どうやら◯役君は何らかのフィールド効果を発動しているらしい。明らかに見える角度に居るのに、誰もが彼と彼女を見ようとしない。思っいきり横を通った人も居た気がするけど、その人は特に気が付く様子がない。何事もなかったように校門を通り過ぎていった。

 

 「今のは危なかったなぁ…」

 「くっ…!」

 (何か疲れてきたな…)

 

 最初からアウトなんだよ。いやまあこの世界だとセーフ判定なんだけどさ。未だに何処からがアウトで、何処までがセーフなのかが分からない。偶にバレるパターンもあるんだけど。え?そんな事でバレるの?みたいな判定が緩いバージョンもある。…人々の視線が厳しいから判定がキツイバージョンか…?ヤバい、この世界の法則を考え始めると頭がこんがらがってくる。正しい日本語や言語が紡げているのか不安になってきた。

 

 「帰ろう…」

 

 何時もの風景をまじまじと見てしまったのが悪かった。こういうのはスルーして考えないに限る。じゃないと自分が自分で失くなっていく気がするわ。◯ックスが日常風景…?ヤバいヤバい!!考えるな!考えるな!其処を疑問に思ったらとうとうおかしくなる!

 

 「気分転換にメシ!!」

 

 三大欲求の一つは嫌という程に堪能している。いや堪能してないよ!!違う違う。そうじゃなくてだ。睡眠欲を満たすにはまだ眠気も無いし、時間も勿体ない。帰って直ぐにゲームをするのもストレス発散になるが、今は即物的に何か気分を変えたかった。なので帰り際に学校近くのレストランへと寄る事にした。あんまり贅沢は出来ないが、そこそこの物を食うくらいには余裕がある。だから今日は早目の夕食だ!しかも外食!リッチ!リッチ!

 

 「きゃー!!」

 「はあー!!」

 

 レストランに入ってメニューを開く。気分はパスタだったので容量が多めのナポリタンを頼んだ。ドリンクにはアップルサイダーを一つ。こういう店で飲むと凄く美味しく感じるんだよな。ドリンクって。先に来たドリンクのストローに口を付けると、遠くの方から店員さんの悲鳴が。嫌な超直感であるが、これは面倒事だと直ぐに判断出来た。金を掛けた気分転換がぶち壊されたせいで少々頭がおかしくなる。咄嗟に叫んでしまったよ。此方を変な者を見る目で見ないで欲しい。あんた達が普段している事の方がよっぽどおかしいからな?

 

 (いかんいかん…思考が殺伐としてきた…)

 

 ストレス発散の場で新たにストレスが増えたせいで口汚くなってしまった。もしかしたら純愛畑の分類の人達かもしれないのだ。落ち着け自分。落ち着け達郎…

 

 (よし…少し落ち着いた)

 

 アップルサイダーを飲みなから冷静さを取り戻していく。落ち着いたならば次は何が起きたかの確認だ。悲鳴が聞こえた方を向く。夕方も近いので客足もそこそこ。故に自分以外にも悲鳴の出処に目を向ける人達は多かった。

 

 「て…店長!しっかりして下さい!」

 「し…死んでる…」

 「嘘でしょ!?」

 (嘘だろ…)

 

 事件が起きた事よりもこの後起こる事に不安が募る。こんな世界での事件がまともな訳が無い。いやまともな事件ってなんだよ。ああっ!またストレスと疑問が増えた!!

 

 「警察です!」

 「うわ…」

 

 事件が起きたとの事で現場、つまりはレストランから逃げられなかった。まだ腹も満たしていないのに警察が来るまでの中時間はキツかった。食べ盛りの学生が今から食うぞーと気合いを入れていたから、その反動は凄まじいものであった。そうして空腹感を水で誤魔化しながら警察を待っていた。

 

 「今から1人1人に話を伺います。少しの間お待ちを」

 

 警察が来たのは良い。話を聞くというのも分かる。でもそれを言っている奴の格好が問題だった。胸の谷間を隠す気もないスーツ。少し動けばパンツ見えるぞと言いたくなる激ミニスカート。お前本当に警察なのかと疑いたくなる痴女姿であった。

 

 (…まあ、今更か…)

 

 1人、また1人とレストランの奥にあるらしい部屋の中へと連れて行かれる。あの痴女と話すのは億劫であるが、服がアレなくらいだったらこの世界でも珍しくはない。ボディーペイントで街中に繰り出す様な輩と比べれば幾らかはマシだろう。アイツ等アレで本当に気付かれないと思っているのか?

 

 「次の方。どうぞ」

 「はい…」

 

 ドアの前に立っていた警官に中に入るように促される。何時か来るとはいえ、自分の番になってしまったかと、内心溜息を付く。挨拶をしてから部屋の中へ。中にはあの痴女警官だけが座っていた。レストランにあったテーブルと椅子を使い、面接のような形式で顔を合わせる。簡単に自己紹介はされたが、この場限りの関係なので頭には留めなかった。ていうか覚えていたくなかった。これ以上頭痛の下を増やしたくはないので。

 

 「事件が起きた瞬間。貴方は突然奇声を上げたらしいですね。何故ですか?」

 (ええ…其処突っ込まれるの…?)

 

 確かに普通ならば突然の奇声はおかしな行動である。しかし窓から見える景色になかよししている男女が蔓延っている世界で、そのような常識的な質問をされるとは思わなかった。

 

 「…何故。口籠るのですか?」

 「いや…その」

 (貴方から、そんな真面目な質問が来るとは思わなかったからです)

 

 何でか知らないが良く足を組み替える痴女の人。その度に黒い布がチラチラと見える。服という概念をちゃんと理解しているのだろうか。この人は。

 

 「色々疲れて叫びたくなったんです…」

 「ええ…?」

 

 嘘を考えるのも面倒臭くなったのでそのまま言った。案の定痴女さんは困惑している。しかしこれが偽らざる本音なので納得して欲しいな。多分無理だけど。

 

 「…はぁ…」

 

 あれから何度か質問をされたが答える事は変わらない。傍から見れば自分が怪しいのは分かるが、こんな世界でそのような常識を押し付けないで下さい。自分は疲れてるだけなんです。だから今日は帰してくれませんか?お腹も凄く空いてるんですよ。

 

 「仕方ないわね…」

 「ええ…?」

 

 今度は此方が困惑する番であった。入ってきたドアの方を見ると、痴女さんは徐ろに谷間を強調し始める。色仕掛けかよ…。

 

 「君の秘密…教えて欲しいわ…」

 「嫌です」

 「!??」

 

 詳しく書けばR指定になりそうな事を仕掛けてくる痴女。見た目だけではなく中身までアレだったようだ。個人的な都合により、年下にそのような行為を仕掛ける類の人物は大嫌いだ。なので直ぐ様痴女の手を払いのけると、また用があったら呼んでくださいと足早に部屋を出る。このような行動に出なければもう少し付き合っても良かったが。空腹感からのストレスとトラウマを刺激された事により、その気も失せた。

 

 「な…何なの…?あの子…」

 

 此処に達郎が居たらお前が何なんだよと突っ込んだ事だろう。連れ戻そうかと考えた痴女さんだが、まだ他に聞きたい事がある人物が居るので、達郎の事は後回しにした。

 

 「アイツが俺の娘を殺したから…!!」

 「話は署で聞きます」

 (やっと終わった…)

 

 あの後何処からか探偵が現れて事件は解決した。こんな世界にも探偵って居るんだなとか思ってた気がするが、空腹の為か記憶が曖昧だ。でも覚えている事はある。それは犯人の動機だ。

 

 (店長が孕ませた女が犯人の娘さんか…)

 

 結局ナポリタンは食えなかった。あのままレストランで食う気もしなかったのでそれは良いのだが、腹はナポリタンだった為に困っていた。家に帰って即席ナポリタンという気分でもないので、少し値ははるが洋食店の扉を叩いた。

 

 「はぁ…美味かった…」

 

 空腹は最高のスパイスとは聞いたが、実感すると本当にそう思う。食休み中。先程の事件の事が頭を過る。話の途中だったが、犯人の動機は娘を自殺へと追い込んだ店長への復讐だった。兼ねてより隙を見て、何時かは殺そうと思っていたらしい。署で聞きますって警官の人言ってたけど、あの場で全部ゲロってたよな…?まあ一種のお約束に口を挟むのも野暮か。

 

 「さあて帰るか帰るか」

 

 残った水を一気飲みすると会計を済ませて洋食店を後にする。財布には響いたが、まだ許容範囲内だ。あのままナポリタンを食わなかった方がストレスが溜まったままで良くないだろう。

 

 「んっほーーー!!!ほっ!ほっ!─」

 「ふわぁ…眠い…」

 

 家に帰った頃には日が暮れていて、もうすぐ時計の針が10時を指しそうな時間だった。宿題はレストランと洋食店で何とか終わらせた。今日はこのまま風呂に入って寝るのが良いかもだ。帰ったらゲームをしたかったが、それをやる気力はない。無理してやるものでもなし。今日は素直にこの眠気に身を任せるとしよう。

 

 「おやすみ…」

 

 夜は五月蝿くなるので耳栓を忘れずに。布団の柔らかさを堪能しながら、達郎は夢の中へと旅立つのだった。

 




痴女警官
自分の体(意味深)で事件を解決する人。誘惑術が効かなかった為、無事におもしれー男判定を貰う。やったね、ヒロイン候補だよ達郎君!

女探偵
これからエロい目に合うのか。それとももう合っているのか。それは達郎には分からぬ事。また会う時があれば分かるかもね。

番外編でファンタジー世界とかに行ったIFとか良いかも。結構多いからね。ヒロインが主人公でエロい目に合うゲーム。その場合だと、それを観察するタツローくんのお話とかになるかな?

では。
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