Urban Archive   作:うちげば

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任務 - アビドス 【1】


耳つき―シロコとか言ったっけな―に依頼人を背負ってもらって、俺がそいつの自転車とチビ助を運ぶ。

なかなか滑稽な様だが、そのおかげか目的地には思ったよりも早く着いた。

 

「ん、大丈夫そう?」

 

「俺はまあ大丈夫だ。」

 

「この人つよいから、まだだいじょうぶだと思う。」

 

「それよりそっちはどうだ?そろそろ立てるんじゃないのか?」

 

背負われたまま面目なさそうな顔をしている依頼人に声をかける。

…あコイツ クビ振りやがったぞ、嘘だろ?

 

「ダメみたいだな。」

 

「どれだけ歩いてきたの?」

 

「電車なんざ使わず徒歩でずーっとあそこまでだから…どれくらいだろうな。」

 

「普通じゃあり得ないね。」

 

「それはその伸びてる女に言ってやってくれ。」

 

AIと一緒に準備したのにこれだもんなぁ。

それにしても、こう、遠目で見ると死人をおぶってるようにも見えなく無いよな…ん?死人?

 

「……そういや思ったんだけど、このまま教室に入ったらまずいんじゃないか?」

 

「なんで?」

 

「いやほら…背負ってるやつの状態が状態だから死んでるんじゃって思われるかもしれないし…。」

 

「いや、そんなはず――」

 

扉が開いた。勘違いのゴングが鳴らされてしまった。

 

「あっシロコ先輩、そちらの方は…ひっ。

 

な?こうなるよな?知ってたよ俺は。あと俺の方も見るんじゃない。

 

「傷だらけの人ぉ?!あ、そっちはし…死んでる?!わあああああ!大変ですー!し、シロコ、えぁっ、わ、シロコさんが遂に…!!」

 

「死んで無いから、落ち着いて大丈夫死んで無いから!!」

 

「はぁ……」

 

「ん。」

 

◆=◆=◆=◆=◆

 

「おし、落ち着いたな?」

 

「はい…。」

 

「会議には間に合いそうか?」

 

「そうですね、まだ準備が終わっていないので全然大丈夫です。」

 

「そりゃよかったよ」

 

危なかった

あのまま話が進んでたら依頼人をどうにかされるところだった。

 

「えっと…どうしましょうか?」

 

「とりあえずで自己紹介でもどうだ?時間つぶしにはなるだろ。」

 

「そうでした!まだ名前を言っていなかったですよね、ごめんなさい!」

 

「では…、自己紹介が遅れました。私は奥空アヤネ、1年です」

 

「ああ、あんたがあの手紙の…。」

 

「じゃ次私ね。私は■■■ミオウ、ミオウさんでも、みおう先生とでも好きに呼んでくれていいから。よろしくね」

 

「俺は…あー……」

 

まずいな、本名はもう覚えてないってのに…。

いつも通り偽名を使うか…いやでもこれまでに使ってきたのを使いまわすのは危ないよな?

 

「まぁ、適当に呼んでくれ。」

 

「え?」

 

「いやだから――」

 

「ちょっと!なんでここに大人が居るのよ?!」

 

丁度いいタイミングで誤魔化せそうな瞬間が来た。今のうちに考えとくか。

 

「まぁまぁセリカちゃん、いいじゃないですか~」

 

「うへぇ、そうだよ~…。」

 

「よくないわよ、しかも二人!」

 

「そう害獣みたいな扱いされると悲しくなるな。」

 

「ほらほらセリカちゃん、言われてますからちゃんと謝りましょう?」

 

「ん。多分この人怒らせると怖い。」

 

「ああもう分かったわよ謝ればいいんでしょ?!」

 

「いやいい、冗談だからな。そんなことで傷つくくらいなら今頃この仕事をやってないし。」

 

むすっとしたな…からかい方を間違えたか?

 

「こーらラルクス、生徒さんをそうからかわないの。」

 

驚いた、さらっと助け船が出たな。

都市じゃ今頃ビンタされてたろうになぁ……

 

「へいへい…分かりやしたっと。」

 

「わたしは…わた、し、は……」

 

「(ルナとかどうかな?)」

 

「…!、わたしはルナ。よろしく。」

 

「はーいルナちゃんよろしくお願いしますね~?私は十六夜ノノミ、2年生です!」

 

「黒見セリカ!一年。ふんだ!」

 

「砂狼シロコ、二年。」

 

「小鳥遊ホシノ、3年。よろしく~」

 

…なんだあいつ。似て、はないか。

 

「それでそのぉ…お二人は支援に駆けつけてくれたんです、よね?」

 

「そうだな。」

 

「せいかーい、じゃ今から物資を――」

 

「いや、後にした方がよさそうだ。襲撃が来たらしい。」

 

全員が窓から外を伺う。するとそこには手に持った銃をぶん回しながら怒声を響かせるヘルメット共がいた。

 

◆=◆=◆=◆=◆

 

「嘘でしょ?!襲撃?!」

 

「ぶ、武装集団が学校に接近中!…あれは…、カタカタヘルメット団です!」

 

「すかした名前してんなぁ……」

 

「まずいですね…弾薬はもう、ほとんど無いのに。」

 

「と、とにかく、応戦しないと…。」

 

「仕方ないなぁ…やれるだけやるしかないねー。」

 

なかなか焦ってんな、そんなに手練れなのかアイツら?

 

「じゃアヤネちゃん。オペレートをよろしく」

 

「は…はい!先生、サポートをお願いできますか!?」

 

「いいよ~、久しぶりの指揮だから頑張るね!」

 

「ミオウ、俺も出る」

 

「ええ?!」

 

「通信機はあるから頼んだぞ」

 

「うへぇ?!あなたも出るんだ?!」

 

「ほざいてる暇はない、指揮(命令)を聞き逃さないように気を付けとけ。」

 

カバンのロックが外れ、認識阻害機能が解除される。

そうして現れた虚空から、いつも()の武器を取り出した。

 

「休暇で来たはずなんだけど、なんでこうなるんだろうな…。」

 

 

目前にヘルメットが迫る。

気乗りしない自分を奮い立たせながら、一つ一つの動きに警戒し、そして…時が来るのをただ待った。


”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)

  • ▼赤い缶 (アビドス)
  • ▼青い缶(パヴァーヌ)
  • ▼紫色の缶(アリウス)
  • ▼”…。”(別の選択肢が発生)
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