Urban Archive 作:うちげば
ヘルメット共々俺たちは校舎へと戻って来た。
空気は最悪…完全にお通夜ムード
セリカは自分が口を滑らせた事に対する罪悪感と俺たちへの不信感で顔を曇らせている。
そんな雰囲気のまま、全員が教室内に入る…凄いこっちを睨まれてるな。
「それじゃぁ…話せる限りで良いから、教えてくれるかな?」
「……………………。」
一方ヘルメットはおそらくそれに気が付いたのだろう、代わりに自分たちが話してやった方が良いんじゃないかと後ろで全員ささやいている。
「…まぁ、なんだ。取って食われるわけじゃないんだから話してもいいんじゃないのか?」
「うへ、あんたがそれを言うんだ~へー……」
「ま、でも…確かにそうした方が良いかもね~。別に犯罪でどうこうって訳じゃ無いんだし。」
「ん、この人はさっきのヘルメットたちとのお話で怖い人ってわかったけど…先生なら大丈夫だと思う。」
「おい滅茶苦茶言うな?こっちは精神は鋼でもメンタルはガラスだぞ?」
「そうですねーお二人とも私たちを助けてくれましたし、話しても良いと思います~」
「ッでもこの二人は今日来たばっかの部外者でしょ!しかも片っぽは信頼できない大人だしもう片っぽはその上サイコパスなのよ!?」
「違うって、俺の昔からのビジネス技術なんだってアレは…。」
「うーん…ラルクスが信頼できないのはしょうがないね…でも私はちゃんと皆の味方…だから安心してね?」
散々だよもう、こんな事なら先にこいつらを気絶させておくべきだった。
それはそれとして、依頼人は確かにこいつらの事を想ってるし…最悪現状の俺の評判を利用して俺にだけヘイトが集まるようにすれば信頼されるか?
「うっさい!この学校の問題はずっと私たちだけでどうにかしてきたのに…、今更大人が首を突っ込んでくるだなんてっ……」
「――あぁ!もういい、私は絶対認めないから!!」
「セリカちゃん、待って!!」
「私、様子を見てきます!」
「おう、行ってこい…こっちはどうにか持たせとくよ。」
「ラルクス、ちょっと――ムグッ!」
「あんなもん止めるだけ無駄だ、それにな」
「向こうからしてみれば何処の馬の骨か分からん憎たらしい大人共が今更首突っ込みますー、ってのはなぁ…」
「…あんまりにも虫のいい話が過ぎるんだ。俺たちの信頼度は所詮まだその程度だって事だよ。」
そうだろ?サミー。
『マヌケのお前ならわかるよな、ヌケた奴がポカやらかしたらどうなるか。信頼のない奴がヘマした日にはどうなるかって。』
『分かってる。だからこそあんたを止めたかった…けど僕は無理だったんだな……。』
「あははー…まあセリカちゃんは後で戻ってくるとして」
「私達、というよりこの学校ね。借金があるんだよ。」
「見慣れたパターンだな。」
「らるくす、じょうしきもりんりもでりかしーもぜろ?」
「……。」
「それ自体は別に、特にラルクスにとってはありふれた話だろうけどさ、問題はその金額……」
「た・し・か~…ざっと9億円ぐらいあるんだよねぇ。」
「9、億円……」
「相場がどんなもんか知らんが復興と対策、その辺りがデカいだろうな。」
「せいかーい、その通り被災からの復興と対策のおかげで結構膨れ上がっちゃったんだよね~。」
「色々手段を試してみたんだけど…やっぱり駄目でねぇ…。」
「真面な銀行は…こんなへんぴな場所の学校に、巨額の融資なんてしてくれない。」
「そうそう、それで結局は悪徳な金融業者に頼るしかなくなっちゃったんだよね~。」
こいつらもか。
『おねがい、たのむよ…ねえちゃんに、最期くらいはオシャレさせてやりてぇんだ!』
『ではこちらニ!サイン願いまス!!』
「最初はまだ息ができる状態だったの、けど――」
「お金はもちろん、人手も徐々に少なくなっていって…」
「借金を返済しきれるめどは立たず、少しでも崩れれば廃校になっちゃう…」
「気が付けば、そんな状況になってた。」
「そうか。」
無常だな、どこもかしこも。
◆
あぁ、その通りだ。だから俺は面倒ごとが嫌いだった。あきらめもしていた。
「…ごめんね、そんなこと聞いちゃって。」
「大丈夫だよ。これは私たちの問題だし…先生にまで迷惑はかけられない。」
「ヘルメット団の事を解決して、さらにその上生徒まで増やしてくれたんだ。感謝してるよ。」
「うん、あなたたちは十分手伝ってくれた、けどこれ以上迷惑はかけたくない。」
「だそうだが、どうする?」
まただ。
けど今は首輪を付けられた身だ…あいつの答えに従うか。
「そりゃぁ勿論…まだ手伝うよ!」
「えっ?」
「お金の方はーちょぉっとどうにもならなさそうだけど…けど、けどさ?」
「まだ諦めてないんでしょ?だったら私たちもまだまだ頑張んないと!!」
「俺もか?」
「あったりまえでしょうが!猟奇的な事言ってる暇あるんならやる気だしなって!!」
「だからあれは合理的かつ論理的な尋問方法で知り合いの情報系フィクサー直伝でなぁ――」
「はいはい、決定けって~い!!」
「ぉぉ…。こいつ………」
「うへぇ~先生変わり者だねぇ…こんな事に夢中になってていいの?」
「あのぉ~依頼人殿ぉ?向こうじゃまだ事務処理が残っていらしたような?」
「ゔ…そんな事より私はみんなが守りたいものを護るのを手伝うんですー事務処理とかどころじゃないです~!!」
「そっか、よろしくね先生。」
その場にいた皆が喜んだ。
懐かしい景色を、そのどこかに俺は見た。
「…ちぇっ、やな奴ら。」
◆=◆=◆=◆=◆
「…さて、と」
全部丸く収まった、そう思っていた時にホシノがそう口を開いた。
「この後の事はおいおい、でラルクス。」
「うん?なんだ?」
「ラルクス。
「そらどういうこって?」
目前にショットガンの銃口が現れる。
「ホシノちゃん!?」
「ホシノ、やめとくべき。」
「…いやね、こいつどうも
「――どうなんだよ、おい。」
「何がだ?」
「アンタ、ただの便利屋じゃないだろ。」
「そうだな、情報には強いぞ?特色とか1級には負けるだろうけど。」
「そういう事を言ってるんじゃないんだよ。」
「なんでアンタ揺らいでるんだ…なんでそうも本性を隠してるんだ!」
「落ち着けって…、俺はいっつもこうだけどなぁ。」
「嘘をつくな!」
「おぉっと、それ以上刺激するとお前の秘密もバレるぞ?」
「ッッ、ふざけんなよ!!」
「あんた亡くした口だろ?おれもそうだ、しかも人数けた違いだしなんなら自分でやった。」
「なんで…それを!?」
「言ったろ、情報には強いぞ?って。」
「あんたの眼は俺と似てた。だから何か手放したくない人を手放したんじゃないかって思っただけだ。」
「ほら降りなお嬢さん、せっかくのムードが台無しだ…仲良く行こうや。」
「…………………………。」
「わかったよ。」
あーあ。なんでこうなるのやらなぁ。
バレテーラ。
”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)
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▼赤い缶 (アビドス)
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▼青い缶(パヴァーヌ)
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▼紫色の缶(アリウス)
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▼”…。”(別の選択肢が発生)