Urban Archive 作:うちげば
「――――で、セリカちゃんの端末の最後の場所がここ。」
アビドス、その教室での救出作戦の計画会議は足早に進む。
各々真剣な表情で、あのチビ助までもがいつものポヤポヤな様とは違う真面目状態?で会議に参加している。
「この区域はいったいどのような場所なんです?」
「これは...見た感じですけど、砂漠化が進んでいる市街地区域の端っこ…ですかね?」
「地面の色合い的に砂地だし確実にそうだ、だが問題はヘルメット共がいない今誰が実行したのかが分からないな」
「…言い方悪いけど、あいつを攫ったところで身代金で一攫千金だなんて事は狙えもしないし。」
そういって俺の端末のデジタルマップに描かれたへたっぴな枠線と同じ形に指を動かす。
「うーん…誰だろうね、本当に。」
「依頼人もお手上げかよ……」
「いやいや、流石に諦めないよ?だって大事な生徒が酷い目に合ってるかもしれないしさ…。」
「それもそうだな。このエリアについて知ってるやつはいるか?」
「はい。確か以前、危険分析の際にカタカタヘルメット団の主力が集まっていたのが確認できた場所です…」
「へぇ、なら残党か?」
そう言って奴らが隠れそうな遮蔽を指示し、依頼人に作戦を立てるように促す。
「あ、あのさ……」
「あら?どうされました~?」
「あなたは…元カタカタヘルメット団のリーダーだっけ?」
「そうだ。でさ、その場所なんだけどよぉ、ヘンな奴がいたんだよな、前。」
「へんなやつ?どんな感じだったか教えてほしいんだけど、いいかな?」
「うん…、なんか不思議だったよ。ホースみたいな、ウナギみたいな頭が三つあるおっさんだった。」
「…なん、だと?」
まさか…紫の涙が話してたねじれじゃないだろうな?
「スーツに身を包んでて、しかも皮膚も顔とおんなじ色のヌメヌメした魚みてぇなんだったし。」
「あとそいつと同じような頭の気持ち悪い人型をたくさん引き連れてその辺歩いてたんだ……あれは怖かったなァー…。」
「見つかったりは?」
「してない。さすがにヤバいと思って物陰に隠れてた。」
「そうか……」
しくじったな。あんとき電話を切らずに話を聞いときゃ良かった。
「なにか心当たりがあるって顔だな、アンタ。」
「ああ、けど情報が少ないせいで確信が持てない…紫の涙がここに居れば話は別だけどな。」
「あの人は頼んない方が良いと思うけどなぁおじさんはー……」
「いいや、あの畜生なら確実に何か知ってるはずだ。電話口で言ってたからないろいろと。」
「お呼びかい?」
噂をすればしれっと入って来た。どこで聞き耳を立ててたんだアンタは。
「入ってきちゃいましたね~、追い出しますかぁ?」
「……なんでお前が居るのさ。」
「うん?なんでって、呼ばれたから来たんだけど……」
「それでなんだっけ?あぁそうそう、ねじれの情報だったね。」
「知ってるんだろ?お前が送り込んできたんだからな。」
…なんだよ、その呆けた顔は。
「まさかとはおもいますが、貴女が知らぬ存ぜぬを貫ける立場にあると御思いですか?」
「いんやぁ?ただあれを送り込んだのも…なんならあんたが電話したであろう私も…私自身じゃないよ。」
「どういうことだ?」
「私があんたと再会したのはあのラーメン屋の外…いや中だっけ?」
「まいっか、何はともあれ昨日だよぉ?」
「はぁ?」
抜かしやがるな、騙そうってのか?
「…いや待てよ、そういやアンタあの店で久しぶりだって言ってたな」
「そうだったっけ?それよりもあいつがどうこっちに来たかって話なんだけど、少しきな臭い部分があるんだ。」
「あんた…当然だとは思うけどW社は知ってるよね?」
「当たり前だ、W社はワープ技術と現状復旧…っておい、まさか――」
「ご名答、あいつを送り込んだのは別の人間。しかもそいつは多分W社の特異点でこっちに送り込んできた」
「しかもその違和感をかき消すためかJ社の特異点も使ったみたいでね、私があんたを送った場所の近くに痕跡が残ってたさ。」
「さらにセブン協会だとかの連中の見解によると使われた道具は『座標指定式のテレポーター』。」
「『座標指定式のテレポーター』…、それが意味することは現地で活動できる人物が絡んでるって事か?」
「そうだね…、つまりこの世界のどっかに、向こうとの
「………。」
だとすれば誰だ、とは聞けなかった。何せ用意周到過ぎるとはいえ都市や裏路地じゃ誰がやっててもあり得ない事ではない。
むしろ日常の一部まである。
「さてと…みんな大人しく聞いてくれてたことだし、御褒美を上げないとね?」
「―ホシノが持ってきた場所はあってるけど、ラルクスの敵の予想は間違ってる。ヘルメットの子らじゃない。」
「じゃぁ相手は誰なのさ?」
「さっきの話の続きと行こうか…、セリカを誘拐したやつはねじれで決まりだよ。そんじゃね。」
「ちょっと待て――――――」
そう言って肩をつかみ逃がさんとするも、するりと抜けられ――
「もし困ったんなら呼んでちょうだいな。おチビちゃんたち。」
少なくも多くもない言葉を残した後、紫の光となって掻き消えた。
「行っちゃいましたね。」
「ああもう、なんだよ……」
◆=◆=◆=◆=◆
「こちらラルクス。あのババアのいう事がマジだって確認できた。」
〔ババア呼びは置いておくとして…本当、っていうのはどういう事ですか?〕
「目標地点にトラックが接近中、粘液のようなものを纏った存在が運転しています。」
「チビ助の言うとおりだ。全員で行くぞ。」
「うん…ここは……?」
薄暗いどこか。私はその中で起きた。
「お目覚めですカ?申し訳ありませんネ、何分このような手段しか知らないもんでしテ。」
「ひっ…化け物……!?」
声の方に顔を向けると…そこにはヌタウナギの様な頭の化け物が3体、車内の揺れをものともせず佇んでいる。
「化け物ではないですヨ~!!れっきとしたビジネスマンですからネ…ご安心戴いて構いませン。」
「…あァ、申し遅れました私『追悼の代償』、レミントンと申しまス、以後お見知りおきヲ。」
「ラルクス、でしたっケ?彼ともお知り合いですんデ~ほほほほほほほホ!!」
「ラルクスさんを知ってるの?」
「えエ、彼にはまだ払っていない
化け物は可笑しそうに首を伸び縮みさせた。
異様だ。それになにか裏のありそうな雰囲気がする。
「
「そうですとモ、そうですとモ、彼のお姉様の葬儀費用、あれの分の利息がまだ支払われていなイ。」
「そうなのね。でも、だったら本人に言えばいいんじゃない?」
「ダメでス、だって彼は契約に違反しましたんデ。」
「契約…?何よ、まさかろくでもない内容じゃないでしょうね?」
「ろくでもない内容じゃないですヨ!葬儀代を全額負担する代わりに……」
「彼女の肉体ヲ、完全なる私の実現の為の実験に使うというありふれた内容ですんデ!!」
「なんですって……?」
「ああやって書いたのニ…渡さないだなんて薄情ですよねェ!?」
「うン?」
「…おヤ、気分でもすぐれないですカ?ではこちらのお水をどう――――」
「痛いですネ!ぶたなくてもいいじゃないですカ!」
「来ないでよ!触んないで!!」
「そうはいきませン!これも取り立てのための準備ですんデ!!」
「やめてってば!!」
「あア、どうしてこうも――――――――」
逃げなきゃ、でもどうやって……
そう思いながら抵抗していると、急に扉が開いた。
「手ぇ放した方が良いんじゃないか?」
「ぁっ…ラルクス!」
「利息の方から突っ込んでくるとハ!」
「誰が利息だ、つかお前だろ…姉さんの遺体を盗んだ奴はよ。」
話しながら化け物に銃を突きつけるラルクス、その後ろからみんなもやって来た。
――あれ?みんな違う方向に行っちゃった…まさか気づいてないの!?
「ああっ…。」
「セリカ。心配すんな」
「悪いがな、俺は人攫いは許せない主義なんだ…やれって言われたらやれない事は無いけどな。」
「…?」
どういう意味だろうかと化け物が首をかしげた次の瞬間、車が爆発した。
「セリカちゃん発見!生存確認しました!」
「こちらも確認した…泣いているセリカ、あと化け物を見つけた。」
「なにぃー!?うちの可愛いセリカちゃんが泣いてるだと!だれだ泣かせた奴は!」
「おっしさっさと来いピンク頭!こっちに居るから面拝んでやれ!!」
〔よかった、セリカちゃん…。私、セリカちゃんに何かあったんじゃないかって心配してて…それで……〕
「ちょっと!みんなして―――――」
そこまで言いかけたとろで、銃を向けられ仰向けになっていた化け物が急に起き上がった
「仕方がないですネ、さよなラ!」
「ちっ、逃げんなぁ!!」
「みんな大丈夫!?てちょっ、ラルクスどこ行くのー!?」
「ありゃりゃ、走ってっちゃた…まぁあっちは任せてよさそうだし、残党狩りだけやっとこっか。」
「心配ではあるけど、敵陣だからそうだね…アヤネちゃん、サポートをお願い!」
〔了解しました!!〕
◆=◆=◆=◆=◆
あのあと私たちは三つ首の奴を除いた化け物全員と戦った。
幸い相手が脆かったのもあって簡単に勝てたけど、でも………
「ラルクスさん、帰ってこないですね…。」
一向にラルクスは帰ってこなかった。
「…どこ行っちゃったのよ、ラルクス……」
まず一人目の因縁の相手がほんの少しだけエントリー。
いずれまた何処かで再登場するでしょう。
ラルクスは次の話でしれっと帰ってきます
なのでモーマンタイ。実際そう。
ルナの真面目モードは次も出てくるはず。たぶん、きっと、めいびー。
”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)
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▼赤い缶 (アビドス)
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▼青い缶(パヴァーヌ)
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▼紫色の缶(アリウス)
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▼”…。”(別の選択肢が発生)