Urban Archive 作:うちげば
「…やっぱり来てたか。」
便利屋68、その面子を挟み込むようにして見覚えのある二人がいる。
ラーメン屋で見た人たちだ。
「とりあえずお名前だけ聞いてもいいかなー?」
「私達は便利屋68…。」
「金さえもらえれば、なんでもする…なんでも屋よ!」
「何でも屋かーラルクスステイ。落ち着いて。」
今にもあっちのみんなを殴り倒しに行きそうなラルクスを抑える
「ちょっとあの人やばくなーい?ボロボロなのに居るし、しかも親の仇を見るような目で睨んで来てるんだけど…。」
「そりゃそうっすよぉ、俺らは本来あの人が依頼で騙されて殺したんで。」
「ええ…こちらに馴染んで少しは丸くなっているかと思っていたんですが…、そうでないどころか未だにあのような様とは。」
「嘘でしょ…というか今のこの並び方だととんでもない誤解が生まれるんじゃない?」
「あわわ…、アル様どうしましょう!?」
「大丈夫よきっと…えぇ。(大丈夫じゃないわよ!もうカンカンじゃないのよあの男の人?!)」
「あんたら。」
「なっ、何よ?」
「死に晒せよ。」
「……………………あのこれはちがくて」
「久しぶりに…本気でやってやる……。」
「ちょっとラルクスステイ。」
落ち着かせないと。
「もう二度と、景色一つ、太陽の登る姿すら拝めると思うなよ。」
「ラルクス、ラル 力が強ぉい!」
やっぱ体幹っすわ。じゃなくて
「ルミス、スィーネ。あんたらもじきに楽にしてやる…あの日のようにな。」
「ごめん、おさえられない!!」
…まずいよこれぇ!
「最後の景色は床だ。お前たちの墓場はここだ。」
「ホシノ、盾で押さえて!」
「うへぇ、気が短すぎないかなぁ~?」
「ゲヘナに帰らぬまま、お前らは此処で果て…朽ちてゆくんだ………」
「うわぁ!盾が飛んでったぁ!」
「殺してやるぞ…陸八魔…アル……。いや…便利屋…68!!」
「な…」
「なんでなのよォ~ッッ!!」
「…来ますね。」
「うす、号令かけますっすわ…」
「何かいい方法が!?」
「そりゃ勿論、……全員陳謝ァ!!」
「大っ変、申し訳御座いませんでしたぁ~!!!!」
「へ?」
◆=◆=◆=◆=◆
「――いやちゃうんっすよぉ、本当ならあのまま戦闘してたんですはい。」
あのあと皆で怒りっぽい
「マジギレしてる状態を相手にした日にゃ槍派の連中の二の舞なっちまうんでね、もうこうした方がいいかなって思った次第でして。」
「槍派って?」
「有名なベイヤード事務所から勘当された連中が集まった事務所破りっすね。槍持って入り口から突進してくる馬鹿集団だったっけか?」
なにその変な人たち。というか有名どころから勘当されたってなにやらかしたんだろ?
「これでもう報酬はなくなっちゃったね~?」
「アル様…ごめんなさいごめんなさい私のせいでごめんなさいごめんなさいごめんなさい死にます!!」
「落ち着いて、ハルカのせいじゃないから。」
「そ、そうよ!?でも…今月の分がぁ~…!」
「放電マクアフティルで殴られて尚任務を遂行することは経済的ではないですし…まだマシな結果になったと思っておいた方が良いかと。」
「あぁ…放電マクアフティルって電気と殴打で槍派の意識を飛ばしまくってたあれか?」
「「なにその物騒な武器?!」」
ムツキちゃんとセリカが凄いビックリしてる。
というか名前が物騒すぎない?
「マクアフティルってあれだよね?マカナとかマクアウィトルとかって呼ばれてるっていう」
「ええそうです。彼の持つマクアフティルは刃の部分が四角い板状の放電端子となっていますので…」
「…攻撃の際にスイッチを作動させると、常人であれば麻痺のような状態になって身動きが取れなくなるんです。」
「槍派の奴らは前進しか頭にないからやべえ事になってたよなぁ……」
「それより…ラルクス。貴方は何時までそう猛犬のような顔をしてるんです?」
「獲物を前に我慢ならねぇ猛獣かよアンタは。」
「…なんで今の名前で言うんだ?」
「過去を忘れたい性分は変わっていないかと思いまして。」
「…アンタらが生きてた時点でその配慮は無意味になってんだよ。」
「ルミスちゃん、スィーネさん…」
「…まぁ、いずれこの都市に染まるでしょうから。」
「だな。茶でも流し込んでやればいいだろ。」
「雑だねぇ?」
いやでも…この三人は知ってるからこそ互いをぞんざいに扱えるのか。
「さて、と…あなたたち、帰るわよ!」
どうやらもう帰るみたい。もう少しお話しておきたかったかなぁ…。
「ええ。そろそろ潮時ですね。」
「報酬さえありゃ何でも受けるから、なんかあったら名刺の電話番にかけな。」
ルミスちゃんが名刺を投げてきた。
壁に刺さるのは予想外だったけど、どうにか受け取ろうとはした。
「ひえぇ。」
「おぉっと、刺さっちまったか。」
「それじゃぁね~!」
翌日
今日は返済日らしく、みんなが朝早くから登校している。
侘しさを感じさせる顔であちこち行き来するみんな。
遠くを見て複雑な表情を浮かべているラルクス。
今日一日があまり心地よいスタートを切れないと、何かが告げた。
「おはようございます。」
「よぉす。」
「…来てたんだー、今日は何もないの?」
ルミスちゃんとスィーネさんがなぜか来ている。なにかあったんだろうか?
「ええ、何も。それより来たみたいですよ?」
「…あれがか。今から張り倒せば支払いを拒否れるんじゃねぇか?」
「いや駄目だよそんな……」
T字頭のロボットが現金を輸送車両に詰めていく。
それを見ながら二人が不快そうな表情をしたのを見た。
「はぁ…今月もなんとか乗り切ったね~…。」
「完済まであとどれくらいだっけ?」
「309年返済ですから今までの分を入れると…――」
話の内容を三人と一緒に居るラルクスが聴いてあげている。
何か思う事があるんだろうか、険しい顔だ。
◆=◆=◆=◆=◆
「さて、俺の言った通りになにか分かったみたいだな?」
「はい。セリカちゃんを救出した後に発見した戦略兵器の数々、そしてカタカタヘルメット団の装備…その全てが現在は取引されていない型番でした。」
「しかも、全部今は既に生産されていないものだったんです。」
「あんなもの、どうやって手に入れたのかしら?」
「生産が中止された型番の兵器を手に入れる方法は――――」
「『ブラックマーケット』…闇市くらいだと思うぞ?」
「ええ、その通りです。」
「んでまぁ、俺らが面白い情報を手に入れまして。カイザーPMCの連中のと型が似てるらしいんだよ。」
「やっぱりだな。あいつらに襲わせて自分らは悠々自適にやることをやるっていうのは基本だし。」
「さっすが親父…、ラルクスのいう通りカイザーグループはこの大砂漠で何かやってる。おかしな大金つぎ込んでな。」
「さらにもう一つ…あいつらの資金源がカイザーローンから来てるらしいんだよなぁ~」
「って事は…!」
「そう、アビドスの金がそのままあいつらの活動資金になってんだと。」
「で、カイザーにはバックが二人付いてるらしくてな…一人はわからんが片っぽは分かってる。」
「ねじれ。『追悼の代償』、レミントン。」
「追悼の代償、レミントン…って、スィーネさん?」
「レミントン…確か、ラルクスの姉の遺体、それも脳以外の全てをを実験に使った義体の男ですね。」
「…くそ野郎が。俺に吹っ掛けた意味不明な利息もろともぶっ潰してやる。」
「こら重傷だな。」
「ま、何はともあれアイツともう一人のバックも確実にどっかで動く…そうなる前に先手を打たなきゃならんって訳で。」
「俺ら68別働チームの協力のもと、ブラックマーケットでの情報収集を行おうと考えてるんだが、いいよな?」
「ブラックマーケット…、とっても危ない場所じゃないですか?」
「ラルクスがいれば旅行気分だぞ?アイツ仲良くなった捨て犬連中と23区の裏路地でお散歩チキンレースとかいう賭け事してたくらいだし。」
「じゃ、そういう事だから。遅れんなよ?」
「ブラックマーケットかー…。」
なんだか、一波乱も二波乱もありそうだね。
”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)
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▼赤い缶 (アビドス)
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▼青い缶(パヴァーヌ)
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▼紫色の缶(アリウス)
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▼”…。”(別の選択肢が発生)