Urban Archive 作:うちげば
「あ…ありがとうございました…。皆さんがいなかったら、学園に迷惑をかけてしまう所でした。」
「いえいえ、私たちはなすべき事をなしただけですので」
「そうだよー気にしないでねー…」
あの後、みんなのおかげで気を取り戻した子…ヒフミちゃんがしっかりとお礼を言ってきた。
…のは良いとして。
「あでででで!スィーネっおい、なんでこんな…おっ!?」
「……。」
「スィーネさん、もうちょいやったってください。」
「もげるもげるもげるもげる、痛い痛い痛い!」
なにをやってるんだろうか、御三方は。
「はは。…ところでどうしてこんな場所に?」
「実は…、探し物をしていて…もう非売品になってしまっていて買うことが出来ないのですが、ここでは密かに取引されているらしくて…。」
「あー…良かったら一緒に行ってやって俺らも探すぞ?」
「本当ですか?」
「そりゃ勿論、な?」
「ありがとうございます!え、えっと……ペ、ペロロ様の限定グッズなんですが……」
ペロロ…様?
「…ペロロ様って、何?」
「え?」
「ごめん、わかんないの…。知ってたなら良かったんだけどね…。」
「俺は知ってるからそう気落ちしなくていいぞ。あれかわいいよなぁ~」
「けど問題は…あるかどうかなんだよな。レア物はすぐ売れちまいやすいし。」
「ルミス、朗報です、そのグッズとやらはまだ売り切れていません。」
「まじかよやったじゃん!でどこにあるんで?」
さすがスィーネさん、もう情報を――――
「さぁ?私の勘ですので。」
「うん……なんだかな。」
「ぇっあっ、勘なんだ…そっか。」
思わずこけそうになったけど、どうにか体勢を立て直す。
「あ、あはは。ところで…アビドスのみなさんは、どうしてこんな場所へいらっしゃったんですか?」
「私達も探し物があるんだー、でも手に入るかはまだ分からないけどね。」
「普通じゃ入手できないものだけど、ここにあるってことを突き止めたから来たの。」
「そうなんですか……そうだ!」
「良ければ、皆さお役に立てるかは分かりませんけど…私も探すのを手伝いましょうか?」
「そうだね、これも何かの縁だろうし…お願いしようかな。」
こんな事に巻き込むのはまずいけど…一緒に探すくらいなら大丈夫なはずだよね?
「それじゃま、しゅっぱつ――」
〔皆さん大変です!四方から武装した人たちが向かってきています!!〕
「はぁー…。」
「またかよォ!」
またですかそうですか。どうしてこうも物騒なんだろう?
「ふざけんなよ。全員戦闘態勢に入れ。」
「ヒフミちゃんもお願いね!」
「えっあ、はい!」
◆=◆=◆=◆=◆
〔次の角を右に曲がったところに大量の不良生徒とロケットランチャーを持ったオートマタがいます!!〕
「…。」
「あちゃー…、こりゃちょっと無理に攻められないねぇ…。」
「本当にロケラン持ってるやつがいるか!かえって!」
「アンブロシア、か。」
「スイーツの話してる場合!?」
「…そらよ。」
「えっ」
「ガッ...ガガビー...ガゴギッッ」
「…はん、異物が入っちゃいけねぇ部分に入ったみてぇだな。ざまぁみろってんだ。」
「ああ。あとはアイツらだ。いくぞ。」
「ぁ…、あぁ……やってられっかーッッ!!」
「逃げたな。」
「深追いはするな、残ってるやつは全員黙らしとけ。」
「みんな~!作戦通りにねー!」
「ペロロさま、お願いします!」
◆=◆=◆=◆=◆
〔敵、後退していきます!〕
はー…これで終わりだよね?
「はぁ…はぁ……。慣れたけど、でも、まだ物騒な気がするなぁ…。」
「依頼人。あんたもか…。」
いやあーたはこの状況じゃなくてこの世界に慣れてないんじゃないのォ!??
これだけ巻き込まれて息切れしないってどういう体力してるんだか…。
〔――けどこのままでは…、っ!?〕
〔不明な反応が接近しています!!〕
「また増援?いくらでも相手にはなるけど―」
「―ま待ってください!これ以上戦うと…ここを管理してる治安機関にみつかっちゃいます!!」
「…スィーネ、治安機関の戦力は」
「喧嘩を売らないのが最適です。」
「撤収だな…依頼人、号令掛けとけ。」
「はーい戦闘終了、逃げるよ!!」
「皆さん、こちらへ!」
――どうも皆さん、ご存じでしょう?
先生でございます。
あの後無事逃げ果せまして、今たい焼きを食べてるんですけどね、スィーネさんのだけ唐辛子で真っ赤ッカなんですよ。
味覚おかしいんじゃないかなこの人??
「…わぁ。」
「なんです?」
「なんもないっす。はい。」
凄いな本当…。
「美味しいですねー♪」
「ん…このカスタード入り、気に入った」
あれがたい焼きのあるべき姿だと思うんですよ私って。
「…外れとかないよな?」
「ええ。既に真っ当な店である事はサーチ済みですので。」
いや外れとかあったらまずいと思うんだけど。
まだ変わり種程度ならいいけど商売にならんでしょうよ。
…ん?
「…が…で…現金だけ………は…しいよな……ってのも可能性の一つか……………」
ラルクスがなんか言ってますね
聞き耳建てておきますか。
「デジタルだと履歴が確定で残る…そうか、それでか…。」
「なら…履歴書は連中出し渋るだろうな。」
良いこと聞けた、しっかり覚えとこ。
”デジタルだと証拠が残る”、ねー。
「んお。スィーネ…これ、凄くいい――依頼人、アンタら、隠れろ!!」
〔み、みなさん!武装した集団がそちらに接近しています!一旦身を隠してくださいっ!!〕
「だぁ!またくるんかよ!」
恐ろしく早い危機察知で警告を出し、さらに悪態を付いてるのにしっかり護衛の構えを取るルミスちゃん。
それに呼応して動いた他の二人と警戒を解かないルミスちゃんによって、全員が優しく押し込まれるような形で物陰に隠される。
「…あっ…、あれはマーケットガードです!」
「…マーケットガード?警備って事?」
「そうです。先程話した治安機関の中の最上位組織でもあります…。」
「―あれは…、現金輸送車?」
「ラルクス。」
「ビンゴだ、番号も傷も運転手まで全く同じ…タイヤの状態もアビドスからと考えるとあってる。カイザーローンだな。」
「あいつら銀行に入ったぞ」
「あれはこの区域内で最も大きな銀行の一つで、キヴォトスで行われた犯罪の内15%の盗品があそこに流れているんです。ここの人たちからは『闇銀行』と呼ばれています。恐らく――」
「アビドスからふんだくった金もそうってこった。」
ラルクスがそう言ってため息を吐く。
〔あっあの、あれって――!〕
「ノノミちゃん、どれー?あっ……。」
「あいつって、毎月うちに来て利息を受け取っているあの銀行員!?」
「ホントだぁ…。」
「カイザーローン…かの有名なカイザーコーポレーションが運営する高利金融業者ですね。」
「ん…どういうやつらなの?」
「…カイザーグループは犯罪こそ起こしていませんが、ただ合法と違法の間のグレーゾーンで上手く振舞っている多角化企業という噂が絶えません。」
ヘンなのとろくでなししか居ないんですか?ここは。
「『ティーパーティー』も目を光らせてる一級の御尋ね者だっけな…。」
「よくご存じですね…。」
「俺らの本来の生業が情報屋寄りだからな、あちこちの情報が耳に入ってくんだよ。」
「成程。ところで皆さんもしかして…カイザーローンから融資を…?」
〔借りたのは私たちじゃないですけど…はい。〕
「そうなんだよねー。ところでアヤネちゃん、あの現金輸送車の走行ルートって調べられる?」
〔少々お待ちください……〕
〔―ダメです…すべてのデータをオフラインで管理しているようで全く情報がヒットしません。〕
「確定だな。」
「そういえば、いつも返済は現金だけでしたよね。」
「てことは……!」
「私たちはブラックマーケットに犯罪資金を提供してたって訳!?…なによこれ!」
「落ち着け…ブツを手に入れたらどうとでもなる。」
「けど…どうやって書類を………」
「おいシロコ、出番だ。」
「うん」
「他に方法はないよね。ホシノ先輩。」
「あれかー…いやあれなのかぁ~………」
「えぇ?えっ!?」
…ごめんね、ヒフミちゃん。
お姉さんハナっから人選を間違えてたみたい。
〔…確かに、あの方法なら!〕
「決まりですねー♪」
「まさかあれ?!」
「…残された方法はただ一つだけ――」
「銀行を襲う」
「えええええええええぇぇ!?」
”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)
-
▼赤い缶 (アビドス)
-
▼青い缶(パヴァーヌ)
-
▼紫色の缶(アリウス)
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▼”…。”(別の選択肢が発生)