Urban Archive   作:うちげば

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任務 - アビドス 【15】


 

アビドスの校舎内の廊下を歩きながら考え事をする。

 

シャーレの仕事を出張先で出来るようにする手法。

アビドスの今後の事。

カイザーに対する対処等。

 

頭の中で浮かんでいる数多の思考を回しては考え、考えては回し……

 

「ぐぇっ、ドアか…。」

 

「おはよー、先生…なにやってんの?」

 

「先生、おはようございます。今日は早いですね?」

 

気が付けば、教室の前にいた。

それより扉硬いんだけど

 

「おはよ、で何それ?」

 

「ノノミちゃんに膝枕してもらってるんだぁー」

 

「先生もいかがです?はい、どうぞ〜」

 

「遠慮しときまーす…。」

 

いや流石にねぇ…ラルクス辺りにどやされるだろうし……

 

「えー、ノノミちゃん…ここは私の場所なんだから。先生はあっちの座り心地悪そうな椅子に座ってねー」

 

「ち、違いますよぅ。」

 

「えっへへぇ…それよりもさ、出てきたらどうなんだ?

 

「…入れるわけないだろ、こんな雰囲気の中に。」

 

「…恥ずかしがってるんだぁ?へ~…うへへっ。」

 

「ラルクスおはよう!」

 

…、何かあったのかな?

 

「ねぇ。」

 

「…気にすんな。」

 

「うへ~。先生とラルクスも来たし、他のみんなもそろそろじゃない?そんじゃ、私ゃこの辺でドロン」

 

「あら先輩。どちらへ?」

 

「今日おじさんはオフなんでてきとーにサボってるから。何かあったら連絡ちょーだい、ノノミちゃん」

 

「先輩またそれ……まぁ私もすぐ出ないとダメだし、ノノミ先輩また後でね!」

 

「俺も少し出てくるよ。」

 

ホシノちゃんは軽やかに起きたかと思えば、セリカとラルクスの二人と一緒にそそくさと外に出て行った。

三人ともいつも通りな筈、けれど――

ホシノちゃんだけは、どこか悲哀を感じるかたちで手を振っていた。

 

「ホシノ先輩……またお昼寝しに行くみたいですね。」

 

「いいの?」

 

「うーん、…まあいいんじゃないでしょうか。それに会議はアヤネちゃんがしっかり進めてくれますから。」

 

「御労しやアヤネちゃん……」

 

「あはは…。」

 

 

 

「ホシノ先輩は、以前に比べてだいぶ変わりましたね。」

 

「変わった?」

 

「はい。」

 

「今はいつも寝ぼけているような感じですが……初めて出会った頃のホシノ先輩は、常に何かに追われているようでした」

 

「何に追われていたかというと――、ありとあらゆることに…と言いましょうか。」

「聞いた話ですが、以前とある先輩がいたそうで……アビドス最後の生徒会長だったらしいんですがとても頼りない人で、その人がここを去ってからはすべてをホシノ先輩が引き受けることになった、と…。」

「ホシノ先輩は当時1年生だったとか……詳しくは、私も知らないのですが」

 

2年前…そんなにも前から。

そしてその日から、ずっと。

一人っきりで、あの子はアビドスを守ってきたんだ。

 

変わったまま。

変わるしかないまま。

ずっと。

 

「でも今は、先生もいますし他の学園の生徒たちとも交流できますし…、以前だったら他の学園と関わること自体嫌がってたはずが……かなり丸くなりました。きっと先生のおかげですね…。」

 

「”違うとおもうよ。”」

 

「…え?」

 

「みんなも…いいや、みんなが変えたんだよ。」

 

「あの子をみんなが支えて、その暖かさであの子はもう一度立てた。」

 

「そして今度はあの子が前に立って動こうとしている、みんなのために。」

 

「みんなが、ですか…?」

 

「そう。だから…ホシノちゃんがね、また折れそうな時は――」

 

「みんなで…しっかり支えてあげて。」

 

「まあ、勿論私たちも手伝うけど!…でも、最後にはみんなの力が必要になってくると思うから。」

 

「……!!」

 

「なにはともあれ、よろしくね?」

 

「――勿論です!」

 

◆=◆=◆=◆=◆

 

「…紅茶は嫌いか?」

 

「いや。」

 

アビドス、その砂漠の一角

誰かが訪れた痕跡の一切の無い広大な場所。

そこに埋まる様にして存在する廃墟の研究施設で、俺は右回りを続ける宇宙ゴマに無数の眼が付いた頭の男と対面していた。

 

「何から話すか…破片が何なのか?俺とお前の因縁…?」

 

「知らん、好きに話せ。」

 

出来れば戻りたいが…ルナが()()の隣に居るせいで不可能だ。

 

「…まずは自己紹介からやったほうが無難か。『選ばれていた明日』ドゥノ。」

 

異名持ち…周りの装飾を作ったのもこの施設を持ち込んだのもコイツであると仮定すれば…最低でも都市の星クラスのねじれか。

レミントンと言いなんで危険な奴ら(異名持ち)ばっかり来てるんだ?

 

「ここでルナの夢をかなえるべく研究をしている。」

 

「次に破片についてだが…平行世界は知っているな?」

 

「知るわけないだろう。」

 

「そうか…まぁそれ自体はどうでもいい事だ、説明は省こう。」

 

「で、まぁ…肝心な破片の正体だがあれは終焉を迎えた平行世界の欠片だ。」

 

「は?」

 

「ちょうどここに俺が”蛇の眼”と呼んでいる破片がある。見て見るといい。」

 

受け取った破片を覗くと、そこには紫の涙が誰かと話をしている景色が映っている。

…待て、この腕の野郎と金の差し色の入った黒の外套ってまさか

 

「爪、と…調律者?!てことはあの機械は凝視者か!?」

 

「驚いてくれたようでなにより。」

 

「な、なぁ、この…この平行世界はどうなったんだ!?」

 

「知っている限りでは…色彩とやらに敗北した後、その混乱に乗じて俺たちを消そうと頭が介入した。」

 

色彩ってなんだ?

いやそれより、嘘だろ…下手すりゃ俺も頭の連中とやりあわないといけないってか!?

 

「…なに、所詮平行世界なんだ。一つ一つに至るまで同じになるとは限らない」

 

「そっそうか、だな!」

 

あぁ…同じとは限らないんだな。

 

「もういいか?なら最後に一つ聞かせてくれ。」

 

「ある依頼を覚えているか?」

 

「…どっちだ?」

 

「紫の涙の方だ。」

 

「当たり前だ。忘れた日にはどうなるか……」

 

「…。」

 

「ノートとペンダントはあるか?」

 

「あ?」

 

「その二つがあればこの施設を最大限利用できる。」

 

「…待ってろ。」

 

カバンを開け、言われた通りノートとペンダントを取り出す。

 

「ほらよ。」

 

「確かに預かった。ルナ、帰る時間だ。」

 

「うん。」

 

「あとレミントンだが、あのアホは俺たちの方でどうにかするから放っておいてくれて構わん。」

 

「そうか。世話になったな。」

 

「ああ、準備ができ次第また会おう。」

 

 

 

 

「それと言い忘れてたがゲマトリアには十分気を付けろ、あいつらはいけ好かない。俺が言うのも変だがな。ここじゃ黒服とかいうのが動いてるらしいぞ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ゲマトリアか…また碌な組織じゃないんだろうな。




黒服、ろくでなし認定される。

”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)

  • ▼赤い缶 (アビドス)
  • ▼青い缶(パヴァーヌ)
  • ▼紫色の缶(アリウス)
  • ▼”…。”(別の選択肢が発生)
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