Urban Archive   作:うちげば

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青空。あらぬ噂。
裏路地から学生街


「あぁ~…、クソッ。」

底をついたK社の再生アンプルに思いを馳せながら空を仰ぐ。

 

「くそったれ…どこに行きやがった!探せ!」

 

来た来た…裏路地名物、いつもの怒号だ。

 

「ヴェンさんと息子をぶっ殺しやがったあのバカを探せ!血祭りにあげろ!」

 

「やっかましぃなぁ…少しくらいいいじぇねぇか。」

 

第一おれはあのバカたれに全部を潰されたようなモンだぞ?なのにやり返すなってか?バカバカしい。

 

「ん?おい!居たぞ!!ロジックアトリエの弾があったろ、た~ぁんまり持ってこい!!」

 

「へっ、ここであんたはお陀仏だな!」

 

全員頭に血が上りすぎて俺を見つけたってだけなのに気分が高揚しきっている。まぁいつもの事か。

武器を取る。ヴェンとかいう善人気質(おいぼれ)が持ってたスティグマ工房製の馬鹿でかい戦斧。

 

「おう、手柔らかにやってくれや。どうせ金もカツカツだしここで終わるのも悪くないだろうからな。」

 

お前…その武器……あの方が持っていないと思ったらよくもぉ!!

 

一歩、前へ踏み出し目前の敵(ただの的)を薙ぐ。

 

「がぁッ………」

 

「あれ?案外いけたな。なーんてな、そこで悶絶してろ。」

 

全員が燃えたのを確認して逃げ道を進む。

感謝してくれよ?これでも俺と同じような出自の奴らだけはちゃんと軽症で済ませたんだからな。

 

よし…ここまでくれば―― うおっとぉ。」

 

誰かにぶつかった。いやまあ服の色で大体わかっちまったが。

 

「おや?入り用かい?」

 

「あんたは確か…紫の涙だったか。」

 

「驚いたね…まさか裏路地のフィクサーが知ってるだなんて……」

 

「――いやまぁ知ってて当たり前か、特色なんだし。」

 

不思議なやつだホント…。

 

「あんたは何だい?」

 

「俺は■■■■■■、今は家族達(馬鹿共)と追っかけっこ中だ。」

 

まあこれくらいの自己紹介で良いだろ、世話になる事は無いだろうし。

 

「ぐっ…見つけ…た…ぞォ…!」

 

おぉっとこれは予想外。意外としぶといんだな。あいつら。

 

「どうやらあんたのご家族が来ちまったみたいだね…、あそうだ―私がいい隠れ場所に連れてってやろうかい?

 

「…条件はなんだ?」

 

世話にならないだろとか思ってたら予想外の助け舟が来たな。

けどまぁ、特色と関わると”特に”碌なことが無い世の中だ、警戒はしておいて損は無いだろう。

 

「条件は、そうさね…無しで良いよ。どうせあんた一文無しだろうしね。」

 

「ありがたいが…正気か?だまして悪いがとか、無いよな?」

 

「そりゃ勿論、あぁでも……」

 

ほぅら、やっぱりだ。がめついドパープル蛇んコババアめ。

さてさてどんな貧乏くじを引く羽目になるのやらっと。

 

「―絶対に誰も殺さないって約束、できるかい?」

 

「…は?」

 

―は?

 

「じゃ、私は帰るから。あんたはしばらくぶりの休暇を楽しんできな。」

 

「おいちょっと待―――」

 

待てよ。そう言葉が出る前に、意識が落ちた。

 


 

全身アクロバティックな状態になっている気がするが、気にせず起き上がる。

 

あちこちが痛い。あのババアもしかしなくても俺が何発か追い打ち食らった後で転移させやがったな?

 

「ご…ぁ……か、ヒュ…。」

 

ああ…吐きそうだ…。もろに貰ったっぽいな。

 

「どこ…ここ?」

 

知らねぇよ、というか誰だチビ助。

 

ん?チビ助?

 

「こわいよ…おうち、どこ?…どうすれば、いいの?」

 

『こわい…どこ?…どうしよう……』

 

――面倒だな。あの時と同じだ。

義理の娘の時(俺のしでかし)の時と同じ。

 

こっ…ち…グボォ!

 

あぁ、ちくしょう。これじゃ怖がらせる。

 

「ひっ…だ、だれ?!」

 

ほらな?だからちびは得意じゃない。

 

「いぃ…、気にすんな…こっち、来て、くれ…な…い、か?」

 

よぅし、ちゃんと来たな…いや待てこの状態で近くに置かせるのはまずいか?

…こういう時にアイツはどう言ったろうかな……

 

嫌なものを引き出しそうになりながらも、あいつが言っていたことを思い出す。

 

『幼い子は大けがを負った人を見たとき、複雑な感情を覚えます。恐怖、心配、焦り――』

 

…うん、あいつが居たら今頃傷だらけの手でぶたれてるな。

まあいい。それよりご向顏といこう。

 

「ひゅっ…。」

 

本日二度目のどん引きだ、そりゃそうだよな。こんな物騒な姿の奴が呼んでたなんて知ったら。

 

「悪い…少ししたら…立つから、な……。」

 

ご機嫌取りは適当にこれでいいだろ…。

 

「だめ!立っちゃだめ!おねがい!そのまま!」

 

「…うす。」

 

あんまりにもあんまりだろ…まるで大けがしてるみたいな……

 

「だれかいませんかぁ?!だれかぁ!」

 

そうそう、その意気だチビ助、どうせ俺を拾うもの好きはいないだろうけど…お前は連れてってもらえるさ。

 

「お困りですか?!…ひっ。

 

「ひっ、じゃねえだろパステル頭…。」

 

「生きて…ますよね大丈夫ですよね?!」

 

御覧の通りピンピンだが? あっやべっ背中…誰かスティグマバットでピニャータしてやがったな?

 

「まあ…さっきまで伸びてたけど今はどうにかな。」

 

「ぎゃぁ!きゅ、救護騎士団さぁん!やばいですこっち!!」

 

「まぁまぁ、大通りに出て話そうじゃないの。な?な?」

 

「歩いたら駄目です起きないでください安静第一!」

 

「あそうだ おいチビ助、連れてってもらえ」

 

「しゃべるの、だめ!」

 

「ぎぃやあぁぁぁぁ!血がぁ!大変ですー!!」

 

うるさいなホント。

てかさっき救護騎士団とか言ったよな?こんなちんけなとこに医療関係者が来るわけ

 

 

「「「救護が必要な場に救護を!」」」

 

 

 

 

 

「はっ、は、はは。」

 

ははっ、いかれてんだろ。

”ふと、シャーレ近くの道の片隅に自販機が置かれているのに気が付いた。 どうやら四つの商品を扱っているらしい。一つ買ってみよう。”(E.G.O.I.S.T選択)

  • ▼赤い缶 (アビドス)
  • ▼青い缶(パヴァーヌ)
  • ▼紫色の缶(アリウス)
  • ▼”…。”(別の選択肢が発生)
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