仮面ライダーギンガ、世界に駆ける   作:クォーターシェル

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第2話 ダブルライダーと仮面ライダーギンガ

その後、俺は立花レーシングクラブに住み込みでバイトすることとなった。

 

現在俺には行くところが無く、俺自身降りかかる火の粉を払うため、ショッカー打倒への協力を申したからだ。最初は一文字達は渋っていたが、俺が強力な怪人を1人で倒したのもあり最終的には了承された。

 

立花レーシングクラブでのバイトは、レース用のマシンの整備等、中々にハードなものだった。だが俺もバイクや車の整備士の知識があった事もあり、そこまで苦ではなかった。

 

また一文字も立花のおやっさんも俺に丁寧に仕事を教えてくれたので、彼らの期待に応える為に必死で働いた。

 

一文字は俺にこう言った

 

「お前さん凄い勉強熱心だな」

 

俺はこう答えた。

 

「記憶は無いけど、知識は色々頭にあるからね」

 

「そうか……」

 

一文字は納得してくれたようだ。そしてまだ着心地ないところはあるが立花のおやっさん、滝も俺に優しく接してくれた。ちなみに俺は立花レーシングクラブに来てからは普段は人間の姿で行動している。当初滝に、

 

「お前そんな風体で働くつもりか?」

 

と言われた。確かに仮面ライダーギンガの姿では不審だし目立ちすぎる。それで試してみた所、俺は20歳くらいの青年の姿になれることが判明した。

 

これは俺の正体が人間だったというより、仮面ライダーギンガという存在が人間に擬態していると言った方が正しいようだ。こうして俺は天川 昴(あまのがわ すばる)という偽名で(と言っても記憶喪失の俺にとってはそれが今の本名みたいなもんだが)、マシンを整備したり常連のお姉さん達や五郎君の相手をしている。

 

まあそんなこんなで充実した日々を送っている俺だが、未だに記憶は戻っていない。これは立花のおやっさんが言うには、俺の記憶喪失はかなり特殊なものだと思われる。しかし同時に俺は思うのだ。

 

(まあ俺的には好都合だな)

 

と。何故なら下手に記憶を取り戻すと面倒くさい展開が待ち受けていそうだからだ。実際俺が記憶を失っていた方が周りの人達も接しやすくて助かるようだし、俺自身も都合がいいのは変わらない。後は俺が記憶喪失という嘘をつき続けられるかが勝負だ。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

俺がこの立花レーシングクラブに転がり込んでから2週間程だろうか、ヨーロッパで活動している仮面ライダー1号・本郷猛から連絡が入った。スイスの方でショッカーの計画に関する書類を見つけ、仲間達と共に一時的に帰国するらしい。俺は一文字に

 

「それで九州で合流するらしいですが、俺も行くんですよね?」

 

と言う。一文字は

 

「ああ、勿論だ。お前は仲間だからな」

 

と言ってくれた。俺は内心喜びながら、こう言った。

 

「頼りにしていますよ、一文字さん」

 

すると一文字は笑いながら俺に言うのだった。

 

「何言ってんだよお前さんこそな!頼りにしてるぞ宇宙人さん」

 

2人で笑いあう俺達だった。

 

こうして立花レーシングクラブの面々はショッカーの計画を阻止するため、フェリーに乗り込んだ。一文字と滝は念のため乗り込むがフェリー内に隠れている。九州行きのフェリーに乗り込んだはいいが、早速問題が発生した。

 

ヨーロッパからやって来た大幹部、死神博士が既に船内に乗り込んでおり書類を持って来たお姉さんたち、エミとミカを見張っているのだ。これでは迂闊に書類を受け取ることができない。俺もどうしたものかと思いながら船内をぶらついていると、突如雪男のような風貌の怪人と遭遇した。

 

「!お前、ショッカーの怪人だな!」

 

と言う俺に相手は

 

「その通り、俺はスイスのアルプスからやって来たスノーマンよ!」

 

と答える。俺はスノーマンの出方を窺がいながら、ファイティングポーズをとる。スノーマンも身構えながらこちらに近づいてくる。そして戦いが始まった。しかし、ここは船内。俺も相手も全力を出し切れない場所だ。俺は相手をいなしながら、隙を窺う。やがて戦いながらなんとか船のデッキまでやってきた俺達はそこで決着をつけることに決める。

 

「ここなら全力で戦えそうだな」

 

とスノーマンが言った。俺も

 

「そうだな」

 

と返す。そしてしばらく睨み合いが続いた後、戦いが始まった。まずスノーマンが攻撃してくるのを俺が躱しながら反撃に出る。俺の拳が奴に決まるかと思ったその時、俺達の間に突如戦闘員が割って入った。そして声が聞こえてくる。

 

「スノーマン、その男との遊びは其処までだ。お前には本来の計画があることを忘れるな」

 

この声は大幹部、死神博士の声だろう。俺は

 

「計画?」

 

と疑問を呈す。スノーマンは

 

「それを教える程親切ではない」

 

と言い、その言葉と共に戦闘員が俺の傍に煙玉を投げた。煙幕が張られ、視界が塞がれる。そして煙幕が晴れた時にはスノーマンの姿はなくなっていた。

 

「くそ、逃がしたか」

 

と俺は悔しそうに言う。そして、同時刻に書類を奪おうとしていた戦闘員達を一文字が倒していた。そんなこんなでフェリーは九州に到着したのだった。

 

その後俺達はバスに乗ってホテルに到着したが、迂闊にも別行動をとったエミとミカがショッカーに攫われてしまった。

 

俺と一文字と滝は急いでショッカーの後を追う。まとまって行動するとショッカーに動きを探知されやすくなるので、俺は別ルートでエミとミカが連れていかれた現場に向かっている最中、バイクに乗った男が俺に追いついてきた。そしてその男は

 

「君が天川昴君、そして仮面ライダーギンガだね?」

 

と話しかけて来た。この人はまさか……!男がヘルメットを外す。

 

「俺は本郷猛。ヨーロッパから帰国して来た隼人達の仲間だ」

 

やはりこの人は本郷猛だ!しかも俺の正体も分かっているようだった。彼が言う。

 

「君が記憶を失っているというのは、一文字隼人から聞いている。ショッカーの企みを阻止する為、改めて俺達に協力してくれるかい?」

 

俺は迷いなくこう答えた。

 

「勿論です」

 

と。俺が記憶を失って色々混乱している時期に優しくしてくれた一文字や立花のおやっさん達への恩返しも込めての言葉であり同時に俺の素直な気持ちだった。本郷は嬉しそうに頷くが、そのまま真剣な顔になって言った。

 

「君とも話をしておきたいが今は時間が惜しい。早くエミとミカの元へ向かおう」

 

俺達は頷きあった後、エミとミカが連れていかれたと思われる場所へバイクを走らせる。そして、その付近に来たところで俺達は腰のベルト、タイフーンにギンガドライバーを起動させ

 

「ライダー……、変身!」

 

「変身!」

 

それぞれ戦闘形態である仮面ライダー1号、仮面ライダーギンガに変身した。現場である岩山では既に2号とスノーマン達の戦いが行われている最中だった。俺は1号と共に2号の元へ急いだ。そして2号と合流した俺達は戦闘員達を蹴散らし、スノーマンと対峙した。

 

「おのれ仮面ライダー共、スノーマンが相手だ!」

 

とスノーマンは地下からマグマを噴出させて攻撃してきた。俺達はマグマを避ける。

 

「とう!」

 

1号と2号はスノーマンに格闘戦を仕掛けた。さしものスノーマンも2人のライダー相手には分が悪い。何とか距離を取って再びマグマ攻撃を行おうとするが、そこを俺はエナジープラネットを喰らわせて妨害する。そして、

 

「「ライダーキック!!」」

 

1号と2号はライダーダブルキックをスノーマンにお見舞いした。

 

「ぐわーっ!!」

 

さしものスノーマンもこの攻撃には耐えられず、岩山を転がり落ちて爆散した。俺達はスノーマンを倒すことに成功した。

 

しかし死神博士はまだ九州での作戦を諦めていないらしい。エミとミカは助け出されたが、この九州でまだ油断はできないということだ。だが今はとりあえずスノーマンを倒したことを喜ぼう。俺は1号と2号に礼を言うと、取り敢えず立花のおやっさん達が泊っているホテルに戻ることにした。

 

近くまで来ると、一緒に九州に来ていた五郎君が道路を走っていた。

 

「五郎君、どうしたんだ?」

 

と、俺は彼に話しかける。

 

「あっ、昴の兄ちゃん。大変なんだ!ショッカーの奴らに立花さんも滝兄ちゃんも連れてかれちまった!」

 

と五郎君。

 

「ショッカーめ、俺達がいないところを狙うとは姑息な奴らめ!」

 

と俺は拳を握りしめる。五郎君は

 

「早く隼人兄ちゃんにもこのことを知らせなくちゃ!」

 

と言い、それに俺は

 

「ああ、五郎君はホテルに戻っててくれ。俺の方が早く一文字達に知らせられる」

 

と言って、本郷と一文字の所へとんぼ返りするのであった。本郷達に滝や立花のおやっさん達が攫われたことを話す。

 

「くそっ!ショッカーのやりそうなことだ!」

 

と本郷。滝や立花のおやっさんの身を案じている。俺は

 

「一文字さん、すぐに助けに行きましょう!」

 

と急かす。

 

「ああ、勿論だ」

 

と一文字は頷く。俺達は桜島の展望台で合流することにして、それぞれ捜索に行くのであった。

 

 

 

◇  ◇  ◇

 

 

 

ショッカーの足取りを掴めなかった俺は、桜島の展望台で一文字と合流した。

 

「本郷はどうした?」

 

と言う一文字に俺は

 

「まだ来てないみたいですね。何かあったのだろうか?」

 

と言う。その時一文字が持っていた通信機に連絡が入る。滝か本郷かと思っていたら、

 

「一文字隼人、天川昴よ……仲間達を助けたくば、島の火口付近に来るがいい……」

 

連絡して来たのは死神博士だった。これはおそらく罠だろう。しかし、攫われた人達を放っておくことはできない。俺達は罠と知りながらも、火口付近に向かうことにした。そして俺達が到着すると、そこに仮面ライダー1号がバイクに乗ってやって来た。

 

「おお本郷、心配したぞ!」

 

と安堵する一文字に俺は

 

「いや、何か様子が変だ」

 

と言う。嫌な予感がするのだ。すると、1号がそのまま俺達を轢き殺そうとしてきたのだ。俺達は慌てて躱す。

 

「!どうしたんだ本郷!?」

 

と一文字。俺は

 

「おそらく本郷さんはショッカーに洗脳されたんだ」

 

と言う。すると、死神博士の声が聞こえて来た。

 

「その通りだ天川昴。そのまま仮面ライダー同士、潰しあうがいい……!」

 

俺達は1号と戦うことになってしまった。俺達は変身ポーズをとる。

 

「「変身!」」

 

一文字は仮面ライダー2号、俺は仮面ライダーギンガに変身する。俺は1号に

 

「本郷さん、俺です!」

 

と呼びかける。しかし、1号は俺の言葉には反応しない。それどころか攻撃してくる。2号もスノーマン戦での疲れが残っていて思うように動けないようだ。俺は必死に1号を説得する。

 

「本郷さん!目を覚まして下さい!」

 

しかし、俺の呼び掛けに彼は反応せず攻撃の手を緩めない。どうすれば……と思った時、2号が

 

「ギンガ、俺に合わせてくれ」

 

と小声で言う。俺はよく分からなかったがきっと2号に何か考えがあると思った。1号がライダーキックを仕掛けてくる。それを受けた俺達はその場に倒れ込む。いや、正確には倒れたフリをした。

 

すると、ショッカーの怪人ゴースター、アルマジロング、モグラング、戦闘員達が姿を現した。

 

「これで残るはお前1人だ!かかれ!」

 

と言うゴースター。その言葉と共に1号に襲い掛かる怪人達。それに抵抗する1号。背後から戦闘員が1号を攻撃しようとした時、俺と2号は起き上がり戦闘員を倒した。そして俺達は戦闘員を一掃して1号を助ける。

 

「貴様ら!騙したな!」

 

と憤慨するゴースター。

 

「とんだ見込み違いだったな!」

 

と2号。1号も

 

「俺達は何千キロ離れていてもテレパシーで通じ合っているんだ!」

 

と言い。2号が

 

「その働きで本郷の意識が戻ったんだ!」

 

と説明する。2人にそんな能力もあったのか。俺も初耳だった。でもまあ確かに戦友同士ならテレパシーで会話できても不思議はないか。と納得する。俺も2号に

 

「だったらもっと分かり易く呼びかけて下さいよ」

 

と言う。それに2号は笑いながら

 

「悪い悪い、今度からは気をつけるぜ」

 

と言うのだった。それから俺達は反撃に出た怪人達との戦いは乱戦になったが、次第にダブルライダーVSゴースター、俺VSアルマジロング&モグラングという様相になってきた。2人がかりで攻撃してくるアルマジロングとモグラング相手に俺は手に重力場を形成して捌いていった。

 

この2体も弱い怪人では無いが、この仮面ライダーギンガだって『仮面ライダージオウ』にてジオウ達を圧倒したスペックを持つ。遅れを取る気はしなかった。2体の隙を見て反撃のパンチやキックを喰らわせる俺。そして2体が弱って来た所にギンガドライバーを押し込んで必殺技を発動する。

 

『ダイナマイトサンシャイン!』

 

俺の手から衝撃波が繰り出され2体の怪人に直撃する。

 

「「ぐわあああああああっ!」」

 

たまらずアルマジロングとモグラングは爆散した。俺がダブルライダーの方を見やると、2人はゴースターにライダーダブルキックをお見舞いし、ゴースターを撃破していた。俺は

 

「やりましたね!」

 

と2人に駆け寄って言う。1号は

 

「攫われた人達は地下トンネルにいる。助けに行くぞ!」

 

と言った。その後俺達は地下トンネルに突入し、捕らえられた立花のおやっさん達を助けた。そしてその後、俺達はヨーロッパに戻る本郷を見送っていた。

 

「本郷さん、おやっさん達を助けてくれて本当にありがとうございます。また会いましょう」

 

と俺は言う。それに本郷は頷き、船上で手を振るのだった。こうして九州での戦いは終わり、俺達の九州旅行も終わりを告げるのであった……。

 




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