チキンではなく寿司を食え!!!!!!!!!!!!!!
「(一か八か!0.2秒の領域展開!)」
人が人を恐れる呪いから産まれた真人は少し前に五条悟が敢行した神業を再現した。
普通に領域展開すればいいと思うかもしれないが、知らない人に説明すると真人の術式は相手の魂に触れる事によって初めて効果が発揮されるものであり、今敵となっている虎杖悠仁の中にいる両面宿儺にも強制的に触れなければいけなくなるのだ。
前回では両面宿儺に触れただけで瀕死に追い込まれたのでギリギリの時間でなんとかしようというのだ。
そして、この領域展開によって確実に仕留めなければいけないのが東堂葵。
虎杖悠仁と東堂葵がコンビを組んだ際、花御ですら相当な苦戦を強いられ、今もなお真人も2人のコンビネーションに苦しめられている。
ならばこの0.2秒の間に終わらせるだけである。
「セーフって事でいいんだよな?」
真人の言葉に宿儺はニヤリと笑うのみ。
虎杖の魂に触れた一瞬ではあるが宿儺の精神世界へ入り込んだ真人は問う。
この反応を見るにギリギリセーフであり今回は何もしないで落ち着きそうではあった。
自身の試みが上手く行った真人もニヤリと笑う。
しかし、その隣にいる外国人は真顔だった。
「……………………」
「……………………」
「………………………………えっ?」
「そろそろ寿司を食べないと死ぬぜ!」
隣でいきなり叫んだ外国人は走り出した。
1人の小僧の中とは言え、その中に呪の王が巣くっている中で堂々の侵入。
同じ呪いである真人ならともかく、宿主以外の人間が入ってこられる余地すらないはずの空間に、だ。
あっけにとられた真人だが、もう一つ異変に気付いた。
「寿司…………?」
血で染められているはずの空間に寿司が点在していた。
しかもその寿司は大きさが人の胴ほどある上に宙に浮いているではないか。
そして外国人が通りざまに一瞬で食べきる。
「寿司!美味すぎておかしくなりそうだ!」
おかしいのはお前の頭だ、と言いかけた真人だったが言葉を飲んだ。
何故なら真横に無表情の宿儺が居るからである。
「寿司ーーーーー!美味すぎるだろうが!」
「人の心に勝手に入り、あまつさえ
ひゅん、と放たれた一つの斬撃。
ただの人間に防ぐ手段はない。触れてしまえば皮膚は切れ、肉も骨も断たれる。
その筈だった。
「ぐあっ!寿司!美味すぎるだろ!ありえない!!!」
外国人は吹き飛んだものの体幹が異常に発達しているのかジャンプしたような体勢で飛ばされ、そして飛ばされた先にあった寿司を食べたのだ。
そのまま体は二つに泣き別れになるはずなのに、外国人は寿司を食べた直後に即座に新たな寿司へと向かって走り出す。
とはいえだ、流石に外国人も宿儺の斬撃を受けたら真っ二つになってしまう。
では何故すぐに死ななかったのかと言うと、『宿儺の斬撃があまりにも優秀過ぎた』という点であった。
重面春太という呪詛師を覚えているだろうか?
その真っ二つにした際の断面はあまりにも丁寧なものであり、何もできずとも完全に絶命するまでに数秒はあった。
そして外国人、寿司を愛する者も斬撃を受けたことに『いのちゲージ』が大きく削られ風前の灯火となっていた。
だが『いのちゲージ』が尽きる寸前で寿司を補給することにより命を繋いだのだ。
寿司を愛する者は今まで何度も寿司を食べる邪魔されることがあった。
こういう際に攻撃を受けると吹き飛ばされるのだが、歴戦の寿司を愛する者は攻撃すら利用する!
「寿司!!!最高に美味いぜ!」
宿儺と真人を無視して外国人は寿司を食べ続ける。
その間にも宿儺からの斬撃は飛んできているのだが、攻撃を受けつつも寿司を食べ続ける。
ダメージをいくら受けようとも寿司がある方へ弾かれて回復する。
反転術式顔負けの回復力は宿儺も意外そうな顔を見せる。
何らかの縛りがある状況だからこそ寿司を出して寿司を食べることにより生命維持を可能としている。
でなければ説明がつかない。魂を直接攻撃されてなお、その場で立ち、元気よく走り続けている様が。
「寿司!美味すぎる!ふざけやがって!!!」
宿儺、真人、アウトオブ眼中。放置してもうるさいくらいでいずれ勝手に出て行くだろう。
「で、貴様はいつまで居る」
「あ」
その代わりに外国人を追い出す労力を向けられた。
そういえば0.2秒のうち一瞬だけを宿儺に費やすつもりが精神世界の中とは言え長居しすぎた。
それは当初の『宿儺の魂に触れない』というラインを超えてしまっていたのだ。
「やっべ!?」
「失せろ」
その言葉と共に放たれた無数の斬撃は真人の身体を裂き、精神世界から追い出した。
「
それと同時に外国人が既定量の寿司を食べきったことで食事が終わった事の宣言が成された。
さらに外国人の身体が一瞬光り、宿儺の目は外国人の身体に何か宿ったことを見逃さなかった。
「やったぜ!」
その声と共に外国人は消えていった。
一体何だったのか、と言われたらただ寿司を食べに来たとしか言いようがない。
その馬鹿が作ったようにデカい寿司は、まだこの領域の中に残っていた。
「ふむ…………」
宿儺は残された寿司に寄り、ネタを切り取り、シャリを取った。
そして簡素にシャリにネタを乗せて口に運ぶ。
「悪くない」
先ほどの外国人も、『本物の寿司』を知らなければこれの魅力に取りつかれるのだろうと宿儺は思った。
外国人の呪力は残っていないはずなのに何故寿司が残っているのかって?
それは寿司を愛する者がいる限り、寿司は現れるのだ。
なお、東堂葵を潰すことに失敗した真人はこの後すぐにボコられ、何の成果も得られず逃げることしかできなくなったのは言うまでもない。
寿司を愛する者がなんで滅茶苦茶やれてるのかっていうと寿司を愛しているからなんですよね。
だから何でもしてもいいという思し召しを受けたんですよ。
何故なら寿司を愛する者は奇跡を起こすのだから。
寿司を愛し、渋谷を救いたい人から評価と感想を頂くと続くかも…………しれません。