Fleet Gear~狂った歯車~   作:刹那・F・セイエイ

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響「私達第六駆逐隊は、PIXIV海域にいるから、そっちも探してみてくれ」


#05 警備泊地トラック

「なんでこんな日に出撃しなきゃいけないデス……今日は、みんなでtea timeの予定デシタのに……」

「まぁまぁ、そうふてくされてないで……パパッと終わらせて帰りましょうよ」

「そうですよ、お姉さま。どうせたいした敵じゃないんですから、楽に片付きますよ」

「榛名、油断大敵です。こういう時こそ、気を引き締めてかからないと」

 

楽しみにしていた時間を潰されて不満タラタラな金剛を比叡がなだめ、榛名がやや慢心して霧島がそれを諫める。今日は天気も良く、姉妹全員が揃った日だったので、たまには姉妹水入らずの時間を過ごそうとウキウキ気分でティータイムの準備を始めていたところに、提督からの突然の出撃命令。せっかくの楽しい時間を邪魔されたのだ、これは金剛でなくとも愚痴りたくなる。

とはいえ、愚痴をこぼしていても仕方がない。ぱぱっと敵艦隊を駆逐して、ティータイムとしますか。この後の予定を決めた金剛は、妹達との約束を果たすべく、目の前の敵艦隊に向けて砲を構える。この敵艦隊さえ叩いてしまえば、それでいいじゃないか。そう自分に言い聞かせ、砲雷撃戦の火蓋を切る。まずは挨拶代わりに一撃、前面に展開していた酒匂を一撃で屠り、続いて奥に控えている三隈に狙いを定める。戦闘開始からほんの数秒足らずで酒匂が屠られ、動揺しているのであろう。だが、同情してやる気なんてさらさらない。海賊などやっているお前たちが悪いんだ、文句があるなら自分たちに言え。

そう考えつつ三隈に徹甲弾を叩きこむも、敵の回避運動が早かったせいか、小破程度にとどまってしまう。ちっ、叩き損ねた。そして、そのミスが艦隊をバラバラにする原因となってしまう。まず、フラストレーションで索敵能力が鈍っていた自分が不意の一撃により被弾、妹達が動揺して陣形が乱れ始める。敵艦隊はその隙を逃さず、一番動揺の大きかったであろう比叡に向けて十字砲火を放つ。榴弾と徹甲弾の雨を一身に浴び続けた比叡は大爆発を起こし、海中に没する。それに対して霧島が、敵艦隊の中に突っ込んで遮二無二暴れまわって三隈、加古、阿武隈を断末魔の叫びとともに海底に沈めるも、残っていたBismarckとSaratogaの猛攻を食らい、こちらも比叡同様に屠られる。

マズい、このまま自分までやられてしまっては、千歳型の護衛が榛名だけになってしまう。ここで自分も叩かれては水上打撃部隊は総崩れだ、ここはなんとか踏ん張らないといけない。千歳たちに爆撃を要請しつつ、自分は榛名とともに残った敵艦隊を狙い撃つ。榛名との連携により、なんとかBismarckだけは撤退に追い込んだものの、Saratogaの急降下爆撃隊によって、自身もまた、火球の中へと放り込まれる。榛名、どうか無事でいて……

 

 

目を覚ました時に見えたものは、知らない天井だった。続いて周りを見渡せば、覚えのない部屋に、見知らぬ駆逐艦。そして私は……誰だ?その疑問に答えるかのごとく、傍らにいた銀髪の駆逐艦がひとつずつ丁寧に説明してくれた。現在地はトラック泊地、流れ着いてきた私――自身の名である金剛はこの時に聞かされた――を保護し、今日まで面倒を見てきたのだという。そう落ち着いた口調で説明する、彼女の名は吹雪型二二番艦、響。何者かによる泊地強襲を受けて壊滅状態のトラックを守るべく、第六駆逐隊総出で守ってはいるものの、あっちこっち手が回らない状態らしく、誰かに指揮を執ってもらいたいのだという。

なるほど、そういうことなら話が早い。どこから流れ着いたのかは自分も覚えがないし、響にもわからなかった――響の自供のため、どこまで本当かはわからないが――そうなので、しばらくはここに滞在することになるだろう。こちらには流れ者である自分を助けてもらった恩義もある、艦隊業務で困っているようなのでここは一肌脱ぐべきだろう。

 

「私は金剛型巡洋戦艦一番艦、金剛。Nice to meet you、響」

「ああ、私は吹雪型二二番艦、響。привет(よろしく)、金剛」

 

――次回予告――

どこにでもある、ありふれた日常

それを壊したのは、気まぐれな一発の戦略兵器

次回、『ブルネイの悲劇』

こんな結末、誰も望んではいない




伊168「次は私達伊号潜水艦の話ね」
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