帝国1000年の歴史を閉じる   作:o-17

17 / 26
16話 新アジトを開く

 

 

俺たちは、まだマーグ高地で修行をしてた。みんながみんな格段にレベルアップをしただろう。

 

今、俺とブラート兄貴とタツミとスサノオで大滝に来ている。

この滝は、滝上から定期的に丸まった岩が落ちてくる。

落ちてくる岩に対して、タツミが渾身の一撃を加えて破壊する。ここに来る前のタツミだったらこんな簡単に岩を壊すことなんて出来なかっただろう成長を感じる俺だったが、スサノオが次に落ちてくる岩に向かって行く。

 

「渾身の力で叩きつけるだけでなく……どんな頑強なものにでも、何かしら脆い部分はあるはず」

 

スサノオはキメ顔で、岩を破壊する。破片は、タツミが砕いた時と違ってより細かくバラバラになっていた。

 

「戦いの中でそこを突けるようになれば効果的だ」

 

タツミはすげぇと言い。でも、実戦でそれが出来るか不安みたいだ。それに対してスサノオは自然と勝手に気になるらしい。繊細な帝具だ。何度髪やコートの襟を正された事だろうか……

次に流れてくる岩の破壊には俺が挑戦したが、流石に脆い部分を見つけることも出来ずに、力で壊すだけになってしまった。しかも、威力が低いからか、大きな破片が重力に従って俺に降り注いで来る。俺は瞬時にマスターキーをヌンチャクとして振り回し、遠心力などの力を利用して破片を破壊または、吹き飛ばし対応する。

タツミはすげぇと言ってくれるが、素の身体能力の時点でタツミは俺よりも上で、更にインクルシオを纏っているともうどれくらい差があるのか分からなすぎる強大さな身体能力。恐ろしい潜在能力だ。試しに解放してみたいが、今はまだその時ではないであろう。

 

「次、俺がやるぜ。うぉおおおおお」

 

ブラート兄貴は、完成された強さで岩を一刀両断した。ブラート兄貴は、正直実戦で弱点を見つける事なんて容易いだろうな。現状ここにいるメンバーで実戦の戦闘力は……スサノオ≧ブラート兄貴≧タツミ(インクルシオ装備)>俺≧タツミみたいな感じだろうな。俺も鍛錬で実戦戦闘力の伸ばすのは限界を感じてきたな。奥の手を使った時の俺は、ブラート兄貴を身体能力を越えられるだろうが、弱点をカンパされて時間稼ぎされてしまう落ちだろうな。

俺はいつも通り自分の世界に入ってしまう。

 

「スーさんがいると俺たち10人誰1人欠けることなくやっていける気がするよ」

「俺は帝具だ 人にカウントする必要は無い」

「スーさんも立派な仲間さ!」

「あぁ、俺もそう思うぜ。スーさん、後で組手してくれ」

「仲間か…あぁ分かった。ブラート手合わせしよう」

 

メンバーがスーさんとスサノオを呼び始めたが、帝具としてじゃなくて1人の人としてスサノオ……スーさんを見るべきだな。そんな感じで、俺たちは交流していく。戦いが終わって平和になったら、タツミとラバのナンパを手伝う約束をしていた。ブラート兄貴は、ナンパには興味無さそうだ。未だにゲイ疑惑が晴れてないからな。まぁ、俺もタツミもブラート兄貴のことはリスペクトしてる。みんなで無事に生き残って革命を迎えたいなぁ。

 

「おーい。みんな緊急招集がかかっているぞ。戻ってくれ」

「?緊急?なんで?」

 

アカメが俺たちを呼びに来た。嫌な予感だ。そして、理由を話していく。

 

「帝都で新種の危険種が出現し、大変なことになっているらしい。民のためにこれらを駆除すべく、いよいよ帰還するそうだ」

 

 

 

帝都で活動するにあたって、新拠点。アジトが必要で、それ準備が終わったらしい。俺たちは、秘境に来た時と同じように危険種のエアマンタに乗って新アジトへ足を運んだ。

ー帝都から北東に15km地点ー

 

「なんかさ、新しいアジトって感じがしないな」

「見つかりにくさと逃げやすさを考えると自然と前のアジトに似る」

 

タツミの呟きにアカメが律儀に答える。他の女性陣は、温泉があることに喜びが隠せないようだ。

ラバは結界をはり、スーさんが脱出用の地下道を掘ってくれた。なお、ボスがスーさんを褒めるとラバは嫉妬していた。

いつも賑やかメンバーで新アジトでの生活が始まった。

 

そして、会議室。

「戻ってきて早速だが、今回の標的は例の新型危険種どもだ」

 

新型危険種。群れで行動をし、知性を感じどことなく人と似た感じを持つ化け物。身体能力が大幅に強く、武芸者が腕試しを挑んでは新型危険種の腹の中に行ってしまったようだ。

帝都南部に生息し、人や家畜を食い漁る。帝国兵やイエーガーズが毎日狩っているそうだが、まだ全然被害は収まってないらしい。

 

みんなは納得し、新型危険種の狩りに出ることになった。俺はリスクヘッジを考えてしまう。帝国側が狩っているのに、俺たちまで手を出したら変なタイミングで出会ってしまうかもしれないし、俺たちもリスク無しでは無い。

 

「んー。大きな危険を犯してまでバケモノ退治ねぇ……イエーガーズに任せておけばいいのに」

 

チェルシーは冷酷だが事実を言う。あぁ、その考えは間違ってないであろう。だが……

 

「甘いと言われるのわかる……でもコイツら、今も誰かを襲っているかもしれない」

 

タツミが語り出す。

 

「俺たちは殺し屋だけど民の味方のつもりだ。殲滅をはやめて1人でも多く助けたい!」

「よく言ったぞ、タツミぃ」

「まぁ、そう言うと思ったよ了解、了解」

 

ブラート兄貴はタツミの熱い想いに感動し、チェルシーはヤレヤレと態度を示す。

そんな、タツミをスーさんが見つめている。

スーさんは口を開く。大事な話のようだ。すごい気迫を感じる。タツミに1つ言いたいことがあるそうだ。そして……

 

「ズボンのチャックが開いている。気になるから閉めてくれ」

 

ブホッ。俺も吹いてしまった。キメてるところで、ズボンのチャックが開きっぱなし……他のメンバーもここぞとばかりにタツミで遊ぶ。

これは、しょうがないな。この方がナイトレイドらしい。

 

作戦会議も終わり、まだ和気あいあいしているところで、チェルシーと俺はボスと話す。俺は、タバコを貰い。ボスと一服。

 

「これがウチの気風なんだ。苦労をかけるなチェルシー」

「それはいいけど、心配だなー。記録で見たシェーレとブラートの任務。そこのアホが居なかったら確実に終わっていた九死に一生状態だったらしいじゃん。あの優しさがいつかタツミの命取りになりそうで……」

「あぁ、今までが奇跡の積み重ねだったな」

 

チェルシーにアホと呼ばれた俺も自分の感想を伝えておく。

 

「そういや、2件ともたまたまアンタが居合わせたのか」

「あぁ、最初は怪しかったが今じゃ倒れる頼もしいうちのメンバーの一人だ。タバコ仲間でもあるしな」

 

2人で煙を吐きながら、俺は少し照れる。ただ、許して貰えたはずなのに未だにチェルシーからの扱いが酷いのは解せぬ。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。