アララァなヒーローアカデミア   作:星覇無

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力

 

「うぅ・・・うっ・・・」

 

頭が痛かった

 

この世界が個性と呼ばれる超能力の様なものが溢れる僕のヒーローアカデミアという作品の世界だと知った時は確かに嬉しかった

 

俺は転生者、そう

 

かつて前世でも憧れていた特別な人間になれたと思ったからだ

 

だが全ては遅かった

 

ヒーローという単語をアニメでも映画でも無いにも関わらずニュースで何度も聞いていたというのに何故 俺は気づかなかったのだろうか

 

恐らく記憶が現時点まで無かった事もあったのだろうが俺はテレビで見る彼等の活躍を見て何か思うという事は無かった

 

どうでもよかったのだ

 

子供といえば必ずと言っていい程 何かに憧れを持つもの

 

だが俺にはそれが無かった

 

今になって考えてみるともしかしたら今の俺の身体は、いや精神は俺が前世でたった1度、されど絶対にやってはいけなかった「オーバードーズ」によって起きた心の損失

 

言うなれば情熱を失った心を引き継いで居たのだろう

 

自分が無個性と知った時、親は泣いていたが正直 それがどうしたんだと当時の俺は不思議に思っていた

 

だが歳を取るにつれて俺には周りへの嫉妬が出ていた

 

どうでもいいはずなのに、何故か周りの人間の個性を見る度に俺の心には自分への怒りばかりが生まれていた

 

まるで二重人格の様に欲望なんて無い筈の自分を否定する自分が中に居るようなそんな毎日だった

 

そして俺が自分の居る世界がヒロアカだと気づいたのは既に俺は中学3年生

 

そう、全ては遅かったのだ

 

「クソが・・・クソがクソがクソがぁぁぁ!!」

 

俺は今 自殺を試みている

 

記憶を取り戻した時 俺の中には浸すらの後悔とその後悔を一生 背負う人生を歩む様な覚悟は無かったんだ

 

「いつもそうだ・・・いつも俺に残るのは後悔だけなんだ」

 

深夜 親が寝静まり裏社会にとっての朝の時間帯に俺は台所から包丁を持ち出し民家や人があまり通らない

 

所謂 誰にもバレない正に自殺を邪魔されない都合の言い公園の木々の裏で座りながら右手で包丁を持ち左手首にその刃を向けていた

 

「ふぅ・・・ふぅ・・・」

 

俺は自身に恐怖があると知った時、再び自分を怨む

 

二次創作とかで元はそこらの一般人だったくせに都合の良い心を何故か必ず持っている奴らを勝手に羨み同時に嫉妬する

 

そんな自分が嫌いで前世でも自殺したというのにまさか再びやる事になるなんて

 

「っ!余計な事を考えるな!!こんな身体で自殺をして後悔なんてしないんだ!!」

 

前世でもそうだった、こうやって自分がやりたくなくてもやらないと行けない事をしようとすると必ず余計な思考が入ってそれを邪魔する

 

「うっ、うぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

包丁を持ち上げ手首に向かって勢い任せで振り下ろす

 

だが

 

 

YO・・・

 

 

「えっ・・・」

 

俺しか居ないはずの公園から聞こえた声

 

俺は思わず包丁をバレない様に適当に草の中へ投げ込む

 

「だっ誰だ!」

 

周りを見渡すが何処にも人の姿なんて無い

 

 

YO・・・

 

 

だが声は確かに聞こえる

 

(もしかしてヒーローか!?)

 

だとしたらこんな深夜に子供が居ると知られれば面倒な事になる

 

俺はそうそうに逃げだそうと茂みから顔を出すとそこには

 

 

Look int my evil eyez(この俺の邪悪な眼を見ろ)

 

 

背後に輝く月の光によって突然現れた声の主

 

そこには何(・)も(・)無(・)か(・)っ(・)た(・)だが俺の目には確かに何(・)か(・)の(・)眼(・)が(・)写(・)っ(・)て(・)い(・)た(・)

 

突然 現れたそれに俺は驚く事は無くずっと見えていない筈の眼と視線を合わしていた

 

そして同時に俺は英語が得意という訳でも無いのにも関わらずソレが言った言葉の意味を知っていた

 

何故ならその言葉は俺が好きだったあの曲の・・・

 

 

YOU WANNA RUN(お前は逃げるのか)

 

 

「・・・俺は」

 

今の状況に咄嗟に何かをしようとすることは無く、俺は何故かその英語の意味を理解して答えようとする

 

 

OR WANNA DIE?(死にたいのか?)

 

 

「っ、違う!!俺は!!俺は・・・」

 

 

ソレが言う英語の意味を当然の様に理解しながら俺はそれを否定する

 

俺は力が無いからというだけで逃げたい訳でも死にたい訳でも無い

 

ただ自分という存在に納得出来なかったんだ

 

人は誰しもが希望や夢があるから生きようとする、自殺をしたがる人間もそうだ

 

必ず何処かで助けを求めている

 

だが欲望を失った自分にそんなモノは無かった、全て諦めていたんだ

 

情熱を失った事で努力も出来なかった自分が生きようとする事に違和感しか持て無かったんだ

 

「俺はただ・・・この肉体の、この存在が生きて良いと納得出来る様な価値が欲しかったんだ・・・個性という前の時代には無かった誰もが特別に慣れるこの超常社会で自分も特別なんだと納得して生きようと思える力が欲しかったんだ・・・」

 

俺は未だに目が合っているソレに訴える様に自分が今まで口に出して言う事は無かったであろう本音を初めて誰かに語った

 

「・・・ハハッ」

 

俺は自分を初めてさらけ出した事でスッキリし思わず笑ってしまった、そして同時に頭がやっと冷静になり改めてこの状況を理解する

 

「英語は得意じゃない筈なのに何故かアンタの言いたい事が分かっちまう・・・だってその単語はいや、そのフレーズは俺が大好きだったあの曲のもんだからな」

 

すると目の前のソレは見えていないにも関わらず笑っている様に見え

 

 

「ナラバ・・・私ガ次ニ言ウ事モ、ソシテソノ後ニオ前ガ言ウ事モ分カルナ?」

 

 

先程と違い突然喋りだした、ソレに俺は勿論と言うように頷く

 

そして一つ間が空くと

 

 

Here's a taste of the remedy(私がお前に力を与えてやろう)

 

 

ソレは先程と少し違ってまるで歌っているかのようにリズムを出しながら自分に向かって語る

 

そして俺はそのリズムと合わせる様に

 

 

Yeah!!(おお!!)

 

 

と叫び

 

 

己を憂いGot it ?!(手に入れるか?)

 

 

ソレは徐々にこちらに近づいてくる

 

 

Woo-yes, I got it !(ああ欲しい!)

 

 

俺は逃げる事も無くただソレに応える

 

 

Got it !? (どうだ!?)

 

 

聞こえていない筈なのに俺にはあの曲が脳裏に浮かぶ

 

 

Got it (欲しい!)

 

 

Got it ?!(どうだ!?)

 

 

Yes,I got it(是非とも欲しい!)

 

 

気づけばソレは俺から後 一歩のとこまで来ている

 

だが俺達は歌(・)う(・)事(・)を(・)辞(・)め(・)な(・)い(・)

 

 

Here's a taste of the remudy(ここに快楽を得る力がある)

 

 

Yeah!(そうだ!)

 

 

だがソレは俺の目の前まで来ると立ち止まり再びこちらを覗く様に目を見る、そして

 

 

己を憂いGot it ?!(手に入れるか!?)

 

 

先程よりも少し大きな声で問う様に俺の顔を伺いながら言う

 

だが俺はその事に驚く事も無くそのまま

 

 

Woo-yes, I Got it !(あぁ、人間を辞めてやる!)

 

覚悟を決めた強い目で応える

 

するとソレは分かっていたかのように俺(・)の(・)中(・)に(・)入(・)り(・)私(・)はそれを受けいれ

 

 

「「RUDIment's gon' succeed yeah !(そして私は手に入れた!)」」

 

 

その時 既に俺の心には自身があった

 

己は価値があり生きる事に納得が行く人間だと言う事に

 

「これは個性では無くスタンド、そして私はこの世界の唯一のスタンド使い・・・そうだろう?」

 

 

 

 

 

 

 

ヴードゥーキングダムよ

 

 

 

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