ウィーン ウィーン ガタッ
「あちゃー惜しい!もう一回!!」
ラビットヒーローミルコの小さなぬいぐるみを狙ってクレーンを動かす葉隠 透
「あの・・・・・・葉隠さん」
「ちょっと待って今集中してるから!!」
「・・・・・・」
数分前 私は彼女に孤独なんだと見抜かれ何故か一緒に駅まで帰る事となった
そしたらなんか駅前のゲーセンに彼女が何を見たのか入っていき自然に着いていく流れとなり今に至る
「よーし・・・そのままそのまま・・・・・・」
ウィーン ウィーン
「頑張れぇ!」
ポトッ
「やったァ!取れたァ!」
ぬいぐるみが取り出し口へと落ちた事で喜ぶ彼女、制服が上下に動いている事からジャンプしている事が分かる
「えーと、おめでとう?」
「ありがとう!それじゃあ・・・はいっ!」
彼女は自身が取ったぬいぐるみをこちらに向け渡す様に流してくる
「えっ?」
「あれ?兎、好きじゃないの?」
彼女は私が兎好きだと当然のように思っていたのか制服が少し斜めに動いて頭をかしげている事が分かる
「いやどちらかというと好きだと思うけど・・・何で?」
「ほら!君の個性の守護霊?だっけ、凄い兎ぽかったからさ!」
もしかしてとは思ったがやっぱりD4Cの事か
「ごめん、もしかして要らなかった?」
「・・・ううん、折角取ってくれたんだそれに」
彼女からぬいぐるみを受け取ると私の目はまた一瞬 眼へと変わり
私の背後に水色の長耳が現れる
「D4Cも喜んでいるよ」
D4Cはぬいぐるみを私から受け取ると何も言わずにジッと見詰める
「うわーやっぱりこう見ると凄いオシャレな守護霊だね〜・・・」
「ハハッ私も良く思うよ・・・・・・それで葉隠さん」
「なぁに?」
「その、こう聞くのもあれだけど何で私にこのぬいぐるみをくれたの?」
「・・・・・・」
私からの質問に彼女は黙り込む ただ制服の向き的にこちらを見ているのは確かな様だ
「・・・ちょっと着いてきて」
「うっうん・・・」
すると彼女はゲーセンの入口から外へ出ていく
私は若干 早足で歩く彼女に同じく早足で着いていく
バンッ
「イテッ!あっ、戻すの忘れてた・・・・・・」
私はD4C元いキングを自身の肉体に戻すのすっかり忘れており、D4Cはそのまま入口の天井に頭をぶつけた
「・・・・・・」
「ごめんなD4C、、、だから黙ってこちらを見つめないでくれ、悪かったと思ってるから!!」
「・・・・・・」
「・・・・・・アララァ」
シュンッ
「わァァァ!!今 ガチの速さで手刀しただろッ!・・・・・・あれ?てか何で今勝手に動かなかった?」
「・・・・・・」
「あれ?」
「ちょっと、なにしてるのさ!置いてっちゃうよッ!」
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気になる事が出来たがとりあえずそれを後回しにして私は彼女について行く
5分程度歩き彼女が止まったことから先を見るとそこには人が誰も居ない小さな公園があった
「着〜いたァ〜!」
彼女はそのまま公園の中に入って行きベンチに座る
「彼を解き放ってはならないくゥ〜ん!ここ座って!」
隣の空いてるスペースをペシペシと叩き私に座るよう先導してくる
「うっうん・・・・・・」
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「似てたんだよね、昔の私に」
「えっ?」
私が隣に座った同時に彼女はさっきまでの明るい声でなく大人しい声でそう言った
「さっきの質問の答えだよ」
「あっああ・・・」
そのまま彼女は語り始めた、彼女は小学生の頃 その個性が原因でイジメを受けていたのだという
透明という力は確かに使い方次第でどの様にも化ける、だが当時の彼女の近くに居た人間はその力をヴィランにしか思えなかったのだろう
学校で何か事件が起きると彼女は何時も関係無い筈なのに絶対に一度は疑われていたらしくそれが原因で自分はまるで不良の様なレッテルを貼られ、そんな噂が後に広がっていき誰も自分に近づかなくなりいつも孤独だったらしい
でも彼女はそれを受け入れていた、自分の個性が透明だからと、だからしょうがないのだと、罪の無い自分を自ら冤罪にし周りの人間に関わってはいけないと何故なら関わってしまえばその子も何か変な噂を流されてしまうかもしれないからと助けを求めている自分すらも否定してしまったんだ
そう言っている時 彼女は見えない顔から
「・・・・・・」
「でもね」
その瞬間 悲しそうな顔をしていたであろう彼女の見えない顔が笑っているように見えた
「透明という個性を、力を持つ自分を否定していた私をたった1人だけ肯定してくれた人が居たの「YES YES!」ってね」
(・・・それは)
「その時から私は自分を否定するんじゃなくて肯定する様にしたんだ、透明っていう力が悪くないんだって、誰かに助けを求める事は良い事なんだって気づいたんだ」
彼女の身体がこちらを向く
「あの時 君を見た時はドキッとしたんだよ?だって私にとってのヒーローが同じクラスなんだ!って、でも同時に君があの時の私みたいに孤独で寂しそうな顔をしていて心がズキっとしたんだ」
「それは・・・・・・ゴメンね」
「ううん・・・でもテストでボール投げようとしたあの瞬間
制服の袖が縦斜めに揺れその時の事がどれ程だったのかを伝えてくる
ちなみに全く分からん、でも可愛いから良しッ!!YES YES!!
だがちょっと待て、さっきから彼女はまるで私が
YES YESなんて言うのは確かに私くらいだろう
だが
(
(ましてや小学生時代に葉隠という少女が居た記憶も・・・・・・)
あれ?
そもそも
(まずい・・・・・・何だ?
記憶喪失?いやだとしたら何処で・・・いやそれよりも・・・・・・
「え〜と///だからね・・・」
この流れは
彼女の制服が少し前屈みになり私を見ていない、というより私を見れないのだろうか髪の匂いがする
「恩っていうのもあるけど・・・私、貴方の事が!」
「ってあれ?」
葉隠が顔上げ自分の気持ちを彼に伝えようとするもその時 既に彼の姿は無かった
面白い?
-
はい
-
YES
-
YEAR