ライブハウスにて。
志歩がバイトを終わらせた時の事。
「片づけが終わったので、
今日は、もう上がります。お疲れさまでした」
すると、イオリという、女性と出会った。
「日野森さん、また会ったね」
「何か用ですか?
バンドの移籍は、断りましたけど?」
「そうなんだけどね、
やっぱり。答えは変わらないようね」
「変わりません。私は、この5人で、
バンドを続けます」
「そっか、今日はいい返事が貰えると思ったのに、
じゃあ、また会いに行くからね」
「…」
「そこは、何度来ても、同じです。
と、言うべきじゃないかな?
それとも、悩んでいるの?」
「…!急ぐので」
「待って」
「何ですか」
「これ、次ライブをやるチケット。
一度見に来てよ、私のバンドのライブ」
「日野森さんの心に響くように、全力で歌うわ」
「どうして、そこまで私に?」
「君のベースが好きだから」
「でも」
「メジャーデビューの時に、日野森さんがいたら、
理想よ」
「そういうのは、今まで頑張ってきた、
仲間と一緒にするものじゃないのですか?」
「ふふっ、そういうこと言うんだ。意外だな。
遊びのバンドとプロは一切違う。
中途半端じゃ、プロでも通用しないし、
あのバンドを超えられない」
「あのバンド…?」
「こっちの話よ。
遊びでやっていると、本気で目指している子に
悪い影響を及ぼしかねないわ」
「だから、本気でやる覚悟を決めた子じゃないと、
プロでは生き残れないし、この先の道は閉ざされて、
進めなくなり、最悪、人生が終わる。
って、私は思っている」
「…!」
「同じスタンスだと思っていたけどな」
「私は…」
志歩は思い悩んでいた。
「来週の日曜日の夜、ライブハウス、RINGで、
やるから、迷っているなら、ライブを観に来て欲しい」
と、イオリは去った。
帰り道。
志歩は一人で歩いて帰っていった。
(プロの世界…そう言えば、今はガールズバンド時代って、
言われる位、活発にガールズバンドが勢力を伸ばしている。
特にPoppin'Partyや、Roselia、
それに、RAISE A SUILEN。
この三バンドは、大きなステージで、ライブをして、
多くの観客が大いに盛り上がっていた。
私達のバンドとは、見る世界が違う)
(そう言えば、ふたりのお姉さん…ぼっち…
いや、ひとりって、人だっけ?
結束バンドという、ガールズバンドで、
ギターをしていて、ギターヒーローと言われていたみたい。
でも、ふたりは、私達のバンドのボーカルだから、
パートや担当が違うんだった。
どうしたらいいんだろう…これから先…
ううん、悩んでも仕方がないって、わかってはいるけど…)
と、志歩は思い悩むのだった。