シャーレ奔走記録  ロマンスと友情!   作:鏡星sora

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ゲヘナ学園風紀委員会、空崎ヒナ委員長。
夏の特殊訓練を終えたヒナたちは、仲良くバーベキューを楽しむのだった。

シャーレの先生が送ってくれた特性の焼肉を楽しむ一方、先生はヒナと友を守るために奔走していて…??

ヒナたちは無事にゲヘナに生還できるのか?
先生は、ヒナたちに気付かれずに事件を解決できるのか?




#1空崎ヒナ①風紀委員長の友愛

「委員長っ!早く早く!」

「走って転んだらどうするんですか?ついて来てください!」

「はぁ… 了解。今行く。」

 

質感の良い銀白色の髪が、夏風になびく。

 

「みんな、ちょっと急ぎすぎ。ちゃんと装備はもった?」

 きゃしゃな体ながら、その後ろ姿は威厳があり、高貴ささえ感じさせる。

コンパクトな顔にはおよそはまらない麦わら帽子は、どこか古ぼけている。何年前のものだろう。

 

気だるそうな雰囲気を醸しながらも、少し頬を緩ませながら、仲間のもとへと足を進める彼女。

今日もまた、青春の一ページが幕を開けるようだ。

 

 

「じゃあ…訓練開始」

冷たいようで、どこか品のある声が浜辺に響く。

「はいっ」

彼女の一声で他の面々が一斉に動き出す。

各々が身軽に動き、敵に見立てたマネキンに切り込んだ。

 

「そこ。もうちょっと姿勢をひくくして。」

「イオリ。いつも言ってるけど、あなたは突っ込みすぎ。」

 

隊員の動きはみな機敏に見えるが、彼女は的確な指示を出し、その精度をさらに上げていく。

その姿はさながら、戦場の総指揮官であり、参謀であり、頼れるリーダーでもある。

生徒たちが憧れと尊敬のまなざしを彼女に向けているのは、誰から見ても明らかだ。

 

 

「みんな。お疲れ様」

すっかり昇り切った太陽。

暑さからの疲れか、きれいに組まれていた隊列も崩れ、笑い声がこだまし始めた。

 

「ヒナ委員長!今日もお疲れさまでした。いつお帰りになるのですか?熱中症にはなっていませんか?水分をしっかりとってくださいね?委員長の本日の運動量からして…」

「はいはい。ちゃんとお水のむから。アコ。心配してくれてありがとう。」

少し遮るように返した彼女。

大きすぎる帽子に隠れてよく見えないが、口元は笑っているように見える。

 

ゲヘナ学園。彼女らが通う学校は、荒れに荒れていた。

美味な食事にありつくためなら手段を選ばず、どんなことにも手を伸ばす美食家、

地下から湧き出る湯を愛し、無限に掘削し続ける武装集団、、

毎日毎日爆破爆破の学園生活は、決して平和と呼べるものではない。

 

そんな学園の平和を守るための組織である、風紀委員会。

その委員長、空崎ヒナ。

彼女の圧倒的な実力は、学園都市全体に名が轟くほどであり、彼女を恐れて事を成せない勢力も数知れず。

 

そんな彼女は今日、委員会のメンバーと共に、海に訓練に来ていたのだった。

涼しいうちにと朝早くから始まった訓練も終わり、風紀委員会は休憩モード。

普段はとうに解散しているところだが、今日は違うようだ。

 

訓練の後、いつもなら面倒そうにシャワーを浴びに行く彼女。

今回は、風紀委員会の面々が気づけないくらい小さい鼻歌を歌いながら、軽い足取りでシャワーへと向かう。

 

「委員長?どこ行ってたんですか?」

「もう食材の準備は終わりましたよ!」

しっかり者を想像させる、柔らかで、少し張りのある声が響く。

 

「ありがとうチナツ。ほら。みんなに差し入れ。」

「べ、別にいるとか言ってないじゃないか。買わなくていいから早く戻ってきてよ…」

「一生の宝ものにします。うぅ…」

 

気持ちの伝え方はそれぞれだが、皆委員長のことが大好き。

普段忙しく、遊ぶ時間などあまりない風紀委員会だが、今日は水入らずでバーベキューだ。

 

パチッパチッ

程よく燃える炎の上で、ポップコーンが躍る。

隣の網にはカボチャやピーマン、タマネギなどの野菜が並んでいた。

おや?皆おいしそうに楽しんでいるのだが、何やら人だかりができている場所があるようだ。

 

「うわぁ~」

ジュ~っといういかにもおいしそうな音を立てて焼きあがる肉に、みな目を奪われずにはいられなかった。

まるで戦いのときのように、手早いながらも焦りを感じさせない手つきで肉を焼き上げるヒナ。

憧れのヒナ委員長と、最高級のBBQ肉。その2つが近くにあるという情景を見ただけで、皆満足してしまうのだ。

 

「ヒナ先輩!私にも焼かせてくださいよ…」

「うーん、今回は私がやろうかな…」

 

「ヒナ委員長、珍しいですね。いつもは『後輩に慣れてもらわなきゃ』なんて言ってご自分ではやらないのに」

「今回は私がやる」

 

ソフトで熱のこもった声には、どことなく重みがあるのだった。

 

「今日のヒナ、ちょっとはりきってるな笑」

「元気な委員長も可愛いです…よだれが止まりません…!!」

 

ヒナと仲の良い生徒たちも、久しぶりに元気な友を見て、嬉しいようだ。

興奮している行政官を除いてだが。

 

「ヒナ委員長が焼いたお肉…私が仕上げを担当します♡」

「アコ…今回は焼肉奉行しないでちょうだい。」

「え~~ずるいじゃないですか。まあ、今日はご満悦そうなのでいいですけど。」

 

(今日のお肉、届いたときにアコがいなくてよかった。じゃなきゃバレちゃうよね。送り主の'S'の文字が)

 

ヒナは頬をほころばせ、優しさに溢れたまなざしで楽しんだ。

この笑みは決して、夏の海と太陽、そして友のせいだけではないのだろう。

 

 

 

ビリリリリリリリリ…

「ん…うーん、、なんふぁ??」

ゆっくり体を起こし、ピンク色の画面に目をやる。

カイザーグループの…襲、撃?

 

どうやらいつもの揉め事のようだ。

だが今回は一味違うらしい。

男はゆっくりと伸びをして、動き出す。生徒の友愛を守るために




ヒナの落ち着いた雰囲気と、楽しさとを同時に醸し出すのが難しかったです。

ヒナ!幸せになって!
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