夏の海と太陽、そしてBBQ。
日々の戦闘と訓練で疲れた風紀委員会にとって、これほど胸躍る物はなかった。
風紀委員長、空崎ヒナもご満悦な様子。ビーチサイドの椅子にぺたっと座り、砂肝をほおばっていた。
「ヒナ。ゆっくりしてないで、もっとどんどん焼いてこうよ!」
「別にやってもいいけど、自分でやって頂戴。私はこうしてゆっくりするのが好きなの。」
コップのふちを指でなぞったような、透き通った声だ。抑揚のなさが、ダークな落ち着きを醸し出す。
「いやいや、バーベキューなんだから、委員長もやりましょうよ」
「はいはい。また後でね。」
ヒナは食材、殊更に高級お肉を焼くことに躊躇していた。
というのも、最後までとっておきたかったからだ。
ヒナの脳裏に浮かぶ、宅配便の箱に書かれた、送り主-S-の文字。
------
ピンポーン。すみませーーーん!ペンギン商事です!
ん…荷物の配送なんて頼んでたっけ。怪しいものじゃないといいんだけれど。ガチャ。
はい。何の御用ですか?
あ、えっとですね、シャーレの方からお届け物です。
はぁ。(シャーレから?生徒会?任務の依頼でも来たんだろうか)
中身は生ものですので、十分にご注意なさってくださいね。
あ…分かりました (生もの!?こんなもの送ってくる人と言ったら…)
では、今後とも p,,ペンギン商事を、よろしくお願いしますね!
はーい。
ヒナは少し期待した顔で宛名を見る。
やっぱり…先生だぁ 何を送ってきてくれたんだろ。楽しみだな
箱の側面を注意深く見ると、「要冷凍」の文字が。中には、キヴォトスでも美味と名高い、高級肉ギフトセットが入っていた。
わ…すごい…何のために…
季節外れの誕生日祝いの、チーズケーキとかモンブランとかを期待した自分に少し恥ずかしくなりながら、手掛かりを探した。
中身に対して無駄すぎないかというくらい大きい段ボール箱の中には、手紙が入っていた。
ヒナへ
風紀委員会が夏休み中の訓練で、バーベキューをするって聞いたよ。
今回は参加できないんだけど、いいお肉が出回ってるのを見つけたから、少し買ってみた!
皆で食べてくれると幸いです。
シャーレの先生より
見慣れた筆跡で書かれた自分の名前に嬉しさを感じながら、先生にありがとうとモモトークで伝えた。
------
こんな思いもよらぬ形で超高級肉を手に入れた風紀委員会だったが、、、
ザザ..ザザザザ..ザ..
こちらRabbit2。送り主は応答せよ。
な…なんでこの通信網を知ってるんだ!?連絡はモモトークにしてくれって…ってえ?
襲撃の防御の手伝いをしてくれ?
んーわかった!わかったよ 報酬は高級肉4枚な!
強気な声がシャーレと公園に響いた。
こちらRabbit2。Rabbit1、応答せよ。
何でしょうか。今テントで寝っ転がっているところです。邪魔しないでください。
…え?久しぶりの任務ですか?やるしかありませんね。行きましょう
(先生に会えそうだし…さっきシャワー浴びて香水付けたから、ばっちり)
子ウサギ公園にて集合します。Rabbit3は弾倉、Rabbit4は弾薬の回収に従事してください。
記録:Rabbit小隊
13時15分 Rabbit小隊は指揮官、シャーレの先生と合流。公園内の武器、及び隊員が確保した武器の総量を確認後、作戦の打ち合わせを執り行う。
13時25分 シーフード缶を携帯用と食事用とに分け、昼食。ゲヘナ学園方面へ出立。
14時50分 モエのヘリコプターより、ロープで森林の中へ。敵勢力がいると思われる場所を偵察。浜辺から約1kmの地点に、出動元不明の装甲兵らを確認。
15時00分 シャーレの先生の指揮の下、風上側へ移動。敵勢力の背後から進行する。
一方風紀委員会はというと、、
「いいんちょーートスあげて!!」
「はぁい」
「次は旗をとりにいくぞぉぉぉおお」
楽しいスポーツ大会に明け暮れていた。
(先生がいたらもっと楽しかったのにな。でもこの服装だと、恥ずかしいな…もし近くにいてくれたら…)
先生と一緒にいられたらな…
先生!一緒に進撃します!
もうちょっと楽しかったけど…
久しぶりの先生の指揮。悪くない。
いつもと違って今日は敵もいないし。
敵の伏兵を発見!本部と連絡を取られる前に殲滅する!!
日の光を受け、柔らかな球が宙で輝く。
燃える炎に反射して、鋼の弾が光り輝く。
私のアタックをみてて!先生
私たちの攻撃をよく観察して!先生
先生、いくぞ!!!!!