夢は晴れ、夜は明け   作:Sin@翡翠

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 ブルプロ知らないよって方向けのプロローグです。
 ブループロトコルのメインストーリー一章のネタバレが含まれますので、お気を付けください。
 気にしないよって方はどうぞ!







斯くて運命は彼女に出会う

 それは、喪失に抗う物語である

 

 

「流石のワシも、見殺しは夢見が悪い」

 強かにそう告げるは、細く小さい亜人の少女

 

「少し時間を稼ぐ。その隙にお主はあやつの横を一気に駆け抜けろ、よいな?」

 そう言いつつ彼女は敵、ゴブリンの前に立つ。体格で劣る亜人の幼女は、しかし一歩もひるまずに立ち続ける──背後に伏す銀髪の少女を守るように。

 

 ──なぜ、守るのか? 

 

 ──たまたま居合わせただけの自分を

 

 そして答えは、最初のセリフに回帰する

 

 ──夢見が悪い、それだけだと

 

 ただそれだけで、誰かを助けようとする。

 彼女自身非力の身であるはずなのに。ボロボロの上着も、古びたリュックにも、細い手足のどこにも彼女の強さを示すものは無いというのに

 

 ……それなら

 

「……返すようでございますが」

 ──瞬間、風が奔る。

 

「見殺しは夢見が悪い、でございましょう?」

 

 私は彼女を守りたい

 誰かを守る彼女をこそ

 体調は最悪、でも動く。息は荒い、でも吸える。腕が震える、けど──この双斧をまだ握れる。

 

 まだ、戦える

 

 しかし一匹を吹き飛ばしたとて群れはまだまだ多い。だから私は、驚愕が抜けない彼女に寄り──

 そっと、背中を預ける。

 彼女は一瞬驚いた顔をして――すぐに表情を老獪な笑みへと変えた。

 

 

 ──ここに、道は一つとなる。

 

 

 4年前から過去の記憶を探す亜人の幼女、フェステ

 

 同じく、失った記憶を求める銀髪の少女、リッカ

 

 二人の少女が今、戦いに身を躍らせる──! 

 

 

 

 

 

 それは、破滅に抗う物語である

 

 

「ここまで巻き込んでしまった以上、知らぬ存ぜぬという訳にもいかないでしょう」

 神懸の御柱の頂上に出現した二人の女性。エーリンゼと名乗る彼女の手により、真相が語られる。

 

「私とティリスは、今から千年後の未来からやってきました」

 

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 アバリティアという怪物によって

 ただ存在するだけで時空を、因果を、摂理を歪めうるアバリティア。その歪みは時間とともにゆっくりと、確実に増幅し──

 

 

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 すべてのアバリティアが手に負えなくなる瞬間──絶滅の瞬間が

 

 

 ──だから彼女たちはここにいる

 まだ小さいアバリティアを解放し、その日が来るのを防ぐために。

 

「──それを知ってしまったあなたたちには、今からとある選択をしてもらいます」

 もう一人の青髪の少女、ティリスが告げる──その手に剣を携えて。

 

「協力するか、それとも……死か。お好きな方をお選び下さい」

 

 努めて非情にティリスは告げる。

 未来の為、使命の為、彼女の主──エーリンゼの為。

 リッカとフェステの覚悟を問う。

 それにフェステは少し薄目になり、リッカは僅かに瞑目した後

 ──二人共、己が手を差し出した

 

 

 ──ここに道は一つとなる

 

 アバリティアを解放するため未来からきた、皇女エーリンゼ

 

 彼女を支え、守るため同じく未来から来た、従者ティリス

 

 差し出されたそれぞれの手を、二人は確かに受け取った。

 

 

 

 

 斯くて4つの宿命は、 ここにひと繋ぎの道を示す

 

 

 絶望に抗え

 

 苦別に抗え

 

 

 この星の未来を守るために

 

 

 罪禍に抗え

 

 己が身に抗え

 

 

 全ては未来(かこ)を取り戻すために

 

 

 

 

 ──それは、運命に抗う物語である

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そしてこれは、海に揺蕩う

 ほんの一滴の物語

 

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