ts吸血鬼が行くっ!   作:黒色火薬

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39日目 お世話係……必要かも!?

「お世話掛ってどう言うこと!?僕そこまで子供!?」

「違う違う!お世話係という名目で護衛をしてもらうだけだ!」

 

いきなりお世話掛と言われびっくりしたが護衛?

どういう事……?

 

「ローズ様、それは一体どういう事ですか……?」

「説明するからしっかり聞けよ?」

 

ローズが腕を振るとホワイトボードとペンが急に現れた。

あと伊達メガネも……な、なんか可愛いな?

まぁ見てくれは美少女だしな……性格はあれだけど。

……まって前言撤回っ!それ言っちゃったら僕まで美少女ってことになっちゃう!?

いや、美少女だろうけど……認めたら終わる気がする!

 

「護衛をするにあたって一つ問題が生まれてしまうんだよ、わかるか?」

「なんだろ?わからないな……朱莉ちゃん何かわかる?」

「……私もわからないかも」

「答えは……デルフィが誘拐の容疑で逮捕されるかもしれないという心配だな!」

「あ、納得……」

 

デルフィは俗にいうイケオジの部類に入る。

なんなら少し強面……そんな男の人が身長小学生の僕と一緒に歩いてたらロリコンの誘拐犯と勘違いされてしまう……

だからローズは僕をいいところのお嬢様ということにでもするつもりだろう。

そしてデルフィを使用人とすることで護衛をさせるつもりか……

 

「……回りくどくない?」

「そ、そうか?これなら正当性があるんだが……?」

「警察官に声かけられたらなんとかするけど流石に声かけてくる人はいないと思うよ?」

「ろ、ローズちゃん?公務員って副業禁止って知ってる……?」

「そうなのか!?私の時代はそんなことなかったぞ!?それだけで稼げるのか!?」

「というわけで使用人とすることは多分ダメだよ……ま、なんとかなるよ!」

 

とりあえずとっくに授業が始まってるからいそがなきゃっ……!

次の授業は……え、英語?

え、いやこの人たち英語教師では……?

 

と、とりあえず屋上を……足音?

屋上を出ようと立ち上がると階段を駆け下りるような足音が聞こえてきた。

もしかして誰かいた!?

聞かれてたならまずい……というかあの戦いも見られてたとしたら!?

 

「まずいっ……!?」

「ちょっ、まどかちゃん!?どうかしたの!?」

「今階段に人がいたっ!」

「嘘でしょ!?」

 

僕は急いでドアを開け階段を飛び降りた。

骨が折れたけど……ま、治したからOK。

 

もしこれでバラされたら……あ、やばい考えたくない。

居場所が消えることだけは絶対にやだ……!

階段を降りておると誰かの後ろ姿を捉えた。

勢いつけて飛んでっ……!

 

「捕まえたぁっ!!ちょっと着いてきて……って大澤さん!?」

「ヒィッ!?ご、ごめんなさいごめんなさいっ……!」

 

居たのはなんと大澤さんだった……え、なんで?

 

 * * *

 

「とりあえずなんとか早退できたけど……大丈夫?」

「だ、だだだ、大丈夫ででです……!」

「大丈夫じゃないね……」

 

現在、とりあえずネロ先生に話を通して早退させてもらった。

ていうか早退しすぎだけど単位大丈夫かな……?

とりあえず現在学校近くのファミレスの席に座っている。

こんな時間制服だからか店員さんからは怪訝な顔で見られたが……解せぬ。

まず話を聞いてどうするか考えなきゃ……

話さない思うけど……不安要素を捨て置くわけにはいかない。

 

「とりあえず、どこから見てたの?」

「え、えっと……まどかちゃんの胸に穴が空いてるところから……」

「そっか見ちゃったかぁ……」

 

とりあえず人じゃないのはバレたか……けど脅すのは気が引けるしどうしようかな?

なんて悩んでいると大澤さんはいきなり力強く僕の手を握った。

 

「ま、まどかさん!お、お願いが一つありまして……私を助けてくださいっ!」

「ど、どうしたの!?」

 

表情は酷く曇り、その言葉が心の底からくるものだとすぐわかった。

 

「出かける時に毎回あの時の化け物が追いかけてくるんですっ……!次はお前だって言われている感じがしてっ……!」

「そっか……」

 

色々思うところがあるけど……ま、受けようかな。

 

「いいけど大丈夫?僕も同じ化け物だけど……」

「これでもクラスメイトなので……どれだけいい人なのかは知ってます……だからお願いします……いややっぱダメですよね!私みたいなゴミ女じゃダメですよね……」

「いや大丈夫だけど……どうしてそこまで自分を卑下するの?」

 

彼女の言動の気になることが一つあった。

それはことあるごとに自分を卑下するような言動……もしかして……?

 

「……私はダメな人間なんです」

「え」

「私は誰からも必要とされないゴミなんです、私は何もできないクズなんです」

「ちょっ」

「私は本当にダメな人間なんです……皿を洗ったら割っちゃうし掃除も満足にできない。

足も遅ければ頭も悪いし性格も根暗だし、見た目も悪い。わ、私は生きていたらダメな人間なんです……」

「お、大澤さん……?」

 

狂気。

これほど大澤愛美という人間に合う言葉はないと僕は感じた。

まるで自分に呪詛を吐き続け、自分を罰しているような……

 

「あ、引きましたよね?ごめんなさい今すぐ死にますねっ」

「えっ?」

 

衝撃的な一言を発した後テーブルの上にあったナイフを首一直線に突き刺そうとした。

僕は急いでナイフを叩き落とし、他のフォークや箸が入ってる容器を遠くに投げ捨てる。

じゃなきゃいつまで経っても終わらないっ……!

 

「大澤さん落ち着いてっ!」

「ごめんなさいごめんなさい……お願いだから打たないで……!」

「お、お客様っ!店内で暴れるのはおやめください!」

「すみません!今親友の発作が出てしまいまして……薬を飲むように言ったのですが……」

「その制服……朋友学園の生徒さんですよね?少し裏までいいですか?」

 

あぁもう滅茶苦茶だよぉ……!

こ、こうなったら得意の演技とネタで誤魔化すしかないっ!

 

「これは食事の席でのミス……なので食事でお詫びをしたいですっ!この場の食事代すべて僕に払わせてください!それでお許し頂けないでしょうかっ!」

「お客様!?それの元ネタヤ◯ザのセリフじゃないですか!?」

 

店員さん元ネタ知ってるの!?

ま、まぁこれで僕が可哀想だってなるのかタダ飯ラッキーってなるのか……

 

「……なんの騒ぎですか?」

「し、支店長っ!」

 

渋めの声がお店の奥からこちらの席へ近づいてきた。

多分店長だろう……いや店員さんも言ってるし確定か。

 

「お客様?若気の至りなのもわかりますが……責任を取るのが大人です。わかりますか?」

 

話の通じないっ……!

 

「だから、弁償金もこの場のお詫びも払うって言ってますよ!?」

「それも親御さんのお金でしょう?あなたはどうするんですか?」

「いや、自分のお金ですが?」

「い、いや高校生にそのようなお金が……」

「その高校生にも色々あるんですよ……百万円でいいですか?」

 

そう言って懐から小切手を出して百万円と記入する。

これは僕が男だった時に投資で得たお金である。

ま、すぐに飽きちゃったんだけど……それでも5000万円は口座に入っている。

お金に困っていたわけではないが趣味で始めたら上手くいってしまった。

これも人間不信を加速させる要因にもなったが。

 

「これは僕個人の口座のものですが……何か他に問題でも?」

「お、親の講座の可能性は」

「ないです。僕の母ならもっと入ってますし父ならどうせ外国の口座でしょうね……」

 

「えっ、えっとお名前を伺っても?」

 

お母さんの威光を使うみたいで気が引けるけど……使えるものは使わないと!

 

「須波夜先生の娘の須波まどかですが……なにか?」

「す、須波先生!?薬の開発に尽力し最近は化学研究所を設立、特許をそうなめ中の須波先生!?」

 

なんか吉◯吉影同僚並な解説……

……あ、あともう一つ切り札があった。

 

「ではあとでこちらを銀行までお持ちください。あとは銀行員の方がなんとかしてくれますので……あ、そうだ」

「ほ、他に何か……?」

「自分お宅の会社の株主なんですが……保有量をご存知ですか?」

「ど、どれくらいでしょうか……?」

「6割です……ま、わかりますね?では次の株主総会でお会いしましょう。失礼します」

 

そして僕は大澤さんの手を引いてお店を出た。

実は僕、この会社の株を役6割ほど保有していたのだ。

要するに株主総会での可決権が僕にありこの会社の支配権が僕にあるのだ。

だからこの人たちのクビを飛ばすことだってできる。

……しないけど。

ちなみに前にアルバイトをしようとしたのは社会勉強のためでお金じゃないよっ!

 

「パニックを起こしてしまいすみません……やっぱり死にます」

「とりあえず僕がいるうちは死なせないよ?自殺なんていいことないしね?」

「それは……実体験ですか?あ、聞いちゃダメなやつでしたよね……」

「……いや、大丈夫。もう気にしてない話だし」

 

なんて話しをながら公園を歩いていると急に大澤さんの顔が青くなり俯いてしまった。

 

「どうしたの!?大丈夫!?」

「あ、あいつがいるんですっ……!あの化け物がっ……!」

「ホント!?どこにいるかわかる!?」

「あ、あそこの木陰ですっ……!あそこからニヘラニヘラって笑ってるんですっ……!」

 

大澤さんが指差す先には成人男性ほどの背丈の不審者男性が木陰からこちらを覗いていた。

間違いなくあいつだろう……気持ちの悪い笑みを浮かべている。

……でもよく見えたな?ここから結構遠いのに……

 

「ありがとう……ちょっと下がっててっ!」

「わ、わかったっ!」

 

とりあえず知らないふりして声をかけようかな……どうしよう?

こっち見てますよね!?って自意識高い女ムーブでもするか……

それとも何かお困りですか?ってするか……これにしようかな?

覚悟を決めて不審者のもとに歩み寄り話しかける。

近くで男を見るとあの時の肉片と顔が一致している……確定だな?

 

「あ、あの!先ほどからこちらを見てるように見えたのですが何かお困りですか?」

「いやちょっと、お腹が空いててねぇ……どこから美味しいご飯屋さんとか知らない?」

 

今日だけで3人分も分身してるんだからそりゃあお腹空くよね……

 

「そうですね……近くのファミレスとかどうでしょうか?あそことても美味しいですよ?」

「いやハンバーグの気分じゃなくてね……学校とかの気分なんだよなぁ!」

 

男はいきなり僕の方を掴み持ち上げて食べようとしてきた。

本性表したな!?

 

「そんなことさせな“っ……ぇあ?」

 

急いで蹴り上げようと足に力を入れた……が、足は動かなかった。

いや、動かす足ごと消えていた……え、どゆこと?

 

「ごめんなさいごめんなさい……!お母様に褒めて欲しいんです……許してくれますか?」

 

その答えは背後から聞こえた声が答えてくれた……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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