メタルギアの世界に転生したので少しでも救える人を救いたい。   作:名無しのダンボール兵

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声帯虫

ある日のこと、クワイエットがマザーベースの兵士の一人へと襲いかかった。

アオイはそれを止めると、クワイエットを見つめて静かに問う

 

「……彼が、()()なのかい?」

「……ええ」

「そうか……以降、彼を一定期間隔離するように。責任はボクが負う。前々から言おうと思っていたけど、口数が少ないことは君の悪い癖だよ。話すべきことは話したまえ」

 

周囲のスタッフへ一人のマザーベース兵の隔離を告げたアオイは、クワイエットに一言の忠告を残して司令部プラットフォームの方向へと歩いて行った。

 

「何故アイツを隔離した!?何がしたい?」

「……やるべきことだよ。ボクがすべきことだ」

 

マザーベースの司令部には怒号が響いていた。

内通者や裏切り者といった類に敏感になっていたミラーが、独断で兵士を隔離させたアオイを糾弾しているのだ。

 

「それが何かと聞いているんだ!」

「ダメだ。君たちに話せばどんな影響があるか──」

 

ドンと机を叩く大きな音が響く。

ミラーは立ち上がり──半ばもたれかかるような形だが──アオイの白衣の胸元に掴みかかる。

 

「……離してくれるかな、ミラー?」

「お前が全てを話すのなら、俺もこの手を離してやる」

「話せない、前からそう言っているはずだ。こんな知識を抱えるのはボク一人でいい」

「いいや、ダメだ。なぜお前はいつもそうやって抱え込む?俺たちは──」

「自分がどう生きていつ死ぬのか……全てを知って送る人生なんて、くだらない作業と変わらないだろ?教える訳にはいかない」

 

ミラーの瞳を、その奥の炎を覗き込むアオイの瞳には、彼の炎に負けないほどの強い光が灯っている。

数秒間の睨み合いの後、先に動いたのはアオイだった。

彼女はミラーの手を払いのけると、彼が体勢を整えるよりも前に踵を返して司令部を出て行く。

 

「ボクはどう思われようとも構わないし、君たちがどうしようが勝手だ。それでも、ボクはボクの成すべき事を成す」

「……っ待て!」

「止めておけ、あいつの決意は今更揺らがない」

 

追おうとしたミラーを止めたのはオセロットだった。

サイファーが彼女を拷問したその時に聞き出そうとした情報とはまさに先ほどミラーが求めたものと同じだと彼は知っていた。

サイファーの拷問ですら引き出せなかったものを一人の仲間の説得で聞き出せるわけがない。

白衣を羽織った彼女の背は、どこか孤独で、寂しい決意を感じさせた。

 

司令室を出たアオイは、研究開発プラットフォームに建てられた彼女個人のラボへと足を運んだ。

 

「……そろそろかな。全身の機械化、上手くやれればいいんだけどね」

 

彼女は、自らの発明品を見てつぶやいた。

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