メタルギアの世界に転生したので少しでも救える人を救いたい。   作:名無しのダンボール兵

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グラウンド・ゼロ

静かにドアを開ける。

とある軍基地の地下、ここに俺は一人の女を救出しに来た。

この情報を教えてくれたのはパス・オルテガ。

彼女に救われた恩を返したいと言って、この基地をはじめとして研究者を監禁している施設や、拷問を行うような施設の知り得る限り全ての場所を俺たちに教えた。

そして、そのすべてに諜報員を忍び込ませ、発見されたのがこの基地だった。

銃を構え、室内をクリアリングする。

初めて会ったコスタリカと同じように、彼女の待つ部屋へと足を踏み入れる。

 

「……久しぶりだね、スネーク?君がボクの幻覚でないのならね」

 

確かな声で、しかし兵士を呼ばないように静かにそう言う女。

しかし、その服装はコスタリカで出会った時のような白衣ではなく袖のない拷問用の囚人服。

その肌にはいくつもの傷跡が生々しく残り、一部からはまだ出血している。

右腕はありえない方向へ向いており、おそらくは折れている。

 

「あぁ、この腕かい?気にしなくていいよ。君たちのことは何一つ話していないからね」

「無理して喋るな。笑顔も必要はない」

 

俺がそう言った途端、アオイは苦しげに顔を歪める。

やはり、気丈に振る舞っていただけなのだろう。

 

「じゃあ、少し早めに頼むよ。腕も足もどこもかしこも痛いんだ──ハハハ」

 

誤魔化すように笑うアオイ。

何故そんな振る舞いができるのか、少し恐ろしく思いながらも彼女へ近づく。

 

「いやぁ、長かったね。でも、君はここに来なくて良いんだよ。ボクは、命を賭して助けるほど価値のある女じゃない。頭の出来で言えばストレンジラブのほうが上だし、体もここまでボロボロになってしまったしね。それに、ボク1人の命とあの場所にあるみんなの命なら、どちらが大事かなんて分かりきってる」

 

そう言った彼女の拘束を解こうとしてそこまでして彼女はようやく俺が幻覚ではないことに気付いたらしく、何故か焦り始める。

 

「……え?本当に?本当に来てしまったのかい!?ボクなんかのために?ダメだ、ボス。君は今すぐ帰るべきだ。ボクなんかよりも、MSFのためにここから去るんだ!」

 

彼女はおそらくまた何かしらを知っているのだろう。

一人でここへ向かったのも同じ理由からなのだろう。

しかし、その言い分には納得ができなかった。

 

「アオイ、お前もMSFの一人だ。俺たちの家族だ。その果てにどんな悲劇があってもな」

 

そう言うと、彼女は安堵したようにも呆れたように見える表情で笑った。

 

「そうかい。なら、これ以上の反論はできそうにない。ただ、この先に待つのが酷い悲劇であるとだけ伝えておくよ」

 

そう言った彼女を連れて基地を脱出し、ヘリに乗り込んだ。

……そして、彼女が言った通りの悲劇を見た。

彼女は、これを防ごうとしたのだ。

 

「……本当なら、君をここから引き離したのはパシフィカ・オーシャンだった。だからボクは彼女を救い、その帳尻を合わせるためにサイファーへと向かった。……だけど、所詮浅はかなボクには止められなかった。ごめん」

 

彼女は目を伏せた。

 

「お前が謝ることじゃない、お前はお前のできることをした。それを責める筋合いは俺たちには無い」

 

『ボス──!敵機が─────』

 

次の瞬間、爆発と轟音。

俺たちの会話は、これが最後だった。




長らくお待たせしました
リアルが忙しくなってまいりましたが、のんびりと書いていきますのでよろしくお願いします
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