メタルギアの世界に転生したので少しでも救える人を救いたい。   作:名無しのダンボール兵

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ファントム・ペイン

「なぁボス?アオイという女を覚えているか?」

 

オセロットはスネークへそう問いかけた。

MSFの崩壊から9年。

あの日、一機の攻撃を受けた敵ヘリコプターが操縦を誤り、ボスの乗ったヘリに激突、スネークは重傷を負い9年間眠り続けていたのだと、スネークはそう聞かされていた。

 

「……現在の別名を鉄の魔女(アイアン・ウィッチ)。現地ソ連兵曰く、遭遇すれば命はない、鋼鉄を操る女らしい。鋼鉄を操る装置、MSFに居た技術者アオイの技術だ。」

 

オセロットはスネークが何か思い出さないかとその様子を伺うような仕草を見せる。

そしてしばらく間をおくと、また話し始める。

 

「実は、アンタの義手を作ったのは前にミラーの指示で回収した男一人じゃない。あの男が作った原案を元に、一人の技術者が改良を行い、完成させて俺達の元に届けた。もうわかるだろうが、それがアオイだ」

 

オセロットは、ミラーから預かってきたと言ってスネークとミラー、そしてアオイが三人で写った写真をスネークへ手渡す。

 

「今回は珍しく俺とミラーの意見が一致した。ボス、アンタに技術者アオイの回収を依頼したい。あの女がソ連兵を殺してまわっているのはおそらく、奴自身の拠点の防衛、そして俺達へ位置を知らせるメッセージだ」

 

オセロットはいくつかの円状の点が結ばれ、中心で重なっている図を差し出す。

 

鉄の魔女(アイアン・ウィッチ)の目撃情報は綺麗な円になってる。そして、その中心のこの場所がおそらく奴の根城だ。ボス、アンタを待ってる」

 

その時、雑務を終えたミラーがブリーフィングルームへとやってくる。

杖を突きながら、スネークの向かい側に座り、ボスの手を取って言う。

 

「ボス、俺からも頼む。アイツとの約束なんだ、必ず迎えを寄越すと」

 

ミラーはボスへ過去を語る。

ダイアモンド・ドッグズの設立の際、巨額の資金をミラーへ提供したのはアオイだった。

表の世界で発表した研究の成果による収入の8割強を何も言わずにミラーへ渡したらしい。

義手開発の際も、連絡した際には金の話も一切せず、たったの一ヶ月で完成させてみせた。

そんな彼女に電話口でミラーは問うた。

 

「何故、お前はそこまで?」

 

それは、彼がBIGBOSS無き組織に用は無いと、そう言われたからこそ出た疑問だった。

すると、彼女は何事もないように言ったのだ

 

「だってその組織はボスの帰る場所なんだろう?じゃあ、いつかは彼がここに迎えにきてくれるはずだ。ボクは信じているからね。キミ達のためならどんな支援も惜しまないよ」

「……っ、ありがとう。あぁ、約束する。必ずボスに、お前を迎えに行ってもらう。それまで、生きていろよ」

「当然だよ」

 

それが、二人の約束だとミラーは語った。

 

「ボス、身勝手なことはわかってる。それでも、アイツはアンタのために働いてくれた。パスがここにいるのも、チコがアマンダと共にニカラグアへ帰れたのも彼女のお陰だ。だから──」

「カズ、お前が頭を下げる必要はない。俺だって、恩があるはずだ。思い出せはしないが、それでも……迎えに行かない理由にはならない。ヘリを用意しろ、今から出撃する」

 

少し嬉しそうな表情をした後、ミラーが周りの兵に指示を飛ばす。

まるでMSFの頃の焼き直しのように、しかし今度は知らぬ技術者ではなく、自らの仲間を回収するミッションの始まりだった。




TPP編はもうちっとだけ続くんじゃ
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