薄幸の堕天使   作:怒雲

73 / 164
4

 

 

「いやぁ、オロオロしてるアクルちゃん可愛いなぁ。」

 

「ひっ。」

 

 

 リュエンに見られて思わず息を呑むアクル。

 

ラビィは、そんなアクルを庇う為に優しく抱き締め後ろに隠す。

 

「だからっ、アクルちゃんに変な絡みしないのっ!」

「あぅ……。」

 

 同性とはいえ、こういう風に抱き締められた事が無いアクルは、なんだか恥ずかしくて頬が赤くなった。魔王は頭の中で、キマシタワー、とか言っていた。

 

 それを見たリュエンは、とてもニッコリ。

 

「どうしたんだいアクルちゃん? そんなに顔を赤くして……もしかして、よくじょ……って、うわっ!?」

 

 

 言い終える前に、ラビィのウサ耳人形騎士が、リュエンの首を狙い素早く手刀を放った。

 

 

 リュエンはそれを、すんでのところで屈んで避ける。

 

軽く片手で自分の首を撫でて、それからリュエンは立ち上がって。

 

 

「びっ、びっくりしたぁ~……ちょっとラビィ! 今の当たるコースだったよ!」

 

「うるさいわよっ! バカッ! バーカッ!」

 

 

 まったくと、ラビィは照れてるアクルを優しく引き離す。

 

 

「……しかしアクルちゃん、小さいわねっ。」

 

そして、凄く細い。多分栄養が足りてない……やっぱり五区人なんじゃあ?

 

 

 

 

 

 アクルの表情は幼く、背丈もかなり小さい。背の高いラビィ自身はともかく、小柄なリュエンより小さい。

 

 

「そういえばっ、アクルちゃんって年齢はいくつなのっ?」

 

「あ、それは僕も興味あるなぁ~。」

 

 

 二人に好奇の目を向けられて、えっと、とアクルは呟く。

 

 

「十五歳、です……」

 

「えっ、十五……?」

 

 それを聞いて、ラビィとリュエンは顔を見合わせた。

 

「……僕よりいっこ歳上なんだね。」

 

「私よりっ、にこだけ下なのね。」

 

 つまり十四と十七である。リュエンは年下だと知って、アクルは少し驚きつつ、尋ねた。

 

「あ……えと、いくつくらいだと思ったんですか?」

 

「僕は十歳以下くらいだと思ってたよ。」

 

「私もそのくらいだと思ってたわよっ!」

 

 

 それを聞いたアクルは、少し項垂れた。つまり小学四年生以下くらいだと思われていたらしい。流石に、ちょっとだけショックである。

 

 

「……ん?待てよ? じゃ、じゃあ……つまり、まさか────!」

 

 

 魔王は驚愕した。つまりリュエンは、アクルを小学四年生くらいの……十歳児の女の子だと思って、セクハラ発言を乱発したという事である。

 

 

「なんという男だ……レベルが違うぜ……。」

 

 

 一人感心する魔王をよそに、お店に着いたわよっ! とラビィが笑った。

 

 

 

 

 アクルが見た感じ、自分の世界にもあったファミレスっぽい見た目である。お洒落な感じで、この五区には似つかわしく無い気がした。

 

「さぁて、お昼時だねぇ。」

 

 

 リュエンが上機嫌に中に入って行き、アクルもラビィの後ろから入って行く。

 

 

 中も、解りやすいファミレスといった感じだ。アクルは数回だけしか入った事が無いから微妙だが、自分の世界のもこんな感じだったはず。

 

 

「いらっしゃいませー。」

 

 

 焦点の定まらぬ目でニヤニヤしている女性店員に案内されて、アクル達は窓際の席に座る。

 

 

「ごゆっくりー。」

 

 

 ニヤニヤしながらそう言って、ふらふら歩いて行く店員を見ながら、やはり何か普通じゃないものをアクルは感じる。

 

 

「さぁて、何を食べよっか? ああ、アクルちゃんソーセージかバナナ食べなよ。」

 

 

 アクルは少し小首を傾げる。この店オススメなのだろうか?

 

 ちなみに、魔王はツッコミを放棄したという。









ちなみに、現在魔族サイドのキャラを募集してたりします。
詳しくはTwitterまで。遊びにでも来て下さい。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。