グレンタウンに生まれたから町を噴火から守りたい。   作:ヒノウジ

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閑話 父

 

 息子のトウジはとても静かな子供だった。

 

 夜泣きはせず、話せるようになっても騒がず悩んでいるような、思い出そうとしているような様子だった。

 

 

 トウジは4歳になると、ポケモンにとても興味を示した。直接触ろうと決してしなかったが、触れたくて仕方ないという様子だった。

 

 なぜ触ろうとしないかを聞くと、わからないと答えた。

 

 まだ教えていないポケモンの名前を呼んだ時、なぜ知っているのかを聞いたら、忘れたと答えた。

 

 そうだ…、忘れたと答えたのだ。物心つく前から言葉の意味を理解していて、俺や母さんの言葉を覚えていたのか、それとも…。

 

 さらに、グレンタウンという言葉を聞いて泣き始めて、とんでもないことを言った。

 

 ”グレンタウンが噴火によってなくなる”と。

 

 母さんはそれを聞いて、食器を落として割ってしまった。俺も何を言っているのか理解できなかった。

 

 すぐに聞き直しても、何を言ったか覚えていないようだった。

 

 とにかく、すぐにグレン山の様子を確認できるだけし、カツラさんや研究所の同僚や主任にグレン山の様子を聞いたが何も変わった様子はないと答えが返ってきた。

 

 

 そう、グレン山に異変はなかった。

 

 

 母さんにそのことを伝えて安心させることはできた。それと同時に不安になった。

 

 息子は、今も何かを思い出そうとしている。それがなんであるかわからないが、もし、思い出した時こちらから聞くべきなのかを。

 

 

 母さんと何度も話し合っている間に、息子は何度か気になることを言っていた。

 

 ”グレンタウンを守る” ”ふたご島のフリーザー”

 

 息子は、ふたご島のフリーザーと口にした。確かにフリーザーは伝説の3鳥として有名ではある。しかし、現在行っているふたご島の調査の目的であり、オーキド博士と研究所に所属しているわれわれ以外には、ふたご島にフリーザーがいるとは知らないはずだ。

 

 

 母さんも聞いてしまった以上、ふたご島の調査にフリーザーが関わっていることは教えることになった。同時に誰にも話してはいけないことも一緒に。

 

 

 なぜ、息子はふたご島にフリーザーがいると知っているのかとても気になると同時に、聞くべきではないという予感がした。母さんとも話し合い、今後はグレン山に異変があれば、お互いに伝えあうことを約束し、息子には何も聞かない方がいいだろうと決めた。

 

 

 

 

 

 

 

 ついに、トウジは忘れていた何かを思い出したようだ。今まで物静かで、あまり話さなかったトウジが、大きな声を出してポケモンが欲しいと言ったのだから、確実だろう。

 

 だから、見極めようと思った。ふたご島の調査に同行させ、まだ世に発表していない、復元した化石ポケモンを前にして、どのような反応をするのか気になったからだ。

 

 反応を見る限り、プテラのような巨大なポケモンを前にして怖がるどころか、近寄って触りたそうにしていた。プテラやカブト、オムナイトの名前を聞いても驚いている様子ではあった。

 

 トウジがプテラに乗って戻ってきた、一緒に抱えていたポケモンをタマちゃんと呼び、そのポケモンの名前がタマザラシであると知った時は偶然ではないと思った。主任に聞いたところ、タマちゃんと読んでいる理由は偶然であると思ったようだが、自分は予め、もっともらしい理由を考えていたように思えてしまった。

 

 

 家に帰り、タマザラシを最初のポケモンとして迎え入れてすぐに、トウジは10歳でジムチャレンジに挑戦したいと頼んできた。

 

 

 少なくとも、タマザラシはポケモンバトルに向かなさそうなのに共に、勝ってみせると宣言した。

 

 

 

 

 研究所でのポケモンバトルの結果を見ていると、化石ポケモンのカブトとオムナイトに勝ち越していることがわかった。実際にポケモンバトルの相手をした同僚に質問してみると、戦術も戦略もしっかりと練っていて、そのための訓練を毎日いろんな形で行っているとのことだ。まるで、何度もポケモンバトルを行ったことがあるかのような試合運びをしていると言っていた。

 

 

 家でしていることと言えば、タマザラシは転がっているだけで、唯一訓練らしいこととしては、みずてっぽうをいろんなアクションを交えて的に当てる練習ぐらいだ。どうやら、タマザラシはポケモンバトルの最中は、転がって移動しており、思った以上に速いとのことだった。

 

 家でトウジに聞くと、タマザラシは転がることが好きだからさせていると答えが返ってきた。ポケモントレーナーとしての腕は高いと評されていたが、タマザラシの好きなことを見抜き、長所を伸ばすようにしているあたり、想像以上にポケモンへの理解が高いことが分かった。

 

 

 トレーナーズスクールに通いだすと、座学も実技も成績が良く、可能な限り研究所に通いポケモンバトルやプテラの人を乗せての飛行訓練に参加していた。主任も化石ポケモンのバトルのデータが取れて喜んでいるようだった。

 

 

 技マシンに関しても、ジムへの挑戦を見据えて、8歳の頃に取り寄せられないか相談された。家にあるパソコンからタマムシデパートへアクセスすればいいと方法を見せると、すぐに使いこなすようになり、かえんほうしゃ、10万ボルト、れいとうビーム。サイコキネシス、どくどく、つるぎのまい、いわなだれ、でんじは、を10歳までに買っていた。

 

 どうやら、かみなりやはかいこうせん、ふぶき、じしんも欲しかったようだが、人気があるため、すぐに売り切れて買うことができなかったようだ。

 

 

 かねてより欲しがっていた、ほのおタイプのポケモンをゲットするために、ポケモン屋敷に行きたいと言っていたため、連れて行った。ブーバーが欲しいと言っていたため、道中の野生のポケモンを自力で倒すように言って、3階までの道のりを案内した。野生のポケモンを危うげなく倒すと1発でブーバーをゲットして見せた。

 

 家に戻ると、ブーバーにいろんな攻撃を訓練させ、技マシンのサイコキネシスを取り出し、ブーバーに覚えさせていた。なぜかを聞くと、ヤマブキジムとセキチクジムはそれぞれ、格闘タイプとどくタイプのジムだから、エスパータイプのサイコキネシスを覚えさせたと答えた。

 

 俺が聞きたかったのはそうではなく、なぜブーバーがサイコキネシスを覚えると知っていたのか聞きたかった。俺は、ブーバーがサイコキネシスを覚えるとは知らなかったのに…。

 

 

 

 カツラさんに認められ、クリムゾンバッジを手に入れたと聞き、3日後に出発したいと言われた夜、もう1度、母さんと話し合った。結局。何を思い出したのかを聞かないと改めて決めた。

 

 

 

 いつか、トウジの方から話してくれる日がくると信じて…。

 

 

 

 

 

 

 





 ヤマブキジムは格闘タイプとエスパータイプのジムのどちらにしようか迷いましたが、まだ、エスパータイプのジムには変わっていない設定で行きます。
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