誤字報告ありがとうございました
女神ステンノのいた島から船でローマに戻って来た。操舵をやりたがるネロを何とか抑える事が出来た。止める手伝いをしてくれた金時に感謝だ。
「うむ、港に戻って来たな。カルデアのマスターの操舵は、安全であったが何とも激しさが足らんかったな!」
「汝のは激しさの前に身の危険を感じるがな。吾も何度か堕ちそうになったぞ」
「はは、まあ、着いたので許してください」
そう言って、僕はほっとなでおろす。無事について良かった。
「まあ、三半規管の修行には持って来いであったな。マスターはもう一度乗って行くか?」
「スカサハさん、以前、弟子じゃないマスター達には無理はさせないとか言ってませんでした?」
「うむ、儂も最初は思っておったが、良く考えたらマスターが動けた方が都合が良いとな」
スカサハの言っていることは正しく、僕も動けた方が良いとは思う。けど──
「姉御、マスターはクー・フーリンの兄貴じゃあないぜ?そこの所頼むぜ…」
「儂が何人の弟子を見てきたと思っておる、匙加減は判っておる、心配はいらん」
心外だと言う風にスカサハは金時を睨む。
「…汝の行動にそれが見えんかったから、金時が忠告しとるのじゃろ」
「……そうか、儂はこれでも弟子に優しいと自認しておったがの」
しかし、茨木まで同意したことで、さすがに思うところがあったようだ。
「どうしましょう?クー・フーリンさんがすぐに首振りそうな事を言ってますよ、彼女」
「…知るかよ、ほっとけほっとけ」
「…モードレッドさん、先輩の為にももう少し…」
リップの質問に雑に答えるモードレッド。マシュの言う通り、もうちょっと助けてほしい。
「マスターが生き延びる確率なんて、上げるだけ良いだろ。まずそうなら、止めりゃあ良い。それだけだと思うぜ」
「そうでしょうか?」
「えっと、私にはどう言ったらいいか」
「お前等は少し過保護気味だぜ?もう少し、マスターを信じてやろうや」
「まあ、はい。信じてはいますよ?ただ、過保護ですか…」
あ、モードレッドの話でそっちの方向に行っちゃう。頑張ってリップ。
「汝等も聞いてたら何をウダウダと言っておる?というよりも、マシュ汝はあれを受ける側であろう」
「…ああ、そうでしたね」
「そんなにいやなのかお主等」
ごめん、弁護できないよスカサハ。
「――うむ、ローマには此処を通るぞ」
「うん、判りました」
《僕もとりあえず、そのルートに賛成かな》
ネロとスカサハの機嫌が直った頃、ネロを先導に僕達はローマに向けて進行する。
「よし、では行くぞ!」
「うん、ほらみんな行くよ?…なに、マシュ?顔色悪く無い?…リップも何か落ち込んでる?ねえ、何があったの?」
「…大将、しっかりと気を持って行こうぜ」
「え、本当に何があったの⁉」
理由の判らない僕を金時は肩を叩いて応援するが、されても状況は理解出来ないのだが。
結局誰も語らなかったので闇の中だが、ローマに戻る為に僕達は再び馬での移動となった。馬に乗れないリップも、金時とバイクで追走する形となった。
森を超えて、荒野に出ると待ち構えていた連合兵士が道を塞ぐが、サーヴァントはいないようなので特に消耗も無く切り抜けた。だが、少し進むとまた連合兵士と出会した。切り抜けるも、何やら可怪しい感じがした。この遭遇にスカサハやネロも怪しみ、ドクターに周囲の反応を確認して貰うと、先程の連合兵士は今までのそれとは違い、何かしらの強化あるいはサーヴァントの宝具が関係していると判明した。そして、それが意味する物が向こうから現れた。
数百の兵士を連ねた鍛えられた肉体に槍と盾を持つ戦士、スパルタの炎門の守護者レオニダスだった。数百対数十。相手との戦力差は歴然であり、相手は守護に長けた強者、此方の戦力では短期決戦しか無かった。
「我が盾を砕く程の勇が貴様達にあるか!!」
「…ふむ、宝具による守りか」
「どうする、カルデアよ?余は無論正面突破が望ましいぞ?」
「うーん、茨木行けそう?」
「汝がどういう判断で言っておるか、興味はないが舐めるな」
茨木はめんどくさそうにしつつも、レオニダスをしっかりと見つめていた。
「うん、なら茨木があのレオニダスをよろしく。金時はもしもの時ね」
「おう、任せろ大将」
「なら、モードレッドと儂でその他をやるか」
「あ?宝具か?…良いぜ」
「リップはうち漏らしをお願いしても良いかな?マシュは僕とネロを守って!」
「「はい!!」」
レオニダスのその炎を纏った姿は大きな威圧感を此方に与えるも、此方にも強者はいる。毒沼も焼き切った茨木の炎は、レオニダスの炎にも負けていなかった。スカサハ、モードレッドの宝具を使用して、数の不利を同等まで持ち込む。しかし、そのせいで、茨木とレオニダスの一騎打ちとなっていた。その中でも手こずる相手にはリップと金時が対処した。マシュには、遠方からの投擲から僕やネロ達を守る為に頑張って貰った。そして、一騎打ちを行っていたレオニダスと茨木は、レオニダスの盾と槍の連携を骨刀で受けつつ、攻撃の機会を伺う茨木だった。リーチの長い槍とびくともしない盾にレオニダスの技術が茨木を苦しませるも、レオニダスの方も茨木の炎よる奇襲や身のこなしで攻め切れないでいた。
「貴方、中々の防御、いや生き残る術をお持ちのようだ」
「フン、貴様もその槍と盾、中々に厄介だ!」
「ええ、鍛えてますから、簡単に貫く事は出来ませんよ!」
「チィ、本当に厄介であるなぁ。骨刀では奴の盾は破れんし、炎も何か肉体で耐えて来るし、もしかして、相性悪いかぁ?」
「ええ、この鍛えた身体、炎ごとき耐えきって見せましょう!」
「カッ!言ったな、では、吾の特大を貴様に喰らわせてやろう!走れ、叢原火!!」
「ムッ!!」
「
巨大に燃え上がる茨木の右腕、それを見たレオニダスは思わず盾を構え、各が失策を痛感した。あれは避けねばならないと、守る事に長け、護らねばならぬ者の為に耐えてきた私が!――ああ、やはり、護るべき者なき私は――ふっと、力を抜いたレオニダスを巨大な右腕が掴む。そして、飛ばした右腕を再び、取り戻した茨木は、レオニダスに最後の攻撃を行う。
「十を数えて骨となれ!
苛烈な十連撃、たとえ鍛えた肉体であっても心の折れたレオニダスには耐えられる物では無かった。炎の中、レオニダスは己の無念さと茨木への称賛を胸に静かに消滅した。
レオニダスの消滅に合わせ、彼の宝具、
そして、僕達は無事にローマに戻ってきた。ガリア奪還の凱旋に民は叫び、祭りとなった。ネロの館に戻った時には、ネロ含め疲れていた。しかし、落ち着く暇も無く、伝令が入る。帰還中の特別遠征軍と呼ばれるネロの部下が連合帝国に囲まれていると、ネロは申し訳なさそうにするが僕達は援軍に行くと言うと、頼むと送り出した。
時間との勝負なので、金時のバイクをフル活用だ。先に僕と金時がバイクで先行し、スカサハのとマシュが馬で追う。リップとモーさんには留守番を頼み、レオニダス戦で疲れた茨木は休ませた。特別遠征軍はすぐに見つかった。囲まれた状況だったので、僕はヘルメットに金時の身体に捕まって、金時に宝具を使って貰った。
「お願い、金時!」
「しっかりと捕まっててくれよマスター!
雷を纏うゴールデンベアー号は、連合兵士をふっ飛ばしながら円を書くように走った。止まった時にはクレーターでも空いた様な状態だった。
「凄い衝撃だったが、援軍って事で良いんだな?」
「荊軻さんと呂布さんだね!うん、ネロ皇帝に頼まれて援軍に来たよ!」
「――――――!」
「うん、こいつも喜んでるよ」
白い着物のお姉さんと赤い鎧を着た武人、それが荊軻さんと呂布だった。
「マスター、向こうの援軍が来たぜ!」
「うん、でも、こっちも来たね」
「マシュ、操縦を任すぞ!」
「はい!」
「殺しはしない、が、痛いでは済まぬぞ!
高く飛び上がったスカサハのオーバーヘッドから放たれる、無数の槍が援軍の鎧に武器に盾にと破壊していった。その一撃でこの戦闘は終了した。荊軻に呂布、その部下の救出に成功した僕達は、先程の戦闘で無力化した連合兵士を捕虜としてローマに連れ帰った。
帰った僕等はネロの歓待を受けて、次の進行作戦に向けて英気を養うのだった。
夕食後、僕と金時、呂布はネロのご厚意でお風呂をいただいていた。
「ふう、このお風呂も久しぶりだな」
「おう、オレっちの時代にもこんなのは無かったからな、お湯何だが気持ちいい物だな」
「うん、呂布はどう?」
「――――!」
サムズアップする呂布。
「言葉は判らねぇが気持ち良さそうだな」
「スパルタクスも好きって言ってたし、バーサーカーって、お風呂好きなのかな?」
「そいつはどうか判らねぇが、こんだけのを嫌う奴のが少ねえな」
「それもそうだねえ」
「―――――!?」
その後の風呂上がりに呂布の筋肉と金時の筋肉を比べあっていた。
特異点ばっかでカルデア内をかけてないや
今年も終わります。皆様良いお年よ