僕のカルデア日誌   作:kanaumi

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これでローマ編を終わります。


ローマでの一幕⑥ 永遠なるローマ

 

 色々と飛ばして、現在を話すと僕等は連合ローマ帝国首都を目前としていた。あの後、囮として部隊を展開した僕達に敵は真正面から襲撃して来た。会敵そうそうに、先陣を切ってまるで雷の様に進む敵がマシュとネロがいるエリアに突撃してきた。放たれた初撃をマシュが防ぐも、彼の駆る愛馬の勢いで後退させられる。そして、ネロと一対一となった。そこでかわされた内容はネロから聞けなかったが、援護で来た茨木とブーディカに復帰したマシュの四人で彼、アレキサンダーⅢ世は倒された。そして、ほぼ同時にモードレッドとスカサハにより、潜伏していたロード・エルメロイⅡ世も倒された。サーヴァント2基を失った連合ローマ軍は、止まらぬが脅威では無く、此方の兵士とサーヴァントで無力化した。戦果は大勝であり、ネロのこれまでよりも気合の入った勝鬨で終戦となった。そこで、冒頭に戻る。

 連合ローマ帝国首都が目前にあるこの地点で、今夜は簡易キャンプを敷き、明日早朝から進撃する事となっている。敵地の前と言う事で、兵士は緊張し、僕等カルデア組やサーヴァントも否が応でも決戦が近い事を理解している。そして、今は最後になるだろう夜を過ごしていた。

「先輩、ついに辿り着きましたね」

「うん、此処に来るまでで沢山合ったけど、恐らくこの戦いで最後のはずだ。…でしょ、ドクター」

『ああ、あの都市に聖杯の魔力反応が出ている。だから、あそこに聖杯或いは準ずる何かが有るはずだ!』

「明日は速攻が鍵だ。強行軍になるだろう、マスターもマシュも早く休めよ?」

「うん、火の番は皆で交代だったよね、スカサハだって休んでよ?」

「はい、サーヴァントと言っても疲れる物と教わっています!」

「お主等に心配されんでも心得ておるが、まあ、受け取っておこう」

「あ、ドクター達もだよ?明日はドクター達にも働いて貰うんだし」

『ハハ、それこそ心配無いよ。確かに職員は少ないけど、召喚されたサーヴァントの皆も手伝ってくれているからね』

『おう、機械は兎も角魔術は一日の長って奴だからな』

『…不慣れだが、なんとかな』

『今はクー・フーリン君やジークフリート君が手伝ってくれているからね。君達は自分達の心配だけしてくれればいいさ』

「うん、ありがとうダヴィンチちゃん、クー・フーリン、ジークフリート」

『さ、2人は寝る時間だよ』

「うん、おやすみなさい」

「おやすみなさいです」

 皆におやすみを伝え、僕はテントに入る。客将と言う事で少し豪華なテント内で少し明日を想像する。思えば、フランスでも似た様に想像した気がする。あの時は、敵の城を落とす為に奮闘しなければならなかった。今回は、どうだろうか?味方の数はフランスよりも多い。でも、敵も恐らく多い。対軍宝具で一掃?いや、首都にも一般人がいるからダメだ。向こうのサーヴァントは、兵力は?……………ああ、ダメだ。寝よう。

 

 そして、夜が明けた。

 

 

「さて、余と余の剣たる貴様達が向かうのは、忌々しくも《皇帝》を僭称せしめる偽物のローマである!今一度、貴様達、余の剣の力を結集し、僭主共を尽く打倒せ!我が剣は原初の情熱(ほのお)にして、その剣戟の音は、宙巡る星の如く!その音に聴き惚れよ!しかして称え、喝采を上げよ、我が剣達よ!!!」

 ネロの突き上げた拳に大きいな咆哮が響く。兵の士気を上げるその姿は正しく頂に立つ皇帝の姿だった。

「…凄い」

「うむ、兵の士気も十分に高まっておる」

「ああ、見てるだけでオレっちも上がるぜ!」

「でも、オレ達は後方から何だよなぁ」

「うん、モーさん達は切り札に近いからね。ネロも前線で暴れるよりも大将格に確実に当たって欲しいって」

「わーてるよ、言っただけだ。此処が大事な場面なのは判ってるよ」

「でも、温存によって兵士の皆さんが傷つくのは少し思う所が有りますね」

「マシュさん…」

「まあ、思うのは良いが、思い過ぎるな。儂等を大将格に確実に当たらせる為の犠牲となると決めた者達だ。儂等が犠牲に報いれるには大将を討つ事だ。思いで鈍らせるなよ」

「……はい」

「汝、キツイなら後ろにいるか?吾はそれでも一向に構わんぞ」

「……いえ、私も戦います」

「…フン、ならばやってみせるが良い」

「はい!」

「…マシュさんも大丈夫そうですね」

「うん、マシュは強いからね」

 そして、僕達は連合ローマ帝国首都に乗り込んだ。

 

「我が剣達よ、迷わず進め!足を止めるな!」

「オオオオオオ!!!」

「───!」

「ついに!解放の時は来た!さようなら(圧政)!!!」

「…呂布にスパルタクスを都市内はムチャだったかな」

「ブーディカ、もう遅いぞ」

「…だよね」

 戦いの先陣は2基のバーサーカーが務めた。その圧倒的な暴力は連合兵、先導された民、建物問わずをなぎ払い突き進む。それは波を掻き分ける船のようだった。そして、掻き分けられた道をブーディカと荊軻が率いる兵士達が進み、その後をネロとカルデアが進む。バーサーカーの活躍で、市街を凄いスピードで進んで行った。目指すは中央の王宮だ。

 

 

「此処からはネロにカルデア!あんた達で行きなさい!私達は此処で食い止めて置くから!」

「ゆけ!叛逆者達よ」

「──!!(グッ)」

「しっかりと決めて来な!…本当は私も行きたいけど」

「ああ、任せよ!」

「ブーディカに荊軻、呂布にスパルタクス、ありがとう!」

 王宮下に辿り着いた僕達は、ブーディカ達に背中を押され、王宮内に乗り込んだ。そして──

 

 

ローマ

 

 そこには巨躯の人、いや、ローマそのものがいた。

 

 

ローマ

 

 あまりにも強いそれにネロは思わず、頭を下げかけた。しかし、それを止めたのはあのアレキサンダーへの宣言に首都の民の顔、そして、近くで構える我が剣達で合った。ネロは宣言する。ローマの建国王、神祖ロムルスに、

「余こそが!ローマ帝国第五代《皇帝》である!いかに誉れ高きローマを築いた建国王であっても、此の世で《皇帝》を名乗って良いのは余のみだ!!故に、僭主たる貴様を我が剣達と共に討ち倒そうぞ!!」

「許すぞ、ローマ帝国第五代《皇帝》ネロ・クラウディウス。私の愛(ローマ)お前の愛(ローマ)で蹂躙してみせよ!」

「ゆくぞ、皆の者、此処に皇帝として、余の愛で建国王を討ち倒す!」

「うん、行こう、皇帝ネロ!」

「その勢や良し、魅せようぞ!我が槍、すなわち──」

 

──(ローマ)が此処に在ると言う事を!!

 

 

 

 最初に打ち合ったのは、ネロだった。

「我が剣を受けよ!ハァアッ!!」

お前の愛(ローマ)お前の嘆き(ローマ)、そして、お前の獣性(ローマ)は全て、私が許そう!さあ、(ローマ)としてのお前の在り方(ローマ)(ローマ)に示せ!」

 ネロの剣はロムルスの持つ槍に阻まれる。

「ネロだけじゃねぇぞ!ローマ野郎!!」

「偶にはモードレッドに合わせるか、ヤァアッ!!」 

 ネロの攻撃を阻んだ所にモードレッドとスカサハが飛び込むだ。振り降ろすプリドゥエンに隠れる様に紫の槍が疾走る。

「フンッ!─良い、そなた等も強き者(ローマ)である!」

「ちっ、オレはブリテンだ!」

「モードレッド、疾く退け!──羅 生 門 大 怨 起(らしょうもんだいえんぎ)!!」

 モードレッドとスカサハの一撃を肉体で受け止め、振り払うロムルスに叢原火が疾走る。

「グゥぅ、良い、だが、私の愛(ローマ)も受けよ!」

「茨木さん!」

「オレっちもいくぜ!オラァァァ!」

「私だって、ハアァァ!」

 茨木の宝具を受けたロムルス、しかし、すぐに槍が茨木を襲う。それをマシュが盾で防ぎ、お返しを金時とリップが食らわせる。

「ハアアァァァ!」

「グゥッ!──力も強いな」

「キャッ!」

(ローマ)は此処ローマと同義、故に、偉大(ローマ)である!さあ、人理(ローマ)ネロ(ローマ)よ、刮目するが良い!──すべては我が槍に通ず(マグナ・ウォルイッセ・マグヌム)る!!!」

 金時の放った拳に拳で対抗し金時と余波でリップを弾き飛ばすロムルス。そして、ロムルスの後方から偉大な光が射し込む。突き立てられた槍からローマを建国する。夥しい量の樹木が槍から伸びていく。

『まずいぞ!膨大な魔力反応、ロムルスの宝具だ!』

『…建国王、此処にローマを建てる気かな?』

「臆するな!いかなるローマで在ろうと、ローマとは民の笑顔が在る場所、それこそがローマで在る!あの巨木にいかなる理想や歴史が有ろうとも、そこに笑顔が無ければローマで無い!ローマで無いならば、それはただの巨木に過ぎん!故に、我が炎が建国王、神祖ロムルスの巨木を打ち払う!原初の火(アエストゥス・エストゥス)受けよ、ハアアァァァ!!!」

「──眩い愛、いや、ローマだ」

 ネロが放つ眩い炎はロムルスのローマを飲み込んだ。

 

「…ネロよ、永遠なりし真紅と黄金の帝国。そのすべてをお前と後に続く者達に託す。…忘れるな、ローマとは永遠なのだ。故に、世界(ローマ)は永遠で無くてはならない。心せよ……」

「…神祖、ロムルス」

「ローマであった」

「…ローマ、である」

 そして、ロムルスは光の粒子となって、ローマへと旅立った。

 




…え、レフ、アルテラ?…ローマにいなかったと言う事で、次回にナレで書きます。
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