「レイシフト、完了。いかがですか、先輩?」
「…うん、大丈夫。他の皆は?」
「私は無事ですよ」
パッションリップが手を挙げる。
「…マシュ、ブーディカの菓子はあるか?」
「茨木さん、レイシフト前に食べてましたよね?」
茨木はマシュに菓子をねだる。
「ますたぁ、私は此処に」
清姫も答える。
「ウォゥフ」
ヘシアン・ロボもこちらを見て返事する。以上が今回のメンバーだ。金時は何となく来たくないと断られ、モーさんも嫌な予感がすると辞退。キャットとブーディカは食堂が忙しいと、ジークフリートはすまないと辞退した。スカサハとクー・フーリンも修行中との事。マリーは管制室のお手伝いをするそうだ。
まあ、メンバー事情はこれくらいにして、特異点の状況だが…。
「わあ、これはハロウィンと言う物ですか⁉」
「うーん、お墓にかぼちゃに怪しい雰囲気、ハロウィンじゃないね」
『あらら、直前にハロウィン言い過ぎたかな』
『ロマニが季節行事を大切とか言うからだろ?』
『でも、楽しいのは歓迎よ』
「そうですね、でも、ハロウィンですか、私見た事ないですね」
「はろうぃん?何だそれは?」
「えーと、ハロウィンとは、あそこにあるかぼちゃで作ったジャック・オ・ランタンと言う物を家等に飾り、悪霊等から身を守るお祭りですかね?」
「まあ、日本じゃあ魔女やかぼちゃを被ったりのコスプレパーティーだけど」
「…でしたら、ますたぁの為に私も魔女の格好を!」
「それと、お菓子をくれないといたずらしちゃうぞっと言う謳い文句でお菓子を貰う事も有るとか」
「うん、僕も学校でお菓子を貰いに練り歩いたよ」
「なぬ、お菓子とな!おい、汝、お菓子をくれないといたずらするぞ!」
「いや、僕持って無いけど、いたずらするの?」
「…何だつまらん」
「…ん、ロボさん、何か見つけました?」
「ウォフ!…(ふい)」
「…そちらは、…街でしょうか?何故か、事件の匂いがします」
「──!!(ブンブン)」
「え、ヘシアン?どうしたの?」
「マスター、何やら向こうに街が有るみたいです」
「なんだって⁉…此処の事情を集める為にも行こうか」
「了解です!」
僕達は近くに見える街に向かった。
西洋風の街に辿り着いた僕達は、静まりかえっている街の雰囲気にも困惑していた。夜というか暗いのはそうなのだが、それにしても静かであった。民家には灯りが灯もっている様だが、それでも静かだ。ただ、困惑はそれだけで無く、視界の端をチラつき続けている物に対してもだった。
「いや、え、何あの違法建築⁉」
「─城、ピラミッド⁉」
「刺さってますー⁉」
「あら、あそこに鐘を乗せてバランスを取りましょうか?」
「阿呆か、余計に異型な物になろうが」
「………フ」
『うえ゙ぇ゙、何あれー⁉』
『あら、とっても斬新なデザインね。ステキかはわからないけれど!』
『いやー、あれは私も思いつかないなぁ』
視界の端にピラミッドの金ピカが掠っていてとても視界がうるさい。というか、なんで城に刺さっているんだ。建てたのか、あれを⁉てか、あの城事前の情報ならチェイテ城なのか⁉判らない、状況が判らない!
「ロマニ!あれって、チェイテ城⁉」
『………………………………………………うん、多分、自信無くなったけど』
『…そうね、御城の造りは、何処かで見たような形よ?』
『そうか、君の生前はまだチェイテ城は残っていたっけ?まあ、御城と言ったら大小あれど似た様式で造るのかな』
『ム、似た様なと言う発言は気をつけなよロマニ、敵を作りかねないぞ』
『え、うん』
「で、特異点の原因ってあれって事⁉修正ってどうやるの⁉」
「いえ、ウリ坊さんの島の時は聖杯を回収したことで解決しました!今回もそれで良いかと!」
『うん、あれを直すのは無理だ。例え、建築家のアントニ・ガウディでも匙を投げるよ』
『私も触りたくないな、胃もたれしそうだ』
『でも、住んだら楽しそうね』
『その前に、上のが落ちそうで落ち着かないよ〜』
「おい汝、あそこに灯の付いた所が有るぞ」
「ロボさんも食べ物の匂いを感じるみたいですよ?」
「うん?何だろ、レストランかな」
「れすとらん、食事所でしたね。ますたぁ、お昼はまだですよ?」
「違うよ⁉最近、沢山食べるけど違うよ⁉」
「ウォン(くい)」
「あ、ごめんね。そうだね、一先ず行こうか」
ロボに引っ張られ、灯の付いた建物に向かうのだった。
扉が開くと、カランカランと軽い音が来訪者を告げる。店主が振り向くと、狼に咥えられた人が立っていた。でも、此処は旅人の集まる酒場、変人個人にどんちゃん騒ぎは日常茶飯事、咥えられる位は経験済み、何ならかぼちゃに乗っ取られた人もいた。今の人は正常みたいだから大丈夫。落ち着くのよ、私は店主にして女将でママなのよ。しっかりと笑顔で受け答えるの。例え、狼から涎が垂れているのが見えてもね。
「いらっしゃ〜い♪出会いと別れを司る、マタ・ハリの酒場にようこそ〜!」
「いらっしゃ〜い♪出会いと別れを司る、マタ・ハリの酒場にようこそ〜!」
「あ、はい。…酒場か、初めてだ。どうしよう」
「グルルルゥ」
「ねえ、ロボ、そろそろ放して」
「──⁉(ビクッ)」
「わわ、ヘシアンどうしたの⁉」
「あら、大胆ね、酒場は初めての方ね?じゃあ、旅の仲間の好みはいるかしら?優しい人、怖い人、難しい人、弱い人、ばっちい人、色とりどりよ♪」
「え、じゃあ、有能そうな人を」
「はい、オーダー入りました〜!有能そうな人でーす」
「ヘイ!」
「旦那!旦那!お呼びでっせ〜!」
「へいへい、声がデケーよ。聞こえてるよ」
「は~い、ロビンフットさんをご紹介〜♪」
「…ごめん、ロビンフッドだっけ、降ろしてくれない?」
「……ハイハイ」
ロビンフッドは何も言わずに降ろしてくれた。
「ありがとう、えーっと、ロビンフッド!」
「ああ、…金ないから登録したら面倒くさい目に遭う気がする奴に出会ってしまった。不運かぁ」
「ごめん、何か流れで呼んじゃって」
「あー、まあ、状況は見てましたよ。…それにしても、おたくも不憫だな、こんな時期に来るなんて」
「え、どういう事?」
「ウォフ」
「ん?ロボ、どうかした?」
「──⁉(チョイチョイ)」
「…向こう?」
「…おたく、知り合いが外にいるかい?」
「うん、仲間が外に」
「…襲われたか、…はぁ。…えーと、おたくマスターでしょ?仮契約するから急いで出るぞ!」
「え?」
「ウォーン!!」
「急ぐ!」
ロビンフッドと仮契約を結び、ロボに連れられ外に飛び出た。
飛び出た僕が見たのは、大量の仮面の騎士に囲まれたマシュ達だった。
「先輩!」
「どういう状況⁉」
「すみません、私達も何が何だか⁉」
「マスター、ドツキ飛ばして良いですか⁉」
「ますたぁ、燃やしますね?」
「もう、吾は燃やしたぞ」
「えー?ロビンフッド、何か知ってる?」
「…お仲間さん、強いねぇ。…ああ、この戦力なら、応戦しても問題ないぜ」
「オッケー、みんな応戦しちゃってー!」
「もうしておるが、なぁ!!」
「いえす、ますたぁ、燃やし、ま〜す♪」
「わわ、あっち行って下さい!」
「はい!マシュ・キリエライト、応戦します!」
「グルルルゥ、ガァァ!!」
僕の音頭に皆は、騎士に応戦し始める。茨木が骨刀で盾を弾き、清姫は騎士達を燃やし、マシュがシールドバッシュで騎士を倒す。リップが騎士を持ち上げ集団に向け投げ、ヘシアンとロボは爪と双剣で切り裂き、ロビンフッドが弓でアシストする。応戦開始からものの数秒で勝負がついた。逃げ惑う騎士を見送って、僕達は改めてロビンフッドから事情を聞くのだった。
メンバーの選考は割と適当で、リップとマシュは確定で、茨木と清姫はイベントにいて、ヘシアン・ロボは持ってたので。待機組の理由も割と適当でメギストスⅡ無いし、サーヴァントの自由意思で参加方式です。一部除く