洞窟の前でいつの間にか30分も時間を潰していた僕達は、洞窟内にて待ちぼうけとなり怒り心頭の女王様を前に土下座を敢行しようとしていた。ただ、彼女が土下座を知らなかったので、意味は無かった。でも、
「まったく、ファラオである私を待たせるとは、恐れ知らずの不敬者ですね!」
「いやー、僕達も待たせるつもりも無かったんだよ」
「はい、こう、間が悪かったと言いますか」
「いえ、私もそこまで怒っておりませんので、もう良いです。しかし!今の城に行くと言うのであれば、ファラオと会うという事、不敬な態度を取ることのないように心得る事です!」
女王樣は僕達を真っ直ぐと指し示す。
「そういやぁ、今の城主はファラオ樣何だったな、女王さんはどんな人か知っているのか?」
「………いえ私もピラミッドが落ちて来てから同じファラオとしてご挨拶に向かおうと思っていたのですが、一人で向かうというのも不敬でありまして」
急に絶えず言葉を放ち始める女王樣、その姿に少し引くロビンと僕達。彼女の中々に生真面目で気難しい性格が災いしていると言えるのだろう。
「お、おう、知らないんだな」
「じゃあ、女王樣も一緒に行く?一人で不敬なら皆で行けばならないよね?」
「え、ええ、まあ、そうですが…いえ、ええ!貴方達は中々にファラオポイントも高い様子ですし、ええ、同行を許可します!」
「…ファラオポイントってのは?」
「ファラオから見て、こいつは不敬で無いなと判断する基準となるポイントです。今、貴方達は3ポイントです」
「ポイント制⁉ファラオの判断基準それで良いの⁉」
「ええ、ファラオとて、臣下に値する者を選別する際に基準と言う物が必要です!…まあ、直感で判断出来る方もいますが」
咳払いで後の方を濁す彼女。偉そうで横暴という割に、自信の無さを感じるのは何故だろうか?ファラオ何て、世界史を取ってない僕でも知ってる偉い人だ。ワゥァハハとか笑っていても不思議じゃない。でも、彼女からはそれを感じ辛い。彼女を評したロビンに聞いても良いけど、何かいつか解りそうだから良いか。
「さて、じゃあ女王さんも同行で良いな?」
「貴方達が私に同行ですが、細かいので良いでしょう。…ああ、そう言えばまだ互いの名前を言っておりませんでしたね。貴方達もファラオたる私の名前を知らずではこれからに支障をきたします。では、心して拝聴しなさい!我が名は、ニトクリス!かつて、エジプトを治めた女王であり、ファラオである!」
『なんと!ニトクリスだって!』
『女王樣だったのね、だからそんな素敵な装飾を身に着けていたのね』
「……ニトクリスの鏡?」
「はい、ニトクリスさんが持っていたとされている鏡ですね!」
ゲームからの知識だけど、名前だけ聞いた事が有る。
「ええ、所持しています。まあ、使う事はそう無いでしょうが」
「あっと、こっちも紹介しなきゃだね。僕はカルデアのマスターをしてます」
「マシュ・キリエライトです!」
「ふむ、では同盟者と呼びましょうか。同盟者とマシュ、よろしくお願いします」
「後は、リップと茨木と清姫とヘシアンとロボだね」
「マスター、時間が無いからと纏めないでください!」
「吾は別に構わんが、緑の人はお菓子を寄こせ」
「お前は食い過ぎだろ」
「ますたぁから、紹介されました。清姫です」
「ウォフ」
「───(ペコリ)」
「…あら、貴方達、変わった気配ですね。…まあ、同盟者とはいえ、深入りすべきでは無いですね」
一通りの紹介を終えた僕達は、ニトクリスを先頭に洞窟を抜けた。此処からはダイジェストでお送りしよう。
洞窟を抜けた先は何故か極寒の雪原だった。凄く吹雪いているし、同じ国だろうか?吹雪の中を襲って来るエネミーを蹴散らしながら雪原を越えた。
雪原を越えた先は溶岩地帯だった。溶岩地帯だった。どうなっているこの特異点。一本のゲームでも此処まで積み込まないぞ。というか、雪原の次が溶岩地帯は可笑しいだろ。引き続きエネミーを倒して進んでいたが、不意の一撃で清姫が溶岩に墜ちてしまった。すぐに助けに行きたかったが、此処ぞとばかりの物量戦を仕掛けて来て、終わった時には清姫の姿は、変わらずに泳いでいた。溶岩を泳いでいた。思わず目を疑った。いや、疑わない方が可笑しい。妙に艶々した清姫はますたぁへの愛の力と力説するが、愛で溶岩を克服しないでくれ。…ああ、清姫は愛で竜となった子だった。これには茨木もニトクリスも引いていた。
溶岩地帯を越えた僕達は、冬の寒さ(強)と夏の暑さ(超強)を感じて肌感覚がバグって、今が暑いのか寒いのかわからない状況だが、やっとたどり着いた!眼の前には、遠目から見て訳のわからなかったピラミッドとお城、今見ても訳のわからないそれを前に僕達は謎の達成感を噛み締めていた。
〜???〜
「結局探してもアイツいないしで、洞窟来たけど何も無いじゃない!此処って、変な魔術師がいるって噂の場所でしょう?なんで誰もいないのよ!子イヌも相変わらず見つかんないし、私別に1人旅縛りなんてして無いんだけど⁉何で1人なのよ~!!」
森でロビンフッドを探していた勇者エリザベート·バートリー。しかし、ロビンフッドは先にカルデアと合流を果たして、先に進んでしまっていた。そんな事は知らないエリザベートだが、見つからない者に拘るたちでも無い。妥協は天敵でも、時には必要。捜索を諦めて、酒場で噂の偉そうで変な魔術師を探す方にシフトした。何でも冒険者が洞窟に迷い込むとファラオ云々のうんちくを御高説し、街まで魔術で飛ばすのが常だそうで、正体は誰も詳しく知らないが、ファラオは知ってるという変な状況が出来て、奴は悪い人ではないが変な奴だと噂が広まったのだ。*1
しかし、エリザベートが訪ねる頃にはカルデアに同行していて、洞窟には誰もいない状況だった。勇者なのに仲間が集まらないエリザベートは一瞬、これは1人で魔王を倒せとの御告げなのでは?と思うも、2人で倒せない相手に勇者としても勝てる気は出てこず、素直に次に進むのだった。しかし、雪原に仲間になってくれる様な者はおらず、溶岩地帯もハズレであった。これは1人で魔王を倒すか、姫を救って城に帰るしか無いか?と頭に浮かぶも、負けの実績とそもそも姫って誰?の脳内キャスターがツッコむ。でも、このままチェイテ城を取られたままではライブが出来ないと、脳内ランサーが呟く。では、ピラミッドを壊すのですと脳外アルターエゴ2号がささやく。それではピラミッドの破片が危ないと最後の良心アルターエゴ1号が苦言する。姫、それってもしかして私では⁉と脳内ライダーがときめき。それよりもお腹がすいたと脳内プリテンダーがお腹を鳴らす。仲間はいないが脳内外は騒がしいエリザベート、溶岩地帯をトボトボ歩いていると、前から騒ぎが聞こえた。さっきまでエネミーと脳内外のエリザベートしか聞いて来なかった彼女は若干嬉しそうにそこに向かうのだった。
だが、エリザベートは大事な事を忘れていると、ある人は言う。勇者となったエリザベートが忘れた事とはいったい何なのだろうか?
お願い、負けないで勇者エリザベート!今、貴方が負けたら、今まで貴方のライブで苦しんで来た人達の気持ちはどうなるの⁉忘れた事、それさえ判ればチェイテ城もライブも何とかなるんだから!
エリザ7人衆の内、2人を所持していないので良くわかりませんがライダーとプリテンダーは復刻はよです。