ドレイクの船に乗って何日か経った。スカサハのせいで可怪しくなった船員も元に戻りドレイクも一安心と言ったところの様子。とはいえ、未だにスカサハに敬礼する姿は何処かアレの残り香を感じる。
さて、此処数日の様子を改めて話そうか。まずは、上陸した島にあった石板だろうか。ルーン文字で書かれたそれは、スカサハの解読で『一度は眠りし血斧王、再び此処に蘇る』そう書かれていた。そして、急に現れる幻霊達とサーヴァント·エイリークがそこに居た。戦闘になるも、モードレッドとジークフリートの攻撃を受けたエイリークが己の斧を地面に突き刺し動きを止めた。それを見た僕等は手を止め、エイリークの様子を伺う。そして、エイリークは僕等に向けて石板を置いた。それは明らかに呪われている雰囲気を出していた。とはいえ、エイリークも動かないので仕方なく確認する事にした。そこには『それ以上金髪を近づけない無礼者でください。後、そこの紫と赤も近寄ら呪うないでください。呪うぞ?』……脅迫文だった。最初、丁寧な言い方に見えたが最後は直球だった。僕達は彼に何をしただろうか?それの解明はちょっと自信が無いや。その後、エイリークは石板を回収して、代わりに手帳を置いて去っていった。なんとも閉まらない結果だったが、僕達は船に戻った。呪いの石板はともかく、置いていった手帳は此処の海域や航海の記録だった。事情は判らないがありがたく使わせて頂く事にした。
ここでまた話が飛ぶ事になる。航海を続けていた僕達だったが、急にドレイクと管制室が海に違和感を感じた。原因は不明の違和感に僕達は近くに島を見つけた事で、関連を疑って調査に乗り込んだ。スカサハとメカエリチャンを先頭にドレイクとマシュと僕が続く。ジークフリートとモードレッドは船番を任せて、島を歩くが雰囲気、風が今までの島と全然違った。海路もあった物じゃないこの海でも春から秋に変わるような変化はなかった。コレが違和感かはわからないが、異常であるのは確かだ。そして、管制室が観測した魔力反応に向かう。すると、迷宮あるいはダンジョンの様な場所に迷い込む。すぐにスカサハやメカエリチャンが壁の破壊を試みるも無駄に終わった。途方に暮れる、には早いが少し足踏みをしてしまう。解析や所感によってこれは宝具であると判明した。では、誰のかはわからないはずだったが、ご丁寧に本人が来てくれた。
「……しね。…このあすてりおすが、みな…ころし!」
「…あすてりおす、アステリオス⁉」
「マシュよ、知っておるのか?」
「はい、アステリオスとはギリシャ神話に伝わる怪物の一人で、一般的にミノタウロスと呼ばれています!」
「…ミノタウロス、馬じゃないの?」
『それはケンタウロス!あれはミノタウロス!ボケてないで迎撃だよ!』
「バカ言う前にこの状況をどうにかするぞ!…撤退は無理だぞ!」
『マスター、見た目の通りパワーに注意です!』
『…ミノタウロス、その迷宮か。脱出の為には彼をなんとかするしかないね』
「…ご心配なく、パワーにはパワー。エリザベートにはありませんが、メカで有る私にはパワーも備わっています」
「うん、頼りにしてる!…メカエリチャンを先頭にモードレッドとスカサハが援護を!マシュとドレイクは周囲の警戒を!」
ドリルを展開したメカエリチャンがアステリオスと僕等の間に降り立つ。その裏で槍とサーフボードを構える二人、周囲を見る残りと言う構図。仕掛けたのは向こうだった。
「ぎ、…ああぁ!ここ、まもる!!」
「正面からですか、受けて立ちましょう。――くっ、強いですね、ですが、ウイングも凶器ですよ」
「…あ、――ぐぐぅぅ!!」
ドリルを構えるメカエリチャンに突っ込むアステリオス。手に持つ斧でメカエリチャンを攻撃した。しかし、斧をドリルで受けたメカエリチャンは、瞬時に背中のウイングをアステリオスに突き刺した。怯むアステリオス見逃す訳もなく、二人は突撃する。
「チャンスだぜ!波に乗りな!イィィヤッホォィィ!」
「…うむ、すぐに倒れてくれるなよ」
「…なあ、あたしも前に行って良いか?」
「ドレイクさん、貴方はサーヴァントと違い怪我しやすいじゃないですか危険ですよ⁉」
「ハハ、航海だって危険なんだ、これだって同じ事だ!」
「そうなんですか!?」
『いえ、違いますー!!』
『誰か彼女を止めるんだ!』
銃を片手に前に走っていくドレイクとそれを必死に止める僕達。前線の派手な戦闘に比べてあんまりな事になっていないだろうか?マシュもこちらを伺いながらアステリオスからの攻撃がこちらに来ない用、両手で盾を構えている。あ、参加すべきか悩んだ顔をした。
一方、前線では。
「う、う、つよい」
「ええ、当然です。…ですが、貴方のパワーもなかなかな物。モードレッド、いかがしましょうか?」
「あ、なんでオレに振るんだよ。…スカサハ、てめぇは?」
「ウム、ジークフリート、任せた」
「……すまない」
「「「「………」」」」
「どうすんだ、決まらねーぞ!?」
「予想外ね、……大きくなれば──」
「待て、それは最後だ」
「…俺があの者を抑えている内に攻撃はどうだろうか」
「…いえ、パワーであればメカである私が一番です」
「あ?出力はオレも負けねーぞ?」
「フ、良いだろう、単純な力ではない技術を見せてやろう」
「……負けん」
「…う?」
『君達、敵さんを前に何やってんだい!?』
メカエリチャンvsモードレッドvsスカサハvsジークフリートvsダークライ。カルデア史に残る世紀で無意味な戦い始まる!
「ちょっとちょっと、どういう状況よこれは!?」
「…えっと、サーヴァント?」
「はい!それもこれは…」
『ああ!前に出会った女神ステンノと同じ反応だ!』
「…て事は──」
「女神、と言う事であろうな」
「神霊ってのは暇人か?」
「…そういう事ではないのだろうが、出会っているな」
『…まあ、ある意味暇人かもですね』
「ちょっと、そこの、私は別に暇人では無いわよ!」
「う、えうりゅあれ、ひま?」
「違うわよ、……もう、何なのよいったい。又来たと思ったら後ろで引っ張りあってるは、同士討ち始めるわ、何のよ貴方達は…?」
奥からやってきた白いドレスのサーヴァント。ローマで出会ったステンノに似ている彼女は、この場の雰囲気が起きに召さない様子だった。
「…アハハ、えーと君達の事は良く知らないけど、カルデアって所から来ました」
「あら、人間のマスター?…あいつのマスター?…いえ、それよりもだったらきちんと躾しなさいよ」
「あーうん、仲間同士ではやめてね皆、帰ったらシュミレーター使ってやろうよ」
「…そうね、ごめんなさいパイロット候補」
「あー、シラけたしわーてるよ」
「ウム、モードレッドは修行のやり直しだな」
「なんでだよ!?」
「……すまない」
『うん、残当、ですね』
『うん?』
なんだかこのまま眼の前のサーヴァントを置いて話そうなので割愛するけど、結果として眼の前の女神エウリュアレとアステリオスが僕達の新しい仲間として船に加わった。
「いや~一事はどうなる事かと思ったが、案外なんとかなる物だね~」
「いや、貴方が適当なだけでしょ。私達を船に乗せる何て、どうかしてるわよ」
「うん~?言ってた追われてるって、奴かい?なら、あのダンジョンにいるよりもずっと安全じゃないかい?こっち移動する船に味方も多い、奴さんがどんな物かは知らないが、下手な物には負けないだろうよ」
「………(あんぐり)」
「う?」
「…なんだい、アタシだって全くの無計画じゃないさ。冒険なんだ、いつ何が起こるかわかった物じゃないさ、けど、それが楽しみにも繋がる。アンタらからはそれを感じた。それであなた等の安全もある、我ながらWin-Winだね」
「……そうね、礼は言わないけど、有事はこの子を貸して挙げるわ」
「う、う」
「有難いねぇ」
「アステリオス、向こうに行きましょう」
「う、うん」
「ハハ、良い関係なこった」
そう、ドレイクは二人の背中を見送った。
次はまた先になると思われます
無貌の王が顔のない王を発動してました。