エウリュアレとアステリオスが加わったドレイク艦隊とカルデア組。次の島を目指して今日も行く。…のだが、前回忘れていた事もあるのだ。
「いやー、良いんですがね?俺も影薄いなーって、しみじみ思ってはいましたし?」
「ごめん!ほんっとうにごめん!まったく忘れてた訳じゃないんだよ、ね、マシュ!?」
「はい!えーと、はい!」
「…そうさな、すまぬ」
「あー、忘れてた」
『そういえばいましたね、ロビンさん』
『え、僕は忘れて無かったよ!?』
『いやー、見事に消えていたね、流石だよ』
「………すまない」
「…可哀想に」
「誰かしら?」
「う?」
「ハッハッハ、まあ、そう言うこともあるさ」
そう言い合う僕らを見て、ロビンは諦める用にため息を吐き出した。いや、後になって気がついたんだよ。あれ?誰か、ロビン!?どこー!?って、悪気は無かったとこれだけは言います。
「……ハァ、もう良いですよ。…それよりもどーすんですか、次の島を探すんですかね?」
「あ、うん。とりあえずはそうだよね?」
「…そうさね、姫さん達を追ってるって奴等も気になるが、手がかりも無いからねぇ」
「…ええ、私達もあいつ等の居場所なんかは知らないわ」
「おれ、も」
『うーん、こちらも遠くの何かを探すのは難しいからね』
「私が空から偵察しましょうか?」
「うーん、それも有りだけど…」
「いや、此処でそれは行うべきで無いな」
「……何故ですか?」
「何、追手はまだ諦めておらぬのだろう?であれば、こちらが動かぬとも向こうから来るであろう」
「…そうね、来るでしょうね」
「そっか、無駄に分散させるよりもだね。ならメカエリチャンを行かせるよりも待って貰った方がいいかな」
「最善かどうかはなってみねぇとわかんねぇーが、オレはスカサハに賛成だな」
「…ああ、俺もだ」
「そうだな、俺も行かせるのは反対だ。なんだかんだマスターを守る観点では随一の奴を離すのは最善ではないはずですぜ?」
『……私も守れますよ!』
「…オタクは此方にいないでしょ」
「それで決まったかい?アタシとしちゃぁどっちでも良いからね。最善最悪は転んで見ないと判らない。冒険も何でもそこらは一緒、スパッと決めた事でピンチになったり上手く行ったりを繰り返すのさ」
「…うん、メカエリチャン残って」
「イエス、了解よ、
そうして、僕達は航海の進路よりも追ってくる相手について話し合う。とはいえ、確かな情報も多くは無い現状ではエウリュアレ知っている情報から推測していくに限られる。でも、英霊級の存在では話が別であった。黒髭、海賊と聞かれて名前がすぐに上がる程の人物だ。まあ、歴史の授業じゃあんまりやらなくて詳しく訳じゃないのだけれど。マシュやドクターのお陰で大体の人物像は知る事が出来たので、それを元に作戦を考えて行こうと方向性が決まった。
「よし、できたね!」
「ああ、これくらい丈夫なら鉛玉も大丈夫かもな」
簡単な作戦会議も終わった事なので、特異点に来てから密かにロビンから教わっていた罠作りを甲板で行っていた。ドレイクにも事前に許可を取っているので張り切って作成していた。
「…ふむ、ここにルーンをひとつまみ」
「止めなさい、
「…わかっておる、最近儂のルーンに頼り切りであったからな。じょーくと言うものだ」
「…お前がジョークとか笑えねーぞ」
「フフ、ですが先輩の工作もすごく上達されたのではないですか?」
「…ああ、この特異点に来てから教えてるから甘い所は有るが上達速さは立派だよ、本当に」
えへへ、照れてしまうな。昔から手先は器用な方だと思っていたからそれが役に立ったのかな?
「…俺も何かマスターに師事すべきだろうか?」
「…マスター、剣とか持たねえだろ」
「………そうだな」
「剣かー、憧れみたいなのはあるけどね?皆格好いいし」
やっぱり日本だとめったに剣なんて見ないし、刀も身近にないのでそういうのに憧れがないかと言われたら否だろう。
「…ダビンチ、貴方、鍛冶はは出来るかしら?」
『うーん、無茶振り!天才だから何でも出来るその認識は嬉しいけど…………あ、でも面白そうだねぇ』
『ちょちょっと、君が管制から離れたら大変だぞ!』
『…剣、私には似合わないか…』
『なーに、リップ君に呼べば来てくれるサーヴァントはいるんだ!私一人抜けても大丈夫だよ』
『そ、そういう問題!?』
『じゃあ、私は工房に籠もるから!期待しているといいさ!』
そう言って、ダヴィンチちゃんはモニターから姿を消した。あーあ、行っちゃった。
『あ、行っちゃいました』
『も、戻ってこーい!!君の穴は僕が埋めるんだぞー!?』
「……デザインはダヴィンチに任せましょう」
「…マスター、ドクターになんか差し入れてやった方が良いんじゃないですかね」
「うん、そうだね、キャットに頼もうか」
『うむ、必殺の胡麻団子を馳走してしんぜよう!』
キャットなら良いのを作ってくれるだろう。頑張ってドクター。
船内の廊下を歩いていた時の事だ。サーヴァントの皆は夕食を食べて各々好きに過ごしていて、僕は少し夜風を浴びたくて甲板を目指して歩いていた。
「ねえ、そこのちょっと良いかしら」
「………あ、僕?エウリュアレどうかしたの?」
そんな僕を呼び止めたのはエウリュアレだった。後ろにはアステリオスも控えているけど、エウリュアレは僕を見ていた。
「別に要はないわ。そこにいたからってだけよ」
「…?じゃあ、僕は行くよ?」
「待ちなさい、行って良いとも言ってないわ」
「えぇ…じゃあ、なんなの?」
「…貴方、ステンノに会ったそうね?」
「ステンノ?うん、そこまで話して無いけどね」
「それはどうでもいい事ね。大事なのは祝福か何かを貰ったかしら?」
「…祝福?えーと、キャットからは貰ったけどステンノからは貰ってないね」
「…そう、そうなのね」
少し眉をしぼめるエウリュアレだったが、すぐに治り、元の顔をしていた。
「…?」
「それだけよ、アステリオス、乗せてちょうだい」
「あ、おわった、?」
「ええ、済んだわ。……そうね、女神として言って置く事にするけど。貴方、●●について記録を残して置きなさい?きっと、それは楔となるわ」
「楔?」
「話は終わりよ、アステリオス、部屋に戻るわよ」
「う、ん、じゃあね」
そう言って、二人は廊下を歩いて行った。
エウリュアレとの一件があったけど、甲板辿り着いた僕はちょっと危ない気もしたけれど手すりに保たれる様な体勢で座る。顔を上げると、真っ暗な空とマストが見える。…何で夜風に当たりたかったのだろう?皆の酒の匂いに当てられて?それともお腹いっぱいだった?……はっきりとしないや。不安だったかな、でも、前にもあったしなぁ。…あれはオルレアンの時だったか。リップとクー・フーリンとマシュにテントを任せてジークフリートと高台で風を浴びたっけ。あの風に比べると大分塩っけ多いけど、この風も気持ちいいな。
…楔かぁ、どういう意味だろう?●●、暫く考えてない、か。…いや、高校の時も悩むほど考えてないか。それに、記録に残すって言うのもなぁ。どうしよう、なんか悩むと恥ずかしいかも。…あ、そういえばマシュが特異点での記録を残しているって、言ってたっけ?また、見せて貰お。
そうと決まった僕は早速立ち上がる。
「…おや、黄昏マスターはおしまいですかい?」
「…なんかごめんね?見張って貰って」
「いえいえ、サーヴァントなんだからマスターの目付け位は朝飯前ですよ。…それに、夜風は気持ちいいもんだから落ち着くんですよ。強いて言えば、森のが落ち着きますが」
「そう?波の音なんか耳触りが良いと思うけど」
「…マスター、寝れてますかい?聖杯知識の快眠音楽みたいなの聞くのオススメするぜ?」
「相変わらず、聖杯の持ってくる知識って不思議だね?」
そんな風に僕らの一日は終わって行く。敵の襲撃は何時だろうか?出来ればもう少しゆっくりもと思う一日だった。