前回、なんやかんやありつつも次の島を目指していた僕等。そんな時にエウリュアレを追っていた謎の存在が僕等の
「さあ、玉の準備はいいかい?!!」
「ヘイッ゙!!」
「カルデアのはどうだい!?」
「こっちも大丈夫です!」
「─ウム、クー・フーリン、乗り込むか?」
「おう、俺がキャスターって忘れてるだろ」
スカサハとクー・フーリンは相手の船に乗り込むために接敵を待っている。
「モードレット、俺達は迎撃を行おう」
「ああん?…まあ、やるか」
ジークフリートとモードレッドは甲板から砲撃の迎撃のために武器を構える。
「マシュ、ロビン・フッド、アステリオス、私達はマスターとエウリュアレの守護です」
「はい!」
「へいへい…アタッカーはエリザベート、お前に任せるぞ?」
「うう、がんばる」
「本当に頼むわよ、あなた達!!」
『そうだよ!この中じゃ君達が一番危険と言っても過言じゃない!』
マシュ、ロビン、メカエリチャン、アステリオスは僕とエウリュアレを守る為、相手を観察する為に僕等の前に陣を構えている。万全と言えるのではないだろうか。一応と再度の探査にて敵サーヴァントの数は割れている。4基、一見では此方が大分有利だ。だが、サーヴァントは1基でも強力であるとこれまでの旅路で解っているし、今回は謎の巨大魔力だその正体も解っていない。
「さあ、気張んな、来るよ!」
ドレイクの激に応えるように敵の船は
「─何処のどいつだい!?あたしらも船だってわかっての会敵だろうね!!」
「────マジ?……ハァ」
ドレイクの声に敵船に乗る黒髭のサーヴァントは何故か肩を落とす。
「…マスター、あの何故か落ち込んでませんか?」
「えーと、うん、そう見えるね」
「…気を抜くな、朝の二の前だぞ」
「なんだいなんだい、そっちから来たくせにため息たあ、失礼だねぇ!」
さすがのドレイクも相手の反応には予想外であり動揺が見られた。
「…何が嫌でBAAと相対したいかよ……ハァ」
「あらあら船長が臍曲げてるけど、私達が勝手にやって良いのかしら?」
「ん、まあ、良いんじゃない?向こうもノリ気の奴がいるしさ」
「では、開戦の一発を挙げますか!」
「いいね、行こうか!」
「あー、アン氏とメアリー氏にお任せするですよ。…あ、エウリュアレたんには手出し無用で」
「はいはい、船長はそのまま臍曲げてなさいな!」
「だね!」
そう言って、敵狙撃手アン・ボニーは前方に意識を集中させる。そして、それを横目に飛び出す構えを取るメアリー・リード。そして、臍を曲げてる黒髭、エドワード・ティーチ。このオケアノスで海賊する黒髭海賊団のメンバーだ。そして、アン・ボニーの銃弾が開戦の合図を放つ。それを合図に両船の砲門が一斉に開かれた。
「──来るぞ!」
「おう、マスター!先の打ち合わせ通りに行くぞ!」
「二人共、お願い!」
スカサハとクー・フーリンは船を跳んで敵船に向かう。
「─フッ!」
「俺も向こう組の方が性に合ってるんだがな!」
「ジャンケンで負けたからな」
アン・ボニーの銃弾をジークフリートがその剣で斬ると、モードレットがボードを銃に見立て魔力弾を飛ばす。
「よっと、あれがエウリュアレであっちがカルデアのマスターだね。うん、行こうか!」
「─マスター!」
「マシュ、メカエリチャン!」
「はい!」
「イエス!」
突入部隊に入れ替わるようにメアリー・リードが船に降り立つ。マシュとメカエリチャンが進路を塞ぐように立ち、メアリーと相対する。
「─、すまなマスター、援護い向かいたいが弾幕がなかなかに激しい!」
「おい、ドレイクもっと打てねぇのかよ!」
「そうしたい所だが、向こうの玉が何だってか強いからねぇ」
「こっちはこっちで頑張るからそっちはお願い!」
メアリーの侵入を許した事に詫びるジークフリート達だが、向こうの波状砲撃に苦しめられていた。
「よっと!…ハハ、硬そうで何よりだよ。…アン、援護の余裕ないしなぁ。まあ、弱い方から行こうかっ!!」
「─ッ!」
「マシュ!」
マシュはしっかりとメアリーの剣を構えるモーションを見えていた。が、見てから盾を構えるその瞬間には既に刃が届いていた。そう錯覚するスピードでマシュに斬り掛かっていた。その一撃はギリギリ盾を噛ませたが、姿勢を崩すには十分だった。その隙でメアリーはマシュを突破した。
「させません、ウィングカッター!」
「──ッ、大振りすぎだ!」
「──いいや、それが狙いだ、ぜ!」
マシュを突破したメアリーにメカエリチャンの両翼が襲う。しかし、素早い上に体の小さいメアリーには躱しやすい物だった。簡単に躱されたその攻撃はメアリーのスピードを少し緩めさせた。
「──伏兵っ!?」
「ちょっと痛い目見てもらうぜ、弔いの木よ、牙を研げ!
緩めさせたメアリーの隙をロビンが宝具による追い打ちをかける。メアリーの右足に絡まった樹木が瞬間に増大する。超反応で逃れようとするメアリーだったが、絡められた右足が引っ張り、エネルギーが収束し爆発する衝撃を間近で受けることとなった。毒気を吸い込めなかった一撃だが、腐っても宝具、メアリーにとって許容出来る威力ではない。
「ググぅぅッ!!」
「─もう!アステリオス!」
「うん、こわ、す!!」
「──っ、これは不味いかな。……撤退か」
「そう簡単に逃がすかよ!」
「だろうね、だから策は隠して置く物だね!」
「うわっ!!」
「ま、ぶしい」
「何よ!!」
「きゃっ!!」
「閃光弾か!?面倒い物を!」
「対閃光防御…間に合いませんか」
ロビンの宝具で追い詰め、アステリオスでダメ押しが当初の計画であり必殺であった。しかし、相手の方が一枚上手であった。メアリーの懐から落とされた筒状の閃光が一瞬の隙を強制的に創り出した。その隙でメアリーは
『皆、大丈夫かい!?』
「僕とエウリュアレは大丈夫かな?」
「ええ、アステリオスこっちに来なさい」
「うん、えうりゅあれ」
エウリュアレに呼ばれたアステリオスがエウリュアレを肩の上に乗せる。すっかり緩い空気になった僕等。
「パイロット候補、念の為スカサハ達の様子を見に行くわ」
「うん、お願い」
「先輩、後の皆さんは大丈夫でしょうか?」
「大丈夫だよ、きっと」
一方、スカサハ含む突入組の方はというと、アン・ボニーの狙撃を掻い潜りと言うか逸れたり弾いたりしながら一直線に向かっていた。
「フム、狙いは良いがな?…お主だけで事足りたか?」
「まあ、加護あるしなぁ。突っ込むだけならな」
ルーンによる即席の足場形成により海を駆ける二人。向けられる砲撃は槍で杖で加護で届かない。
「ちょっと、船長!?向こうに全然効いてませんが!?簡単に来られ過ぎじゃないの!?」
「いや~あちらさんもやりますなー。大砲も効いてない様子ですし。……ピンチ♡」
そう言いつつ、砲撃を点から面に切り替えて放ち始めた。
「ちょっと!メアリーの方も心配ですのにっ!!」
「……ドフュ、数では此方が上、これを上手く使う他ありませんな?」
「そうね、で?どうしますの?」
「とりあえず、メアリー氏の帰りまで耐久でしょうな。あちらさんは近接も得意な様子、一方こちらは狙撃手と船長。厳しい事は明白ですな!」
「…貴方の腰に刺さってる物は何ですのよ?いざとなったら壁にしますわ」
「デュフフフ、さしずめ我輩はナイトであると!?」
「………ハァ、まあ清く突撃ですわ!!」
「その目、そそりますな!いや~腕が鳴りますな!」
ようやく抜いたサーベルを携え黒髭は船に乗り込んで来たクー・フーリンに向ける。
「デュフフフ、女に頼られるのは心地良いですな!」
「…あ?なんか知らねぇが向こうさんやる気出してるぞ?」
「ウム、構うまいとく駆けよ」
「はいはい、獲物が杖じゃ締まらねぇが許せよっ!」
杖を強く握ったクー・フーリンは黒髭目指して床を蹴った。
「──!!」
「船長!!」
振るわれる杖へサーベルを置いた黒髭は、力の差に押されつつもクー・フーリンの足を止めさせた。その隙にアン・ボニーは発泡する。加護に逸らされる銃弾に歯ぎしりするも、すかさず発泡する。クー・フーリンがそれに意識を割けば儲けものともう一発。黒髭の腕がクー・フーリンの力で震えるもサーベルを打ち続ける。その理由は──
「─オジサンの槍を通す為、な!!──チッ!」
「──っ!?何処いやがった!」
「──シッ!油断大敵だな、セタンタ」
「すまねぇ、……上だな、今の今まで隠れてやがったか」
「……ウソー、あれ防ぎますの!?」
「ハァー、これだから英雄様は嫌いなんですよぉ」
突然振るわれた槍はクー・フーリンが避けきれない速度とタイミングだった。この船最後のサーヴァント、ヘクトールのドゥリンダナを必殺のタイミングで振るい乗り込んで来た敵サーヴァントに一撃与える想定だった。クー・フーリンの矢よけの加護とステータスと言うイレギュラーが有ってもなお通す一撃だった。杖を持ったキャスターがあれほど強いと初見で想定出来んが。それを今まで静観していたスカサハと言うもう一つのイレギュラーがそれを防いだのだった。
「さて、敵の手もあらかたわれたか?マスターの方も佳境であろう。セタンタよ、疾く片すぞ」
「おう、槍くれよ師匠」
「…フ、杖で良かろう?キャスターなのだからな」
「ケチくせー」
ゆったりと得物を構える二人。
「ムムムム、すっかり舐められてますぞぉ!!」
「…本当にねぇ、そこの所どうかしら?立案者さん?」
「オジサンもお手上げかもねぇ」
「そういえば船長、彼女にはトキメキませんの?」
「はい?……うーん、若作りは見事では有りますが、吾輩にも限度があると言いますがねぇ?」
「…あちゃー」
自陣なのに追い込まれた側なのを薄々感じつつも、それぞれ構える。1人、察しているが予測が外れてくれとやけくそ気味だが。そして、スカサハが黒髭に6本の槍を飛ばすのが開始の合図だった。
「ちょっと、吾輩に何の恨みがー!!」
「さてな、気まぐれかもしれんな!」
「(絶対に私怨じゃねーか)」
「(私怨ですわね)」
「(囮としては上出来だがねえ)」
「ムム、吾輩だってただではやられませんぞー!個々は俺の船、故にパワーも上々だ!鉛玉を食らいな!!」
スカサハの槍をバタバタと避けた黒髭は、おもむろにサーベルを前に掲げる。すると、彼の背後から7門の砲塔が出現した。そして、一斉に放つ。
「──チッ、俺には効かねぇぞ!?」
「──!セタンタ、後ろだ!」
「間に合っ、た!!」
「─クソッ!」
黒髭の放つ砲撃は音と爆発による攻撃が狙いだった。真の狙い、或いは賭けを間に合わせる時間稼ぎ、あわよくばの隙作りだった。そして、到着した
「オジサン的にその隙は攻めさせて貰いますよっと!!」
「─ハァ!!…4対2か、儂はまだまだ行けるがの」
「オリャッ!俺も行けるぜ!」
「くッ、立て直し早いなぁ」
「ムフフ、アン氏とメアリー氏の二人がいればまだ、行けますぞ!」
「メアリー!間に合いましたのね!」
「ごめん、遅くなった」
「……」
メアリーの強襲の隙を撃ったヘクトールだが、それをスカサハがカバーに入る事で引かせ、クー・フーリンもメアリーを杖で弾き、距離を取らせる。再び、両者が顔を突き合わせる状況となった。数の変化は戦力図に影響を多大な与えるが、スペック的に圧倒的ではなかった。が、外的要因はその図に描かれる事は当然少ない。そう、例えば、船が突然爆発するとか。
ドヴァァンン!!
クー・フーリンの耳は正しくその音の発生源を取れていた。
「──!!
「……やられたな、お主等も陽動であったか」
「…え、メアリー氏、アン氏、そうでござったか??」
「…え、ええ、そうでしたわよねアン?」
「いやいや、船長だろ?僕をあっちの船に寄越したんだから」
「ムフフ、バレちゃあ仕方ねえ、そう、吾輩の仕業である。タブン」
「師匠!」
「ああ、合わせよ!」