今回でオケアノス編の特異点は終了です。
途中、かなり駆け足になります。
ダビデ、アタランテ、アルテミス、オリオンがなんだかんだあって僕等と合流して、今はドレイクの船に戻ってきた。僕等が島に探索に行っている間、黒髭の襲撃に備えて待機してもらっていたんだけど、戻ったら大丈夫そうな彼女達が迎えてくれた。
「…随分と個性的な奴等を連れて来たもんだねぇ」
「……くま?」
「…視線が気に入らないわね、横の女神を見てなさいよ」
「─────」
「おや、オリオンは固まったようだね」
「ダーリン!?あの子に浮気しちゃ駄目よ!!」
「………ぅ、アルテミス様、落ち着いて下さい」
お互いの初対面は悪すぎる物では無かった。オリオンが少し穴が空いたがアルテミス的には大きな問題じゃ無いんだろう。
「して、ドレイクよ、黒髭は見つかったのか?」
「…ああ、それなんだがねぇ」
「進展があったの?」
「うーん、どう言ったら良いもんか難しいねぇ」
眉をすぼめるドレイク。とっても言いづらそうに説明しようと口をもごもごと動かしていた。
「何だよ、はっきりしねーな?」
「…そうね、私にも言語化が難しいわね」
「……うう…は、速かった」
「…速かった?なんか見たのか?」
微妙な反応をするのはエウリュアレとアステリオスもだった。
「あ~、あなた達を待つ間に少し船を動かしたんだよ。置いてった通信機に話しただろう?」
『うん、聴いているよ。ただ、僕等もそっちの状況を把握出来る訳では無いから教えて欲しいな』
「ああ、少し哨戒目的で動かしたんだが、ビンゴだった。すぐに黒髭の船を見つけたね。あんた等が貸してくれた遠くを見える機械?でね。とは言ってもあたし等だけじゃ戦闘は難しかったから遠目で見てたんだよ。幸いにも向こうは気付いた様子じゃなかった」
「あ、あれ使ったんだ」
「ああ、良いもんだね。…あれ、くれないかい?」
「うーん、だめかなー、そんなに欲しかったの?」
「やっぱりかー、便利だったからねー欲しかった!」
『流石にアレの精度のが君の時代に合ったら技術のブレイクスルーと言うか、物として残るのは小さい事でも歴史に影響を与えちゃうとまずいからね』
『私も賛成はできないなー。性能への賛美はもらっておくけれども』
「─んん、話を戻せドレイク」
「おっと、すまないねぇ。……黒髭の船だけど、なんか凄いスピードの物がぶつかって吹っ飛んで行ったよ」
スカサハに即されたドレイクは明後日の方向を向きながら黒髭の顛末を語る。交通事故って海上でも有るんだね。
「さて、黒髭の事は一旦置いて置くとしてだ、これからどうする?」
「うーん、もう結構当ても無く旅してるからね」
「そうですね、旅は楽しいのですが聖杯の事も気になります」
「そーだな、船旅も良いがサーフィンをもっとするべきかもな」
「…違う、そうじゃない。…ただまあ、そろそろ進展が欲しい所だな」
「同感だぜ、カルデアの探索範囲は特異点に適応してから広がってる筈なんだがな」
『うん、そうなんだよね。広がってるんだけどなかなか聖杯を拾えないんだ』
「やはりこの旅を続けるしかないのだろうか?」
「…闇雲に探すのは危険な行為ね」
「うーん、僕はアビシャグがいてくれるから楽しいけどね」
「貴様の意見は聞いておらんだろう」
「……うう、どう、する?」
「…アステリオス、何かもらって来ましょうか」
「あ、私も!」
「うぉぉ!俺は置いていけぇ!」
『メルト、この女神達、自由だよぉ』
エウリュアレとアステリオスに続いて、アルテミスとオリオンが甲板から船内に入って行った。それを見ていたみんなは同じ考えなのか続々と船内に入って行った。
それから仕方なく旅を続けた僕等は、再び黒髭海賊団と出会った。しかし、前回程の凄みは無く、何処かどうでもいいかみたいな態度が黒髭から透けて見えて、ドレイクもその変わりように驚いていた。それに船員の人数が減っているのに気がついた。黒髭の話ではあの衝突で殆どが吹き飛ばされ、行方不明となっていた。その中にはヘクトールも含まれていた。アン・ボニーやメアリー・リードは一応の心配を向けていたが、黒髭はヘクトールについてはあまり気にした様子は見られなかった。何かあったのだろうか?兎も角、黒髭についてだけど、ロマニ達と協議して交渉で此方について貰うことになった。とは言っても黒髭も大海賊、付焼齒では此方に向いてくれなかった為、どうしたものかと思ったが、ドレイクのお陰で無事に?黒髭を仲間か協力関係に出来た。そして、僕等は黒髭からある一団の情報を聞いた。その名も"アルゴノーツ"
「アルゴノーツ?ってどんな団なの?」
「はい、アルゴナウタイとも呼ばれ、ギリシャの英雄イアソン、率いる最古の海賊団ともいえます」
「……えい、……まあ、そうなる、か」
「おや、どうかしたかい?……ああ、アビシャグもアルゴーノーツの一員だったね」
「あん?あーそうだったな、ならなんか情報くれよアタランテ」
「…そうだな、知っているのなら教えて欲しい」
「あ、ああ、それは問題ない。…だが、アルゴノーツの誰が乗っているかは分からない事と私が知っているのは生前の情報だけだ」
「それで構わないよ。補足はドクターがしてくれるから」
『ああ、任せてくれ!』
それから、アタランテはアルゴノーツの事を話始めた。イアソンにメディア、カイニスにカストロとポルクス、次々とアタランテは名前を出していき、カルデアのデーターベースで照合していった。あらかた終わった頃、アン・ボニーが船員についての情報を教えてくれた。全てでは無いのだろうが、特徴とアタランテの知見でによるとまず、船長イアソン、メディア、ヘラクレスの3名だった。現状、一番危険なのはヘラクレスと言うことになった。
アルゴノーツについて確かめていた時だった。管制室のレーダーに反応があった。一隻の船だが、とても大きな力を観測していた。すぐさま警戒と言うことで、黒髭やドレイクにも呼びかけて、急いで迎撃の形を整えた。そして、目の前には巨大な船が現れた。船の上では僕らを見下ろす4つの影があった。おそらく金髪がイアソン、微笑んでる女性がメディアだろうか?さらに、黒髭から海に落とされたと聞いていたヘクトールがそこにいた。そして、半裸の巨体を持つサーヴァントがこちらを見下ろしていた。あれがアタランテの言っていたヘラクレスだろうか、離れているのに凄い圧を感じる。
「……あれがアルゴノーツ」
「そうだ、そして、おそらくこの特異点で最も力を持つ海賊団だ」
「…ッ、ドクター、観測の方はいかがですか!?」
『…聞いてはいたけど、とんでもないサーヴァントだな!?』
「だが、やれない事はあるまい?」
「…今回はキャスターなんだよなぁ、師匠、槍貸してくれねーか?あいつ相手なら打ちあいてーぜ」
「クー・フーリン、それ言ったら俺だってクラレン卜持って来たいぞ?」
「ウム、バルムンクでどこまで行けるか試すのも良いだろう」
「いざとなったらパイロット候補を回収ね」
「血気盛んですねぇ、俺は………ヘクトールと目が合ったな、警戒すべきか?」
もう、好戦的なスカサハに槍をねだるクー・フーリン、剣が無いなとプリドゥエンを見るモードレッド、バルムンクを構えるジークフリート、マスターの後ろを護るメカエリチャン、少し引いた所で見ていたら向こうのヘクトールと目があってしまったロビン、カルデア組はいつも通りだった。
「…頭おかしいのかしら?あのプレッシャーとかオーラとか出してる奴に挑もうと思えるわね」
「……えうりゅあれ、オレがまもる」
「うーん、アステリオスくん、僕も一緒にお願いできないかい?」
「ダビデ、貴方も前にでな!前線張れるのは多い方が良いからね!」
「…ヘクトールの奴は向こう側の陣営でござったか」
「そのようね、スパイって奴かしら」
「うーん、どっちでも良いかなー今は敵でしょ?」
「ダーリン、落ちないでね!」
「おい、アルテミスなにする気だよ──飛んでる!?」
カルデア組を見て信じられないと呆れるエウリュアレとアステリオスは護るとエウリュアレの前に出る。ダビデはそれを見てアステリオスの後ろへ動く、そのダビデを前に蹴飛ばすドレイク。ヘクトールを見て髭を擦る黒髭、スパイだったのかをアンとメアリーは話していた。
「…フ、見ろメディア、ヘラクレスより弱い奴ばかりだぞ!」
「ふふっ、そうですねイアソン様」
「────」
「……黒髭の陣営がカルデアと合流しているか、警戒はしておくべきですかね」
アルゴー号では、向こうの陣営の戦力を嘲笑うイアソンをヨイショするメディアに静かに佇むヘラクレス、自分に注意を向けて来るロビンや黒髭陣営を警戒していた。
睨み合いが続く中、アルゴー号と
それを良く思わないイアソンはメディアにもっとヘラクレスに魔力を回せと指示を出すも、メディアにはそれが意味する事が解っていた。この状況でヘラクレスに魔力を回すと言う事はアルゴー号を覆う障壁が弱くなると言う事であり、今ですら限界に近い状況で有るのに弱めればパリンと割れかねなかった。しかし、イアソンにはヘラクレスへの絶対的信頼があり、ヘラクレスにも応えうる力はあった。メディアもヘラクレスの力には信頼を置いている為にさあ、どうするかと思案し、捨てた。そして、そばにいたヘクトールへ視線を向ける。ヘクトールはそれに特段何も反応は返さなかったが、船体に隠れる様に水面を渡り
開幕からずっと捌いてきたスカサハとクー・フーリンの槍にバルムンク、チャームサイトは、
アタランテ達による波状攻撃に押されているメディアであったが、あるタイミングを待っていた。それまではひたすらに打ち込まれる攻撃を障壁で防いでいた。そして、ある念話が入った所で、障壁に回していた魔力を攻撃に転じさせた。まるでビームの様な攻撃が放たれていた矢や砲弾を相殺していき、攻撃の隙間をビームが突き抜けて船に直撃し、船体を揺らすのだった。揺らされた影響で攻撃の手が止まる。その隙はヘクトールが
ヘクトールの退場は戦況に大きくは無いが影響を与えた。ヘクトールの奇襲を考慮しなくて良くなった為、ロビン等の警戒していたサーヴァントが攻撃に転じやすくなった。しかし、ヘラクレスの圧力が強く戦況が大きく動かせていなかった。ヘラクレスをどうにかする手をスカサハは考えていたが、それを行うにはヘラクレス相手に隙を晒す必要があった。思案するスカサハにクー・フーリンは俺に任せろとスカサハの背を押した。それを好ましく思うと共にスカサハはジークフリートとメカエリチャンに撤退を指示する。2人は疑問に思うも従った。アルテミスの矢の援護を受けて撤退する2人を背にスカサハは宝具を発動させる。ヘラクレスとクー・フーリンが互いに反応する。ヘラクレスがスカサハ目掛けて突っ込むが、その先を塞ぐようにクー・フーリンが入り込む。クー・フーリン1人で抑えられた時間は微かだったが、スカサハの宝具を発動させる事が出来る時間を稼ぐ事に成功した。スカサハが発動させた宝具、
ヘラクレスの退場は均衡が崩れるには十分な程の出来事だった。そして、メディアの最後のストッパーを外す事になった。ヘラクレスが退場した事で絶望したイアソンにメディアは聖杯を押し付け、イアソンを依り代に魔神柱を召喚した。それにカルデア側が気が付いたのは強力な魔力反応をロマニが気付き、目の前に巨大な樹が出現してからだった。しかし、一度見ているからか行動は早かった。初見のドレイクや黒髭達にアレを倒すよう協力を頼み、アルゴー号に向けた波状攻撃にジークフリートの
ヘクトールが飛ばされた件はアキレウスのせいです。