僕のカルデア日誌   作:kanaumi

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都心部での一幕 音信不通の箱庭

 前回、唐突に僕は夢を見た。だが、それはただの夢ではなかった。とは言っても直接的な危険は迫っていなかった。ただ時間の経過による危険を感じていた。そこで僕はメカエリチャンを召喚。やって来たメカエリチャンのに乗って脱出に向けて行動を開始。行動の末、僕とメカエリチャンは孔に落とされた。

 

 

 孔に堕ちた僕とメカエリチャンは、何処か現代的な街の上空に現れた。何処か着陸出来る場所を探し、少し広い駐車場に着陸した。僕もメカエリチャンから降りて、周囲を観ながらこれからの事を考えていた。

 

「パイロット候補、これは厳密に言えば相違する可能性が有りますが、ここは先程とは別の空間であると言えます」

「夢じゃないって事?」

「…肯定、先程は以前空を駆けた頃の状況と酷似していました。しかし、現状はそれとは異なります。そもそも夢と言うものに守護者である私は無縁に近い、何故なら私は夢を認知は出来ますが発生させる事はありませんし、現れる事は出来ません。あの時、存在していたのはお前と言うビーコンを認識しているに過ぎない。しかし、この空間に来たとき私達は、夢から覚めた感覚はなかったはず。そう言った意味では夢の中にまだいるとも言えますが。夢を他の空間に接続させる。それは常人には不可能です。しかし、私達を孔へ堕としたのは直前に姿を確認したあの人影、あれは私達の常識で測れる存在ではない。であれば、あれが何処かの夢、あるいはそれに近しいものに接続した可能性が高い」

「…そっか」

 夢じゃない、いや、僕には夢だったとしてもしなくてもわからないか。少し頬をつねる。…痛い、じゃあ現実?でも、さっきも感覚あったしなあ。わっかんないな。

 

「でも悲観する事もないわ、何故ならチェイテの守護者である私がいるのだから」

 メカエリチャンは鉄の胸を張る。

「うん、いつも頼りにしているよ」

「ええ、当然です。…しかし、どうやら無理な跳躍に、何者かの妨害によって、此処ではヒューマンモードでしか活動出来ない様ですね。それに飛行やサーチも制限されていると」

 確認のために展開したウィングは、いつものエリザ粒子の発光は無くて、ただの鉄の塊だった。

 

「それって、本当に?…そっか妨害かぁ、そうなんだったらここは安全じゃないんだね?」

「肯定。今見える周囲の風景こそ、ビル等が立ち並び、パイロット候補の故郷である日本の都会に近いですが実態は少し異なります。私の瞳にはメインカメラの他に、切り替えで各種センサー類が備えてあります。さきほど使用した際に、異常値を記録しました」

 瞳を差しながらメカエリチャンは、クルクルとセンサーを入れ替える。

 

「…どんな異常値なの?まさか、魔術関係?」

「一部肯定、要素はあります。少し霧がかかったような空、何かが蠢くような風、そして、何か胎動を思わせる不可思議な建物、私はメカなので無害ですが、パイロット候補にはこの場所は有害でしょう。しかし、蠢くもの、近しいものをカルデアの記録で拝見しました。そう、チェイテのハロウィンの幽霊ですね」

「あー、幽霊かー。……え?またハロウィン特異点にいるの!?」

「…否定、ハロウィンでは無いでしょうね。ただ、そうね、特異点ではある可能性が出てきたとだけ」

「…幽霊、もしかして襲ってくる?」

 思わず、メカエリチャンに尋ねた。メカエリチャンは周囲を伺いながら─

「肯定、こちらを狙っているものが一二三、四五六」

「そんなにいるんだ…。メカエリチャンは幽霊相手はいける?」

「───当然、不可能です。幽霊にロケットパンチが当たる理由が見えません」

「あ、そう、だね」

「現状、打てる手は一つですパイロット候補」

「……それは?」

「撤退」

「うん、そうだと思った!!」

 メカエリチャンのそれを聞いて、僕はすぐさま反転、逃げる為に駆け出した。メカエリチャンも追従して、広い駐車場から脱出した。

 

 

 

「…ハアハア、メカエリチャン来てる?」

「…否定、幽霊に行動範囲があったのかどうかは不明ですが、追って来てはいないようです。スカサハの筋トレのお陰かしらね」

「……そうかも、ハア、よし、いつもよりも走れたかな?」

 膝と両手をついて息を整える。スカサハのお陰で足の震えも疲れも大きくはない。だけど、幽霊との追いかけっこは何故か疲れを感じた。恐怖だろうか?あまり情報が無いためわからない。

 

「…所でパイロット候補、今現在、金銭は所持していますか?」

「………あ、200円あった」

「パイロット候補用に飲料水を購入を推奨します」

「自販機かコンビニを見つけたの?」

「肯定、あれがそうでしたね?」

 メカエリチャンが刺す方には、道の横に自販機が2台並んでいた。電源も入っているようで、問題なく動くボタンも反応しているので壊れていない様子だった。早速、小銭を入れて水を買う。カルデアではお茶やジュースは飲めたが、天然水は流石に置いてなかった。日本にいた時は特段欲しいと思わなかったけど、何か飲みたくなってしまった。

「…ンクンク、ハァ、美味しい」

「……」

「……飲みたい?」

「…否定、メカである私にはその水は不要なもの、お前が全て飲むのが最適です」

「そっか、ごめん」

 メカであるメカエリチャンには、冷却水は必要であるが飲料水は不要だ。また、メカエリチャンの口はその用途に調整をされていない。含んだ場合にどんな不具合が出るか不明な事も要因だった。

 

「…帰還後、メカニックへの相談項目に加えておきましょう」

「そうだね、ダヴィンチちゃんならできるね。うん、帰ったらエミヤやキャットに何か頼もう!」

「そうね、予定を空けて置きましょう」

 そんな談笑を交えて、休息を終えた。疲れが軽くなった所で、今後の想定について話し合う。

 

「この場所を特異点と仮言的に判断します。その場合、先の夢と違いカルデア側からの干渉が可能なはずです」

「あ、そうか、特異点だったらそうだね!」

「ただ、いまだにパイロット候補のそれに通信が入っていないのが気がかりね」

 メカエリチャンは僕の腕の通信機に目を向ける。僕もそれに倣うも通信機はうんともすんとも反応はしてなかった。

 

「気がついていないってこと?」

「…ジャンプの際に、パイロット候補が問題に巻き込まれた事は認知しているわ。だから、私が飛んだのだから。しかし、それなら通信がないのもおかしい。…レイシフトではない方法だから存在証明が行えていない?でも、それなら──」

「…あ、こっちから連絡を取るのは?確かめてなかったけど、その方法があるよね」

「…それは私が一度確認済ですが、いえ、そうですねやりましょう」

「…?うん、もしもし〜?管制室、管制室!」

『─────ガガッ─』

 ノイズが走るばかりで声は聞こえて来なかった。これは、どっちだろ繋がってるのかな?声が聞こえないだけかな?判断つかないや。

「……うーん、ダメみたい」

「…私の時と同様の様ですね。ただ、管制室もこちらの状況を観測しようと動いている。私がジャンプする前にロマニ・アーキマンと、お前との合流後の行動を話していましたが、特異点と仮定するならば話は別であり、カルデア側で観測可能です」

「じゃあ、何で通信が?」

「…それは……現状では判断がつきません。ロマニ・アーキマンについて、その能力は評価していますが、性格面については評価が難しい為、……ムム」

「メカエリチャンが悩む程なのロマニって?」

 ちょっと、ロマニの評価が低すぎて可哀想にも先行きが心配にも感じてきた。何で特異点で余裕があまり無いこっちがロマニの心配してるんだろ。

 

「兎も角、私達は最優先に行わなければならないのは、現状の把握と安全の確保の2つ」

「うん、ここが都会な事と幽霊が徘徊していることしかわかってないもんね」

「そして、その幽霊に有効打がないのも現状です」

「ビームもダメっぽいもんね」

「打っていないので検証が必要ですが、物体のない幽霊には効果が薄いでしょう」

 いつもは自信満々な様子で語るけど、今はテンションが低い。メカエリチャンにその事を指摘はしないけど、帰ったらダヴィンチちゃんに相談しよう。何が有効なのか予想つかないけど、…祈祷とかそっち系だろうか?

 

「先程語った通り、あれらについては即対応とは行かない。ですが、何も行動を起こさないのも悪手となる。今はここまで来ていないですが、原因を解明出来ていない。何れはここも安全ではないかもしれない。ですので動きます、良いですねパイロット候補」

「うん、行こう!」

 空のペットボトルをゴミ箱に入れ、僕は立ち上がる。メカエリチャンを先頭に僕等は再びスタート地点に戻るのだった。

 

 

 

 

 

「へぇ、ここには死人しかいないもんだと思ってたけど、生きてるのもいるじゃないか。隣の動く機械はわからないけど、会ってみてもいいか」

 

「……にしても、ここって辛気臭いよな、あれもあんまりいい気はしないし、ゾンビだけじゃなくて幽霊いるし。どうなってんだよ。幹也もいないし、こういう時に役立つトウコもいない。身体も違和感あるし、…はぁ、変なのに巻き込まれたな。憂さ晴らしここじゃあしてもスッキリしないよな…はぁ」

 マンションの上で長い愚痴を吐く人物は、着物をなびかせて隣のマンションに飛び移っていった。




空の境界イベントは原作を読んでいなかったので、あまり理解出来ていない上に当時は登場していても、知らないサーヴァントが多く大分流しで読んでいた気がします。
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