僕のカルデア日誌   作:kanaumi

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前回の続きです。

2026/4/26 修正


夏の一幕② 肉肉肉魚肉野菜肉肉

 

 サーヴァント全員の協力でなんとか完成したウッドハウスは、みんなが入れるだけの広さがある。拠点ができたおかげか、みんなの緊張も少し解れたようで、帰還への探索とは別に、思い思いにこの特異点を楽しみ始めていた。モーさんと金時が近場の海でサーフィンをして、クー・フーリンと茨木がそこらの鶏を刈ってバーベキューの準備をして、スカサハと清姫はどこからか用意したウッドチェアとパラソルで砂浜に座っている。僕とマシュとマリーは砂浜で城を作ろうと試行錯誤していた。

 

「先輩、私、こういうの初めてですが、楽しいですね!」

「うん、僕もあんまり経験ないけど、楽しいよ」

 カンカン照りの砂浜なのにマシュは、とってもテンションが高い。

「フフ、マスターもマシュもわたしも、みんなで楽しめる砂遊びって素敵ね!」

 マシュだけじゃなくてマリーもテンション高いようだ。

「おい、お主等! 手を止めていないで城建設を続けろ! 端から崩れ始めているぞ!」

 スカサハは……まあ、高いってことでいいのかな。

「……ますたぁ達よりも貴方の方がお城作りに気合が入ってませんか?」

 パラソルの下で寝ている清姫。清姫はどこから持ってきたのそのパラソル。

 

 結局、お城作りは夕暮れまで続いた。サーフィンから帰ってきたモーさんと金時、バーベキューに満足した茨木、途中から口を出すだけでは足らなくなったスカサハ、仕方なく引っ張られてきた清姫まで加わって、最終的にはなかなか大きな城が完成した。6つの側塔が周囲を囲み、中央に大きな塔が建ち、テラスも礼拝堂も完備している。ほぼスカサハが凝りに凝った結果だ。名前はダン・スカー城だって。

 

 作り終わったころには、みんなくたくたに疲れていた。そこへ漂ってくる匂いに、鼻が反応してしまう。一人参加していなかったクー・フーリンが、バーベキューの準備を整えていたのだ。

「おい、いい匂いだぞ!行こうぜ、マスター!」

「モードレッド、汝に一番はやらんぞ!」

 一番早かったのはモーさんで、次が茨木、一目散に走っていった。

「あら、いい匂いね!フフ、良くってよ、良くってよ!」

「マリーさん、わ、私もお腹がすいています!」

 キャラを崩しながらマシュとマリーが走っていく。

「うん、僕もお腹すいた」

 人のことは言えないな。もう、飛びついた。

「フフ、ますたぁ(旦那様)も嬉しそうですこと」

「清姫は走らねぇのか?」

「わたくしもお腹がすいています。ですが、ますたぁ(旦那様)よりも先に向かうことは禁じてますので」

「あ、そういうことね。難儀だな」

 僕の後を清姫と金時が来て、最後にスカサハがやってきた。肉、肉、野菜、魚、肉。お腹がペコペコだった僕らは一心不乱に食べた。特にモーさんとスカサハが肉を取り合ったり、茨木に金時が取ってあげたり、マシュとマリーがダウンしたりととても賑やかだった。そんな中、クー・フーリンはずっと焼きに徹してくれていた。たくさん食べた順でいうと、茨木とモーさんが同率で、金時とスカサハが並んで、僕、マシュ、マリー、清姫と続いた。お腹を満たした後は交代で見張りを回して、そうして一日が終わった。

 

 

 

 

 沢山食べて眠った次の日。昨日は探索が全く進まなかったので、今日から本格的に動くことにした。島が広いのでチームに分かれる。一チーム目はモーさん、マリー、クー・フーリン。二チーム目は金時、清姫、マシュ。三チーム目は僕と茨木とスカサハ。この三チームで手分けして探索に出た。

 

 

──森を進む一チームは道なき道を進んでいた。

「とりあえず、他と被らないように森に来たが、……なんか荒れてないか?」

 先頭に立って草木を避けていたモードレッド。何かが通ったような跡を観て立ち止まっていた。

「……ああ、蟹や鶏が暴れたにしちゃあ、変だな」

 ルーンで伐採して道を作っていたクー・フーリン。

「……そうね、大きい子が暴れたみたいな荒れ方ね」

 最後尾を歩くマリーは、周りをキョロキョロと見回していた。

 折れた木々と、何かが掘り返されたような跡。今まで見てきた生き物では、この惨状は起こせない。モードレッド達は顔を見合わせたまま、その場に謎を残した。

 

 

 ──一チームとは別の道を進む二チーム。

「金時さん、あれは何だと思いますか?」

 盾を構えながら進んでいるマシュ。前方に何かを見つけた。

「……ウリ、猪じゃねーか?」

 金時はサングラスを直してそれを見つめる。

「……それにしては可愛らしい見た目ですね。人形みたいな」

 扇子で口元を隠すが、瞳は輝いている。

 湖のほとりにやってきたマシュ達は、妙に可愛らしい猪を見つけた。顔を湖につけて水を飲んでいる。図鑑で見る猪の姿とも大きさとも合わなくて、マシュは思わず金時に尋ねた。立ち止まって見ていると、猪はこちらに気づいたのか一瞥してそのまま一目散に逃げていった。慌てて追ったが、小さな体は森の木々の奥にあっという間に消えてしまった。

 

  

 ──二班とは違い、山へやってきた三班。

「スカサハの意見で山の方まで来たけど、何か気になる事でもあったの?」

 結構歩いて来たからか、少し疲れて来ていた。

「うむ、確信があるわけではないが、何やら良からぬ気がしてな」

 スカサハは辺りを見回して返事をする。

「……ならば、あれがそうであろうな。匂いも好かぬ。汝は近寄らん方が良いだろう」

 茨木が指し示したのは、何かがぶくぶくと湧いている小さな水溜まりだった。ゲームで見たことのある、明らかに毒の沼だ。

 

「え、あんなのができるくらいここってヤバいの?」

「汝は阿呆か。今まで吾等が倒してきたのも十分にヤバいの入ろう」

 茨木は呆れたように僕を沼から遠ざける。

「そうだけど、毒の沼なんて初めて見たよ。スカサハ、どうする?」

「……ふむ、調べてみる他あるまい。せめて発生源を探らねばな。……よし、一応ルーンで毒の対処は行った。近くで観察するぞ」

 一人悩んでいたスカサハはスッとルーンを描き、僕へ飛ばす。

「……はぁ、仕方なしか」

 スカサハが毒の沼に近づき、仕方なしと茨木と僕がその後に続く。

 

「……ぶくぶくしてたから下から湧いてるのかと思ったけど、湧いてはいないみたいだね」

 ブクブクと泡立っていた毒沼だけど、別にしたから湧き出ている訳ではないみたいだった。

「……そのようだな。だが、周囲の草木を枯らせている。何か対処を──」

「此位、吾の炎で焼き切れる。汝等、どいておれ。……アァァ!!」

 対処について思案したスカサハの横を、スッと現れた茨木が掌に炎を纏わせ、毒の沼に叩きつけた。ジュウッと煙を立てて、沼は綺麗に焼け消えた。

「うむ、見事だ。……毒が自生するとも思えん。何やら、この島にはおるのだろうな」

 別の可能性を考えるスカサハは、周囲を観る。

「他のチームは大丈夫かな」

「そうそう殺られる者達ではあるまい。……そろそろ戻るか」

「吾は疲れたぞ」

「うん、帰ろうか」

 スカサハの号令で僕たちは下山することにした。疲れた僕と茨木をスカサハが特別と俵抱きで運んでくれた。

 

 拠点に戻ると、他のチームもちょうど帰ってきたところだった。モーさんたち一チームは、森の中で不自然に荒らされた場所があったこと。マシュたち二チームは、湖で猪には見えない不思議な生物を見つけたこと。僕たちの三チームは、毒の沼を見つけたことをそれぞれ話した。

「…なあ、俺たち以外にも生き物がいるのは知ってるけどよ、なんかその猪怪しくねぇか?」

「…ああ、モードレッドの言う通り、現状怪しいのはその猪だな。ここは強い魔獣が多い。マシュたちの話によれば、弱い猪が生きて居られるとも思えまい」

 モーさんの疑問にスカサハが応える。

「明日はそこもふまえて調査と行こうじゃねぇーか?俺っちは生きものと少しは話せるしよ」

「うん、それで行こうか」

 金時の言葉に集まったみんなが同意したことでこの場は終了となった。

 

 そうして今日もバーベキューで腹を満たして、二日目が終わった。クー・フーリンが「なあ、師匠よ。俺も食べたいんだが」とスカサハに意見している姿が見れたけど、スカサハが「疾く焼け」と言われて撃沈していた。沢山食べてお腹いっぱいだと、不安も少し小さくなる気がした。みんなもいるし、明日も何とかなるよね。




本当は2話位で切るつもりだったのですが、まだ続きます。自分は地文で説明やらして会話しないのになかなか終わらないのは何で何でしょう?


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