僕のカルデア日誌   作:kanaumi

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 すみません、前回までの話でモードレッドの事をモードレットと書いてました。ファンの皆様すみませんでした。自分も好きなのに気が付かなかったです。

2026/4/12 修正


夏の思い出での一幕  荒廃都市にさようなら

 

 微小特異点から無事帰還できた僕たち。特異点では一ヶ月ほど過ごしていたが、こちらでは数分程度だったらしい。話を聞いたドクターは驚き、ダヴィンチちゃんは興味深そうにしていた。どういう仕組みでそうなったかは僕には分からないので割愛するとして、特異点で出会ったスカサハが一緒に帰ってきていた。本人曰く暇つぶしのようなものらしいが、心強い味方が増えて嬉しい。クー・フーリンは微妙そうな顔をしていたけど。あと、スカサハ達がルーンで弄った霊基については、元の霊基とある程度自由に切り替えられるようなので、各自の自由にしてもらっている。モードレッドは上手くいかないようだけど。

 

 

自室

 

「……はぁ、何だかんだ疲れたな」

 

 ドクター達への報告も終えて、サーヴァントの皆と別れた後、自室に帰ってきた。久しぶりの自室は、殺風景なりに安心感があった。鎧を脱ぐみたいに、肩の力がすっと抜ける。

 

「お疲れ様です、マスター」

 

「うわ、リップ、びっくりした」

 

「フフ、お疲れなんですね。隙だらけです」

 

「もう。てか、鍵開けてないよ僕」

 

「そこは、気配遮断、です」

 

「なら、もっと早く声をかけてよ……」

 

「BBの気持ちが少しわかりますね。あ、でもBBってヘタレだし、少し違うかも?」

 

「え、誰それ?」

 

「……私のお母さん?」

 

「何で疑問形なの」

 

「まあ、どうでも良い事です。それよりも、マスター達の特異点での話を聞きたいです」

 

「え、疲れてるんだけど」

 

「もう、つれないですね! ……良し、そーれ!」

 

 唐突にリップは、左腕を器用に使って僕の服を掴み上げ、右手で身体を支えた。そのままベッドに運んで、僕を下ろす。

 

「マスターが眠るまでの間で良いですから」

 

「……わかったよ。えーと――」

 

 思い出しながら、黒い巨体の猪(以後、魔猪。命名モーさん)と戦ったところまでを話した。リップも合いの手や反応を返してくれるので、寝ようにして寝れない感じだった。リップの反応が一番良かったのは、砂の城を造っていた話だろうか。最近はキャットと練習して細かい作業もできるようになってきているリップだし、凄い物を造りそうだなと想像していた。

 

 魔猪を倒した後は、小さい猪(以後、ウリ坊。命名マリー)のお願いで綺麗な湖に戻すことになった。スカサハが持っていたトネリコの種に毒素を吸収して成長する作用を付与して埋めるという方法だったが、毒素が強すぎて枯れることが分かった。ならばと、埋める箇所の周辺を茨木、清姫、クー・フーリンの炎で焼いてから力技で埋めることにした。後でスカサハが経過を確認して、もう大丈夫だと言っていた。その後も度々襲ってくる魔猪を返り討ちにしながら、途中からは数が増えたウリ坊達と交流していた。――何したかって? ウリ坊達のために畑を耕したり、ウリ坊サッカーをしたりだよ。

 

 やがて、スカサハが島からの脱出を提案した。このままでは解決しないということで、船を造って航海する計画だ。船は森の木々をルーンで加工して、操舵は都合よく僕が船舶免許を持っているので担当することになった。英雄達を乗せた船を操るのは、図書館で読んだ英雄イアソンみたいだと思った。船は順調に完成して、ウリ坊達との別れを惜しみながら出航した。海は非常に荒れていた。新人操舵で何とかなったのはルーンの万能さとモーさんの宝具のおかげで、それがなかったら沈んでいただろう。しばらく航海を続けて、僕らは新たな島を見つけた。――え? モーさんの波は危険だって? そこはある程度調整が効くみたいだよ。

 

 ただ、見つけた島は物凄く荒れていた。運良く第一島人を見つけた僕らだったけど、案内されたのは、僕の時代くらいまで発展しているのに崩壊した都市だった。住人はあのウリ坊で、50年前から謎の勢力に進撃されて今のような廃墟になったという。そして謎に女神ファイブシスターズと称えられた僕達は、この地の開拓を行うことになった。――ファイブシスターズ? うん、女神は5人の美女だったんだって。うん、4人くらい足りないね。

 

 開拓を始めると、大きな木を守る魔猪に出会った。戦闘自体は苦戦したけどすぐに終わった。でも、その守っていた木が問題だったんだ。スカサハからトネリコの木だと聞いた上に、海岸には僕達が造った砂の城が残っていたんだ。――え? 砂の城がなぜ残っていたって? スカサハが折角だからってルーンで補強したんだよ。2000年も保つなんて凄いよね。

 

 それを見て、僕達は気がついた。ここが僕らが過ごしていた島だって。外と中で時間の流れが違う、大分特殊な島だったんだ。しかも滅んでるし。まあ、それはそれとして、開拓を進めた。途中、ベオウルフという英霊の国と会ったり、クー・フーリンの魔猪100匹斬りがあったり、キャスターなのに頑張ってたよ。で、ウリ坊の国はすごく発展したんだ。でも、その速度がおかしいってスカサハが気づいて、原因は100年前の魔術師で洞窟で眠っているって聞いたから向かったんだ。そしたら、あの有名なエジソンを名乗るライオンがいた。英霊って色々混ざることがあるみたいだけど、動物とも混ざるんだね。彼は大統領とか言ってたけど。――そう、ライオンの頭だったよ。エジソンがあれならニコラ・テスラもそうなのかな?

 

 その後は何だかんだで、聖杯を探すことになった。スカサハの見当をつけた方向に向かったら、沢山の魔猪がいて。全部を相手にするわけにはいかないから、モーさんの宝具と金時の宝具で大群に穴を開けて突っ込んだんだ。エジソンとスカサハと僕とマシュで前に進んで、他の皆は魔猪の足止めをしてくれた。魔猪の大群を抜けたら、巨大な工場があって、そこに聖杯があった。――ん? 眠そう? うん、良い感じに眠たいかも。

 

 でも、聖杯だけじゃなくて、魔猪の王がいたんだ。2000年前に僕達が倒した魔猪が。でも、倒したよ。スカサハにエジソンにマシュに、皆が駆けつけてくれたから。宝具に宝具に宝具の波状攻撃でね。トドメは清姫だったかな。魔猪を倒した僕たちは、手に入れた聖杯でカルデアに―――

 

「あ、フフ、寝ちゃいましたね。布団をかけないと風邪をひきますよ? ……お休みなさい、マスター」

 

 マスターの寝顔に微笑んで、パッションリップは部屋を後にした。

 

 

「あ、パッションリップさん、先輩はどちらに?」

 

「マスターなら、部屋でお休みですよ。大分お疲れのようです」

 

「そうですか。折角ならと思ったのですが」

 

「何かあったんですか?」

 

「清姫さんが特異点での活動を映像に残してくれていたので、一緒に見ようと思っていたんですが……」

 

「なるほど。マスターが起きたら聞いてみましょう」

 

「そうですね。……はぁぁ、あ、すみません!」

 

「マシュさんもお疲れですね」

 

「はい、他の皆さんもお疲れのようでした」

 

「じゃあ、マシュさんもお休みしないと」

 

「はい、ではお言葉に甘えて。お休みなさい、パッションリップさん」

 

「はい、お休みなさい、マシュさん」






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