潜水艦を見てちゃんとビビったのはポルナレフだけだったが、それでもジョースターさんは満足気だった。
強いていえば、花京院は金持ちのスケールに呆れているようで、承太郎は慣れているのかクールなままだった。
さて、潜水艦ドッキリは看過したが、このまま乗るかどうかというと別の話だ。
「普通に60m泳ぐのと、60m浮上するのって、どっちが簡単?」
「お前さん水圧っちゅうもんを知らんのか」
知らんから聞いたのだ。
なんか駄目そう。潜水艦乗るのやめようかな。
「では潜水艦は、水上と海中ではどちらの方がスピードが出る?」
「それは海中じゃの。造波抵抗がない。造波抵抗というのは……」
難しいことはわからないが、そういわれると海中を進んだほうが良いのかな。
「どうせ沈没するからな……」
「お前が言うと本当にそうなりそうじゃろうが!」
責任転嫁された。ジョースターさんだって乗り物に関して不吉なジンクスを持っているくせに。
海についても戦闘についても、彼らの方が専門だ。ハイプリエステスは未だこの場にいないと信じて、相談してしまおう。
「これは確証のないことだが、おそらく海岸でハイプリエステスが待ち構えている。彼女のスタンドは射程がかなり長いから、海底を進んでも攻撃範囲内だ。だから沈むだろうなと思って」
「お、お、お、お前なァ~!」
あ~もっと早く言えよという顔をされている。でも確証がない、原作知識だからなあ……。
この先にハイプリエステスがいない可能性も考えられる。
なにしろ今までのように、私がちょっと先の地点を見て
「ハイプリエステスも盗み聞きがうまいスタンドだ。プラスティックも含めた鉱物何にでもになれるから、私は感知しにくい。正直今聞いててここで襲ってきてくれないかなとすら思っている」
残念ながらそんなことはなさそうだ。
この島が無人島であることは私とアヴドゥルが確認しているし、島の近くに船でも浮かべていなければ流石に彼女でも射程外だろう。船を浮かべて奇襲に備えていてくれ、というわずかな希望だったわけだが……。
「潜水艦に乗っても穴が開けられると思う。スピードが出るのならそれを覚悟に海底を進んで、急いで海岸近くまで行き、潜水艦が壊れたら外に出て浮上して海上まで逃げればよいのではないかと思っていたんだが、難しそうか?」
「浮上する間、流石に息が持ちませんよ」
「いや、できる。この潜水艦は金持ちの道楽用だから、スキューバダイビングの装備がついとるんじゃ」
ハイプリエステスにどう対処するか、各々が頭を悩ませる中、ポルナレフが私に聞いてくる。
「お前の考える戦略はなんなわけ?」
「強大なスタンドは本体をたたくというのが鉄則だから、急いで近づいてぶん殴ってしまえと思ってた」
「雑ゥ!」
「遠距離の場合、ハイプリエステスは小型の鉱物にしか変身できない。代わりにスピードがあり、捕獲は困難だ。だが近距離ならパワーが上がる代わり、でかいものに変身するだろうから、でかい的をぶん殴ってしまえば良いのではないかな、でもめんどいから本体を直接殴って終わりにしたい。以上だ」
最終的に一番脆い人間の体をぶん殴ってしまえという結論ではある。
無論、本体に近づくのはスタンドで阻止されるだろうから、やはりでかい的をぶん殴ることになりそうだ。
一行はしばらく議論を重ねたが、最後はジョースターさんのため息で終わった。
「それしかないようですね。やれやれ、沈むとわかっている潜水艦に乗るなんて」
「潜水艦は鉄の塊だ、ハイプリエステスがどこから襲ってきてもおかしくないからな。計器類に化けるぞ」
「どんどん乗りたくなくなることを言わないでください」
ごめん。でも君らにこれ以上の対処が思いつかないのなら、私にだって思いつかない。
ない頭を絞ってどうやって戦うか考えたんですけど、思いつかなかったので、ジョースターさんたちも思いつかなかったことにして責任転嫁しました。作者は自分以上に頭のいいキャラは書けねんだ。